“日本代表”クラスのインディーゲーム開発者たちによる講演は見逃し厳禁!オフライン開催の『Indie Developers Conference 2023』の魅力を主催者にインタビュー

2023.12.05
注目記事インタビュー
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2023年12月17日(日)、インディーゲーム開発者を対象としたカンファレンス『Indie Developers Conference(以下、IDC)2023』が、東京・新橋で開催されます。

2021年にオンライン開催された初回から2年ぶりとなるIDCは、どのような層を対象に、どんな狙いを持ったイベントとなるのか。実施の背景や今回の見どころを、主催であるIDC実行委員会の皆さんにインタビューしました。

INTERVIEW / 神山大輝

TEXT / ハル飯田

EDIT / 藤縄優佑

目次

「情報共有において日本だけ置いて行かれる」危機感から、つながりを生むイベントを目指して

——自己紹介をお願いします。

水谷 俊次氏(以下、水谷):インディーゲームパブリッシャーのPLAYISMを運営している、アクティブゲーミングメディアの水谷と申します。

今井 晋氏(以下、今井):私はもともとIGN Japanの編集でしたが、現在はHYPER REALというパブリッシャーで活動しています、産経デジタルの今井です。

一條 貴彰氏(以下、一條):インディーゲーム開発者の一條です。『Back in 1995』『デモリッションロボッツK.K.』などの開発を7年くらいやりつつ、日本国内のインディーゲーム開発者を対象としたツールのサポート業、インキュベーションプログラムのお手伝いなどを担うアドバイザリー事業もやっています。

写真左から一條氏、今井氏、水谷氏

——皆さんが主催するIDCとはどんなカンファレンスなのか、概要から教えてください。

一條:IDCは「インディーゲーム開発者向け」のカンファレンスです。国内でインディーゲームを開発している方々に講演形式で経験談や開発ノウハウをシェアしてもらうことを狙ったイベントで、来場者もインディーゲーム開発者を想定しています。一般のゲームファンをターゲットにしていない点で、展示会イベントとはまったく様相が異なりますね。

ゲーム開発に関する国内の大きなカンファレンスはCEDEC(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス)が有名ですが、一定規模以上のゲーム開発現場に関する情報共有に重点があると感じており、個人や小規模のゲーム開発者については全体に対する割合として取り上げられにくいと思っています。

IDCはインディーならではの悩みや技術的なトピックに特化していて、個人や小規模チームが“自分ごと”として参加できることを重視しています。参加にあたっては開発プラットフォームも開発歴も問わない、幅広い層を対象としています。

──IDC創設のきっかけを教えてください。

今井:水谷さんの発案でしたよね?

水谷:僕がPLAYISMとしてインタビューを受ける中で「カンファレンスをやったほうがいい」と何回か言っていて、今井さんも一條さんも「そりゃそうだよね」と賛同していただいた形ですね。

PLAYISM単体でカンファレンスを主催すると、「パブリッシャーの宣伝じゃない?」と思われてしまうなどの可能性があります。それならば、メディアと開発者とパブリッシャーが組んでやってみよう。となったのが最初だったかと。

一條:パブリッシャーが主体のイベントもありますが、そうすると1社独占っぽくなって偏りが出そうだなと。いろいろな立場のメンバーと共催することで、インディーに関わる企業や開発者が同列平等に扱われるカンファレンスにしたいと考えていました。

水谷:GDC(Game Developers Conference)や中国のWePlay Expoをはじめ、諸外国のインディーイベントなどを多く見ていると、海外はインディーを対象としたカンファレンスをガンガンやっていることに気づかされます。

4年前にWePlay Expoで海外の優秀なデベロッパーをたくさん招いて中国語の同時通訳も入っているカンファレンスを開いている様子を見て「これはあかん。最新情報のキャッチアップに日本が置いていかれてるな」と感じていたんです。

WePlayは中国インディーゲームアワードも行われる、中国最大級のインディーゲーム総合展示会(画像はWePlay Expo公式Xより引用)

一條:GDCは全体の3〜40%ほどがインディーがテーマですし、台湾の台北ゲームショウでも前日や周辺日程でデベロッパーカンファレンスがあって情報共有が盛んですよね。

国内にもUnityやUnreal Engineを有する企業が開くカンファレンスではインディーのピックアップも多くありますが、包括的なものがなかったので、やるしかないなと。

今井:コミュニティや横のつながりが必要という話もしましたね。インディーゲームは横のつながりがあった方が圧倒的に良い業態にも関わらず、開発者同士もパブリッシャーごとにまとまっているくらいで、あとは年齢ごとに固まっているような印象があります。

一條:CEDECのような技術カンファレンスで生まれるつながりは重要ですよね。CEDECではカンファレンスや公式懇親会の他、参加者が自主的に職種ごとのアフターパーティーを開いています。毎年参加する中で、懇親会での情報交換が非常に貴重であることを実感します。

水谷:我々PLAYISMはパブリッシャー事業をやっている中で、異なる開発者さんたちが同じような問題に直面している姿も見てきています。例えば「セーブデータはこう作らないとマルチプラットフォーム展開が難しい」とか、ローカライズを見越した部分とか、そういうものはコミュニティで知見が共有されると解消される問題だろうと。

一條:大規模開発が前提のカンファレンスでは、翻訳チームやバックエンド開発、開発環境整備を行う部門が専用にいるような環境での話題になるので、小規模ゲーム特有のノウハウが共有されないんですよね。職種も専門分野ごとに複数いる前提ですが、インディーはすべて個人ないしは数人で補うしかない。

しかもマルチプラットフォーム対応についてはプラットフォーマー側も他機種との並行開発について言及しにくいですし、家庭用ゲーム機に関する情報はNDA(秘密保持契約)があるので勝手に書けません。

もちろんIDCでもNDAに抵触する内容は絶対話さないのですが、イベントのあとにインディーゲーム開発者同士のつながりができれば、お互いがNDAにサインしている安全な範囲で、そうした情報交換ができるのかなと思います。

——IDC創立の理由や理念が理解できました。IDCは2021年に初開催し、今回は2年ぶりの開催となりますが、2022年は開催を見送った理由はどのようなものだったのでしょうか。

今井:2022年は忙しすぎて、気が付いたら終わっていましたね(笑)。

一條:同じく忙しすぎて……。今後は年に1回ペースで12月に開催します。前回がコロナ禍でオンラインだったところから、今年はオフラインでやりたいと思って準備に時間をかけたので、結局年末になってしまいました……。

(2021年開催時のIDCの画像)

“日本代表”クラスの講演と交流を制作の糧に

——今回は10を超える講演とパネルディスカッションが行われます。皆さんが注目しているセッションとポイントを教えていただきたいです。

水谷:僕のおすすめは、プロデューサーを集めて「プロデュースとは何ぞや」について語るパネルディスカッション「絶対に勝つためのインディープロデューサーの必殺技」ですね。

「絶対に勝つためのインディープロデューサーの必殺技」の登壇者は、『グノーシア』を開発したプチデポットの一員でプロデューサーを担当する川勝 徹氏、『メグとばけもの』開発チームOdencatを率いるDaigo氏、にゃるら氏発案・Xemono開発の『NEEDY GIRL OVERDOSE』プロジェクトでプロデュースを担当したWhy so serious, Inc.のさいとーだいち氏

インディーゲームは一般的なゲーム開発会社と違って、プロデューサーが不在で開発者が「作りたいものを作る」ケースが多いですよね。そんな状況でプロデューサーとしてさまざまな作品に関わってきた彼らは、何を考えてどういう風にプロジェクトをサポートして売っていくのかに迫ります。

僕自身、彼らと話していて「すごく勉強になるな、面白いこと考えるな」と感じる部分があったので、その知見をインディーゲーム開発者に伝えることには大きな意義があると思っています。ぜひ「プロデューサーって肩書がなんか胡散臭いな〜」と思っている方に見ていただきたいですね(笑)。

一條:私は日本語で言うところの「プロデューサー」の言葉の印象が良くないと思っていて、彼らはさまざまな開発チームとの関わり方で制作を盛り上げてサポートしてきた面々です。

そして、インディーゲーム開発者の全員が彼らのような優秀なプロデューサーを起用できるわけではないので、自前で再現するためのエッセンスを本セッションから摂取してほしいなと思っています。

——今井さんはいかがですか?

今井:言おうと思っていたセッションが被っちゃったな(笑)。もうひとつ注目しているのは『NeverAwake』を作った佐渡 大志さんのセッション「1年半でNeverAwakeを完成させるための技術習得」ですね。

(画像はネオトロ公式サイトより引用)

自分はインディーゲーム開発者向けインキュベーションプログラムのiGi(indie Game incubator)で、メンターとしても活動しています。

佐渡さんはiGiの第一期生で、『NeverAwake』は今まで出会った国産インディーゲームの中でも突出してクオリティが高く、短期間で開発されたタイトルだと思います。技術的な部分で役に立つものが学べるのではないでしょうか。

一條:私もiGiの運営側としてお手伝いさせていただきましたが、同作はその後2022年のBitSummitで大賞を受賞したこともあり、活躍した作品からの知見を共有してもらえるのはとても嬉しいです。

今井:佐渡さんはこの作品の前にも『VRITRA HEXA』をリリースしてアーケードにも展開しています。インディーゲーム開発者の中でもベテランの部類に入る方ですし、多くの方の参考になるのではないかなと。

一條:ベテランという言葉が出ましたが、逆に自分が薦めるのは若手ゲーム開発者たちの対談「若手ゲーム開発者対談 学生開発者から独立開発者への道」ですね。

「若手ゲーム開発者対談 学生開発者から独立開発者への道」の登壇者は、『ElecHead』開発者の生高橋氏、『シューフォーズ』開発チームのますだたろう氏、『ハグサバイバー』開発者のmumimumi氏

学生時代からインディーゲーム開発者として活躍し、卒業後にそのまま独立開発者として進む道を選んだ人たちを集めました。

IDC2023も学生さんを含む若い開発者さんがたくさん来るので、「茨の道を選んでどう大変だったのか?どういった経験を積んでいたらより良かったか?」ということを聞こうと思っています。

私は著書『インディーゲーム・サバイバルガイド』の中で「学生のうちにゲームをリリースして収入を得ていないなら、無計画に独立するな」と書いたんですが、彼らは学生時代に開発者として実際に実績を上げて独立を達成した人たちです。その大変さと“チャレンジする価値”を聞きたいなと。

技術評論社が2021年11月に発売した『インディーゲーム・サバイバルガイド』

——いずれも来場者にとって参考になる話をうかがえそうですね。

水谷:すでにゲームをリリースして成果を出している、登壇しても違和感がない方たち。ラフに言えばセッションで偉そうなことを言っても批判されない人たちを集めています。

一條:実績があり、いろいろな分野に特化した知見を持っている方ですね。

水谷:いわゆる天才型みたいなタイプはあまりいないですかね。PLAYISMのタイトルで例えると『カニノケンカ』は、「カニがケンカしたら面白いやろ」という発想から生まれたのかなと思いますが、これを言語化して伝えるのはきっと難しいですよね。

その人にしか思いつかない面白い発想ではなく、汎用化できる切り口があることが重要です。

『カニノケンカ』の開発者である、ぬっそ氏の新作『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』

——講演者の選定も大変だったと思いますが、そうそうたるメンバーが集まりました。

水谷:僕の理想としては「IDCに出ることがインディーゲーム開発者の名誉になる」イベントにしたいと思っていますし、今年もほぼベストメンバーでやっている感覚ではあります。もう日本代表といえるメンバーの講演が聞けますので。

一條:登壇にお声がけしましたが、今年は調整できなかった方もいます。「いま、次回作を頑張ってる最中なので!」って言われちゃうと無理にお願いはできません。そういった方々には、次回以降のIDCでお話いただけたらと思っています。

それぞれのセッションに注目しているポイント

——今回は、基本的にオフラインで開催されます(※)。会場での、講演以外の見どころも教えてください。

※ 一部のスポンサーシップセッションはYouTubeでライブ配信される予定

一條:IDC2023には複数のパブリッシャーがスポンサードしているうえ、一般来場されるパブリッシャーさんも多くいます。その方々に対し、開発者が開発中ゲームを持ち込んで紹介できる仕組みは特徴の一つです。

チケット購入時の同意事項にも「できるだけ、今開発しているゲームのプロトタイプを持ってきてください」と記載しました。持ち込む機材は、スマホでもノートPCでもSteam Deckでも構いません。それを持ってパブリッシャーさんにぜひアピールしてほしいですね。もちろん開発者さん同士での交流にも活用してほしいです。

会場内には、パブリッシャーさんや開発者さん同士でゲームを見せ合える交流用スペースを用意します。そして、一部のパブリッシャーさんにはスポンサープランとして予約制の会議室も提供しています。

パブリッシャーさんが気になる開発者さんのゲームを見つけたとしたら、そのゲームについてより詳しい話を静かな環境で聞けるようにもなっている仕掛けです。

IDC2023のチケット申し込みページを見ると、開発中ゲームの持ち込みが推奨されていることがわかる

——他のイベントと大きく異なるポイントですね。

一條:会場内ではCEDECなどと同じく、スポンサーによるブースも設けています。また、本イベントのスポンサーさんたちが、それぞれどんなサービスやツールを提供してインディーゲーム開発者を支えているかを紹介するパネルを設置予定です。

パネルには担当者さんの顔写真も載っているので、会場内でその人を見かけたら「今開発中のゲームでこういうことをやりたいんですが」と話しかけやすいですよね。

——なるほど。「会場でこの顔を見たら話しかけて」という仕組みですね。

一條:開発者の立場からみると、こういうイベントでは誰に話を聞いたらいいのか、どんなことを聞いていいのか戸惑う人も多いと考えています。パネルに貼り出している方には気兼ねなく話しかけてOKですよ、とオープンな雰囲気にすることで、少し話しかけやすさに貢献できるのではないかという思いです。

——交流用の時間があるわけではなく、随時という形になるのでしょうか。

一條:セッションの合間にコーヒーブレイクがありますので、そうした休憩時間を使ってもらう感じになるとは思います。

水谷:このアイデアを聞いた時は「なるほど、ここで直接パブリッシャーを捕まえることができるのか」と思いました。インディーゲーム開発者の一條さんならではの発想ですよね。

一條:そうですね。私がやりたくて実現してもらった仕組みです。IDCには、あえて「ゲーム出展」のためのブースを提供していません。これは今の日本には数多くの展示会があるのであえてやる必要がないということと、スポンサーさんにも「開発者が忙しくないタイミングで話せる」ことをメリットとして提示しているからです。

TGS(東京ゲームショウ)やBitSummitなどの展示イベントですと、出展している開発者は来場者対応などがあってまとまった時間が取りづらいので、IDCは貴重な機会になると思います。

「来場者の皆さんは、積極的にゲームを紹介したり交流したりしてほしい」と語る一條氏

——スポンサーといえば、今回のスポンサー一覧にはインディーゲーム開発者の名前も掲載されているのがユニークだと思いました。どういった経緯で実現したのでしょうか。

一條:私たちはこれを「ノブレス・オブリージュ」だと言ってるんですが、今期に活躍した日本のインディーゲーム開発者の方々には、可能な限り後進の育成に協力してほしいと思っているんです。

実際に、スウェーデンの「Coffee Stain Studios」も『Goat Simulator』が売れて、インキュベーションプログラム「Sweden Game Arena」の創設に関わり、後進を育てるようになりましたよね。

(画像は「Sweden Game Arena」公式サイトより引用)

水谷:「開発者さん自身が、(他の)開発者のために動く」体制を作らないと良くないなと思ったのもあります。

以前にもインディー関連のイベントなどでスポンサー集めもしましたが、プラットフォーマーとツールメーカーの情勢に流される面があって、そのあたりの事情でイベント自体が実施できる・できないまで左右されそうだったのがしんどかったんです。

今回は、えーでるわいすさんとTECOPARKさん、ポケットペアさんにご協力いただきました。IDCを実績例にしながら、開発者全体でサポートしあう流れができれば一番だと思います。

一條:もちろん、開発者のみならず「インディーゲーム開発者に対してこういう価値を提供したい」という前のめりの会社さんにスポンサーとして参加いただくのは不自然じゃないなと思いますし、良い構造を作っていきたいです。

——「IDCに賛同するので個人的にスポンサーになりたいです!」と言う開発者さんもいらっしゃるかもしれませんね。

一條:一口いくらから、というのもアリかもしれませんね。今年はすでにスポンサーの募集を締めきっているのですが、来年度からはそれも検討してみたいです。

IDCは各々の発案でゲームを作っている方に向けたイベントなので、「開発を委託したいです」とか「受託開発します」というスタンスの方はお断りしていますが、それを除けばスポンサードOKです。

今井:IDC2023のチケット購入時には、購入者が「インディーゲーム開発者」なのか、作曲やモデリングなどができる「ゲーム開発支援事業者」なのかなど、アンケートを取っています。その人が「どんな立場・属性なのか」を把握しておき、開催日には名札に属性などを記入できるようにする予定です。

それを見れば開発者同士だとすぐにわかって話しやすかったり、パブリッシャーが開発者を探しやすかったりすると思います。ちょっと合コンみたいですが(笑)。

一條:交流については、IDCとして公式の懇親会は実施しません。ただ、モデルケースとしたCEDECと同じように、野良で「アフター飲み会やります!」という流れはぜひにと思っています。

IDCの理念と合致する懇親会でしたら、事前にご相談いただければ、非公式懇親会としてアナウンスするといった応援ができると思います。

IDC2023のイベントスポンサーも載ったフライヤー

——オフラインだからこそ実現できたことはありますか?

今井:やっぱり(パブリッシャーと開発者の)マッチングじゃないですかね。オンライン開催だった前回ではマッチングしようがなかったので。

一條:スポンサードいただいた会社さんに提供できるものが、オンラインでは少ないと感じていました。今年はオフラインですから、パブリッシャーやミドルウェア、ゲームツールメーカーが開発者とつながりを作れるようになったのが私としては嬉しいですね。

水谷:今回もオンラインで良いんじゃないか?っていう考えもあったとは思います。オフラインだとわざわざ新橋に集まらないといけなくて、関東圏以外の人は行きづらいですよね。ただ、それでもオフラインでやりたいなと思ったのはマッチングの需要があると感じたからです。

いろいろなメーカーさんやパブリッシャーさんと話していると「インディーゲームを応援したい」と言ってくださる方は多いのですが、開発者さんがどこにいるのかは未だによくわかっていないんですよ。ゲームを作っている人は多いと聞くし実際にゲームもたくさん出てるのに、みんな地下に潜っていて出てこない(笑)。

——なんとなくそのイメージはありますね。

一條:最近はインディーをテーマにした勉強会やセミナーなどが各地でもどんどん生まれていて嬉しい限りなのですが、私たちはその規模を超えて、オフラインでの「カンファレンス」のかたちをコストを掛けてドカンとやる必要があるなと考えていました。

水谷:デジゲー博やTGSなどの展示イベントに行けば開発者さんに会えますけど、そこでしっかり時間を取って話をするのは難しいですよね。

今回は日本で初めてインディーゲーム開発者が1つの部屋に100人や200人集まるので「ここにいるのは全員インディーゲーム開発者なんだ。ここにいたのか!」という機会が実現できます。

それがどういう化学反応を生むのか楽しみで、次の作品につながるような出会いが生まれたらと思っています。

IDCにはそれぞれの立場から感じた小規模開発の課題を解決する機会として期待を寄せる

——IDC2023の開催が非常に楽しみになってきました。それでは最後に、IDC2023に参加される方、あるいは興味を持たれている方にメッセージをお願いします。

水谷:インディーゲームを作っている方には、ぜひ来てほしいです。「学生でも参加して良いんでしょうか?」と聞かれることもあるんですが、学生さんでも、まだインディーゲーム開発者ではない方も、会社でこっそり作っている方も歓迎です。

まだ「なんとなく作ってみようかな」段階だと参考になるかはわかりませんが、少しでも自分の作品を手がけ始めている人にとっては、価値があるイベントになると思っています。

今井:ゲームを作っている人はいっぱいいると思うんですけど、横のつながりがまだまだ不足してると感じていますので、今回のIDCがコミュニティに属するきっかけになったら良いと思っています。

そこでパブリッシャーやツールメーカーとか普段じっくり話す機会がない方と話したり、先輩たちの貴重なセッションを聞いたりして今後に生かしていただければと。なんとなく開発者の皆さんを観察していると、皆寂しそうというか……。

水谷:寂しい方も多いんじゃないでしょうか。やっぱりひとりなので。

今井:それを払拭するようなイベントになればいいかなと。

一條:寂しいというか、孤独は良くても知見にたどり着くのが難しいという考えです。個人や小規模チームは身の回りで同じことをしている人が少ないので、どうしても情報が偏ってしまう。IDCで「友達を作りましょう」と言っているわけではありません。

例えるなら同じ職場の別部署チームとか、同僚的な仲間が見つかると良いのかなと思っています。

セッションのラインナップは活躍した方々が登壇しますから、もしかすると「すごい人ばかり来て、まだ全然ゲームができていない自分は肩身が狭いのではないか」と萎縮されることもあるかもしれませんが、まったくそんなことはありません(笑)。

初めてゲームエンジンを起動してから10日目ですとか、まだ四角いオブジェクトが飛び跳ねるだけのゲームですとか、そんな状況でももちろんOKです。

この先ゲーム開発でなにをしたいかのビジョンがあれば、その助けになる情報がたくさんあるイベントなので、ゲームの制作段階は問わず興味があれば参加してください!

『Indie Developers Conference 2023』は12月17日(日)開催

すでに多数の参加者も登録されているインディーゲーム開発者向けカンファレンス『Indie Developers Conference 2023』は、2023年12月17日(日)、東京新橋の会議室AP新橋にて10時から開催されます。

受講パスは、12月16日(土)18時までPeatixにて2,000円(税込、以下同)で販売中。開催時刻直前からは、当日券も同じくPeatixで販売される予定ですが、価格は3,000円に上がります。

今まさにゲーム作りに悩みを抱えている方からパブリッシャーを探している方、そしてコミュニティに参加してみたい方やゲーム作りを始めたばかりの方まで、インディーゲーム開発者が一堂に会する機会をお見逃しなく。

『Indie Developers Conference 2023』チケット販売ページ『Indie Developers Conference』公式X
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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