2023年9月6日(水)に、Unreal Engine 5.3(以下、Unreal EngineはUEと表記)がリリースされました。本記事では、UE5.3に搭載されている実験機能・ベータ機能をピックアップして紹介します。
なお、実験機能・ベータ機能は制作中の段階であることを示しており、製品での使用は推奨されていません。
2023年9月6日(水)に、Unreal Engine 5.3(以下、Unreal EngineはUEと表記)がリリースされました。本記事では、UE5.3に搭載されている実験機能・ベータ機能をピックアップして紹介します。
なお、実験機能・ベータ機能は制作中の段階であることを示しており、製品での使用は推奨されていません。
強化学習と模倣学習を通じてAIをトレーニングする「Learning Agents」が搭載されました。最適なゲームプレイを模索するAIや物理ベースのアニメーション、自動でQAを行うAIなどをブループリントのみで作成することが可能です。
同機能は「Learning Agents」プラグインを有効化することで使用できます。詳細は、公式ラーニング ライブラリーをご覧ください。
画像内のすべての車はLearning Agentsによって学習した操作で運転されている(画像は公式ラーニング ライブラリーより引用)
「UMG Viewmodel」を導入することで、MVVMパターン(※)におけるViewModelをブループリントのみで作成できるようになります。
※ アプリケーションをModel・View・ViewModelに分離する設計思想。ViewModelはModelとViewの橋渡しを行う
同機能は、「UMG Viewmodel」プラグインを有効化することで使用できます。詳細は、公式ドキュメントをご覧ください。
UMG Viewmodelを使用したMVVMのイメージ(画像は公式ドキュメントより引用)
UE5.3では、新たな3Dテクスチャアセット「Sparse Volume Texture(SVT)」が導入されました。従来の3Dテクスチャ(ボリューム テクスチャ)よりも少ないメモリ消費を実現します。
また、流体シミュレーションを行うNiagara Fluidは、シミュレーション結果がSVTとして保存されるようになったことでパフォーマンスが改善しています。
(画像は公式ドキュメントより引用)
Lumen、Naniteやテンポラル スーパー解像度(TSR)など、UE5で導入された新しいレンダリング機能のほとんどがOrthographic Rendering(正投影レンダリング)をサポートするようになりました。
(画像はロードマップページより引用)
「Skeletal Editor」を使用することで、Skeletonおよびスケルタルメッシュを編集できます。これにより、以下の操作がDCCツールを介さずに行えるようになります。
(公式ドキュメントより引用)
同機能は「Skeletal Mesh Editing Tools」プラグインを有効化することで使用できます。
「Substrate」は、UE5.2から搭載されている、シェーディングモデルをレイヤー可能にするマテリアルの機能です。Default Litの上にClearcoatを重ねるなどの新たな表現が可能です。
(画像は公式ドキュメントより引用)
従来、ストリーミングされたレベルをアンロードした場合、レベルに含まれているアクターの変更されたプロパティは保存されず、再度ロードした際に変更が反映されませんでした。
「Level Streaming Persistence」機能を有効化することで、ストリーミングされるレベル内に含まれるアクターのプロパティを保存・復元できるようになります。
同機能は「LevelStreamingPersistence」プラグインを有効化することで使用できます。
新たにクロスシミュレーション専用のエディタ「Panel Cloth Editor」が利用できるようになりました。エディタには、以下の機能が搭載されています。
(画像は公式ドキュメントより引用)
従来、シングルプロセスだったクック処理がマルチプロセスで実行できるようになりました。これにより、今まで活用できなかったCPUコアやメモリを使えるようになり、クックにかかる時間を大きく短縮できます。
(画像は公式ブログより引用)
そのほかの機能については、実験的機能・ベータ機能それぞれの公式ドキュメントおよびリリースノートをご覧ください。
Unreal Engine 5.3 のドキュメント「実験的機能」Unreal Engine 5.3 のドキュメント「ベータ機能」Unreal Engine 5.3 リリースノート
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