国内最大級のゲームイベントである東京ゲームショウ2022が、2022年9月15日(木)から9月18日(日)の4日間で開催しました。本記事では編集部がピックアップした「バンタンゲームアカデミー」ブースを紹介します。
目次
ゲームセンターをコンセプトとした"リアル開催"ならではのブース
バンタンゲームアカデミー(以下、バンタン)は東京・大阪・名古屋にある実践型デザイン教育の専門スクールで、30年に及ぶ歴史と東京ゲームショウへの数多くの出展経験があります。
3年振りに幕張メッセでリアル開催となった東京ゲームショウ2022では、筐体や椅子などをゲームセンター風に仕立てたリアル感を演出したブースを出展。これは、コロナ禍で自宅やオンラインでゲームすることが主流となった今、リアルに集まってゲームを遊ぶ楽しさを体感してもらいたいという狙いがあるそうです。
乙女ゲームやVR、リズム3Dアクションゲームなど特徴際立つ全8作品
のり男子っ!!
『のり男子っ!!』は、女の子が「米」、男の子が「のり」、という設定の女性向け擬人化恋愛ゲーム。4人の「のり」の中から人生のパートナーを選びます。デザイナーが主体で開発が進められており、Steamでの公開も予定されています。
BEATtack
2021年に開校した名古屋校の生徒が作成した作品。「BEATtack」はリズムに合わせて敵と戦い、ハイスコアを目指す3Dアクションゲームです。画面下部のタイムラインを参考に曲に合わせてボタンを押すことで、攻撃やダッシュといった各アクションが発動できます。「リズムにノリながら敵と戦う」という体験が実現されていました。
開発した生徒によると、ゲームエンジンはUnreal Engine 5を使用したとのこと。「Unreal Engine 4からの移行時に、音同期のシステムが変わったことで苦労した」と語っていました。
バラエティ豊かな展示作品
ブースを彩る小物たち
出展作品やスクールの特徴を聞いてみました
会場を案内してくれたバンタンゲームアカデミーの関塚 健氏にTGS出展作品やスクールの特徴について話を伺いました。
――東京ゲームショウ2022の出展内容を教えてください。
今回は生徒が開発した8作品のゲームを展示しています。『Hiding Zombie』と『LAST RESORT』は、東京ゲームショウに出展するために作り始めた作品です。『Hiding Zombie』は「伊織もえさんとタッグを組んで作りましょう」と始まったプロジェクトで、伊織さんからヒアリングをしながら制作を進めました。また、『LAST RESORT』は産学連携プロジェクトとして歩行型VRデバイスであるKAT Walk mini Sを使ったゲームということで制作しました。
そのほか、バンタン主導ではなく生徒が自主的に制作したゲームとして『のり男子っ!!』、『チーズロール』、『Sugar Break』のような作品もあります。チーム制作授業で制作したものや修了展に向けて制作したものなど、自主的なものなど多様な作品が展示されています。
――作品の特色だけでなく展示までの経緯を含めて個性が感じられます。出展されてる作品はどのように選ばれているのでしょうか?
出展に際して、学内コンペを行っています。私たちが主導で行う授業の中では、技術がある人や出席率などを加味して講師やスタッフがチーム編成をしますが、自分たちでグループを組んだ一般応募枠もあります。応募に向けた作品は、月1回程度の頻度で教員が進捗やクオリティのチェックを行っています。
――学内コンペは何年生が応募するのでしょうか?
応募自体は何年生でも良く、入学してすぐに参加する方もいます。学内コンペに向けた制作がスタートするのは基本的に2年生からで、実際に学年コンペを通過して展示されるのは3年生作品が多い印象です。
バンタンゲームアカデミーの歴史とカリキュラムの特徴
――改めて「バンタン」という専門スクールについて教えてください。
バンタン自体は50年以上歴史がありますが、バンタンゲームアカデミーは1991年に開校し、今年で31周年になります。開校当時は「バンタン電脳情報学院」という名前でしたが、世界初のゲームクリエイターを育成する専門スクールとして誕生しました。企業法人という形式で、主にゲームやアニメ分野、esportsの専門スキルを現場で活躍するプロフェッショナルが教えています。
――「バンタン」独自の教育カリキュラムがあれば教えてください。
やはり、講師全員が現場のプロであることが特徴でしょうか。それ以外では、課題制作が多いのも特徴かと思います。座学も大切ですが、専門スキルという意味では実践的な制作のほうが力がつくスピード感が速いため、制作の機会は多く用意しています。
また、当校では同じ志の仲間同士が集まってゲームを作る環境や機会をどこよりも作ろうと努力しています。作品を発表する場も積極的に設けており、学内だけでなく実際にゲーム開発を行っているクリエイターの方が品評する機会も作っています。作品を作って人前で発表するという経験を積み、東京ゲームショウのような機会や作品発表の機会を経て成長するというかたちで教育を行っています。
「ゲームをともに作り、切磋琢磨する」という環境から生まれた8作品。どれも完成度が高く、作り手のこだわりや強いモチベーションを作品から感じることができました。
バンタンゲームアカデミー 東京ゲームショウ特設サイト東京ゲームショウ2022 公式サイト関連記事
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