この記事の3行まとめ
2022年5月28日、Unreal Engine公式は「Unreal Engine 5 の動的なグローバル イルミネーション Lumen が実現する機能を紹介します」と題した技術ブログを公開しました。
記事ではUnreal Engine 5の光の表現における新機能「Lumen」の概要を技術的な観点から以下の項目に分けて解説しています。
グローバルイルミネーション
以前はほとんどゲームでライトマップベイキングする必要があったグローバルイルミネーションを動的に実現したLumenのグローバルイルミネーションシステムについて解説。スカイシャドウイングやエミッシブマテリアル、透過処理、ボリュメトリックフォグへの対応などについても言及されています。
反射
以前の制約のある反射機能に代わり、表面反射を動的に実現するLumenの反射について解説。Lumenはさらにグローバルイルミネーションやシャドウ付きスカイライトも反射表現に反映し、コーティングマテリアルにも対応しています。
Lumenのレイトレーシング
デフォルトとしてLumenで使用されるソフトウェアレイトレーシングについて解説。メッシュ距離フィールドやグローバルディスタンスフィールドを使用し、レイトレーシングの高速化を行うと説明しています。
またプロジェクト設定によってハードウェアレイトレーシングを使用することもでき、高いパフォーマンスコストがかかるものの、より正確な反射や鏡面反射を表現できるとしました。
サーフェスキャッシュ
レイトレーシングを高速化する目的で常に近くのシーンのマテリアル属性を保存するサーフェスキャッシュについて解説。「サーフェスキャッシュによる高速化をうまく利用するためには、なるべくシンプルな形状のメッシュを作成する必要がある」としています。
ファイナルギャザーとノイズ除去
少数のレイから効率的にサンプリングする手法と、サンプリング結果からフル解像度のシェーディングを作成、ノイズを除去して最終結果を作り出すまでの技術が解説されています。
パフォーマンスと品質
パフォーマンスと品質のバランスを変更するための設定について解説されています。
Lumenの展望に関しては、次世代コンソールでのパフォーマンスと品質の向上、自動車業界、バーチャルプロダクション、映像レンダリングなどでのユースケースの拡大が予定されているとのこと。より詳しい概要については、公式ドキュメントもご参照ください。
「Unreal Engine 5 の動的なグローバル イルミネーション Lumen が実現する機能を紹介します」公式ページLumen概要についての公式ドキュメント