RE ENGINEを実際に触って『モンハン』のカットシーンや『バイオハザード』のレベルを制作。「CAPCOMオープンカンファレンス RE:2026」展示ブースフォトレポート

RE ENGINEを実際に触って『モンハン』のカットシーンや『バイオハザード』のレベルを制作。「CAPCOMオープンカンファレンス RE:2026」展示ブースフォトレポート

2026.11.02
取材レポート注目記事イベントレポートイベントレポートゲームエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

2026年10月2日(金)〜10月3日(土)の期間、「CAPCOM オープンカンファレンス RE:2026」が有明コンベンションホールにて開催されました。

展示ブースでは、同社のタイトルを題材にカプコンの内製ゲームエンジン「RE ENGINE」を実際に操作し、導入された新機能や最新技術に直接触れられました。本稿では、展示ブースの様子をフォトレポート形式でお届けします。

TEXT / 種村 朋洋

EDIT / 神谷 優斗

目次

展示ブースの様子

アセット配置で恐怖を演出。『バイオハザード レクイエム』のレベルデザイン

『バイオハザード レクイエム』を題材にしたハンズオンブースでは、RE ENGINEのエディタを使ったレベルデザインを体験できました。

体験では、「不安感や恐怖を演出するために、どこに何を置くか」を考えながら、作中に登場するキャビネットやカーテンなどのアセットを廊下のレベルへ配置。一連のプレイ体験を作り上げていきます。

レベルへドラッグアンドドロップすることで、アセットを配置できる

同作における空間演出の勘所を解説したパネル

今回は、血の付いた足跡や風で揺れるカーテンを使ってプレイヤーを曲がり角へ誘導し、曲がった直後に巨大ドールを出現させて驚かせるプレイに。アセットを配置していく中でさまざまなアイデアが沸き上がり、まったく別の体験に作り替えても面白そうだと感じました。

作成したマップを実際にテストプレイしている様子

エディタの操作感としては、実行中のゲーム画面上で直接オブジェクトを選択し、ギズモを使って位置やスケールをリアルタイムに微調整できる機能が印象的でした。

髪の毛1本1本をシミュレーション。『プラグマタ』のストランドヘア

『プラグマタ』や『バイオハザード RE:4』で採用された髪のリアルタイムレンダリング技術「ストランドヘア」について解説する映像展示。

ストランドヘアは、短冊状の板ポリゴンに髪のテクスチャを貼り付ける手法「ヘアカード」とは異なり、毛髪を1本単位でシミュレーション・描画することで高精細な髪を表現します。

関連記事
『プラグマタ』テンプレな可愛さから「生きた感情」へ。モーションキャプチャーを駆使したフェイシャル制作とストランドヘアの実装【CEDEC2026】
2026.09.30

映像では、『プラグマタ』に登場するキャラクター「ディアナ」の髪を例に、ストランドヘアとヘアカードを比較。1本単位でライティングが行われるため、毛先が光を透かすリムライトのような効果や、繊細なツヤ・束感において、より高いリアリティを感じられました。

物理演算も毛髪ごとに適用されるため、カットシーンの見栄えだけでなく、実際にキャラクターを操作する際の手触りの向上にも寄与しています。

なお、1本単位でシミュレーションを行う都合上、処理負荷はヘアカードと比較して高くなるとのことです。

『鬼武者 Way of the Sword』の自由切断とVFX

『鬼武者 Way of the Sword』の自由切断を題材にしたブースでは、オブジェクトや敵キャラクターを両断する際の切断表現を確認できました。

本作の剣戟アクションでは、竹や敵を刀で斬りつけると、刃の軌道や位置に応じてメッシュがランタイムで切断されます。切断面には専用のマテリアルが適用されるほか、断面からVFXを発生させることも可能です。

ブースのデモでは、敵の切断時に発生するVFXを、エディタ上で「水しぶき」や「音符」へリアルタイムに差し替えることができました。

切断時のエフェクトに「水しぶき」のVFXを設定した様子

RE ENGINEのエディタ上でVFXを「音符」に変更。実行中のゲームへ即座に反映された

RE ENGINEのシェーダー機能を確認

RE ENGINEにおけるシェーダー(マテリアル)の表現や構造を、実際のゲームアセットの変更を通して確認できるブースも設置されていました。

デモでは、一般的なPBRマテリアルのほか、疑似的な液体や光が透けて漏れる薄い膜など、特殊な質感を表現したシェーダーも用意されていました。各シェーダーで公開されている「色」「エフェクトの効果量」「光の強さ」といったパラメーターを調整し、リアルタイムに見え方が変化する様子を体験できました。

パラメーターを調整して見え方を変化させた様子

また、シェーダーの処理を実装する「シェーダーグラフ」の内部構造もエディタ上で公開されていました。Blenderや一般的なゲームエンジンと同様に、ノードベースでシェーダーを構築する仕組みになっています。

『モンハンストーリーズ3』の専用ツールでカットシーンを制作

『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』専用のカットシーン制作ツールを用いて、スキル発動時のカットシーン作成を体験できるブースです。

ビューポート上でカメラを動かして始点と終点を決め、作成ボタンをクリックするだけで、イーズイン・イーズアウトが自動設定された滑らかなカメラワークが作られます。

作成時には、実際のバトルシーンと同じ背景やモンスターの配置がレベル上に自動構築されるため、実機プレイ中の見え方そのままに編集作業を進められました。さらに、作成後は即座にゲーム上で戦闘を開始してカットシーンを確認でき、イテレーションの早さを実感しました。

作成したカットシーンを実機プレイでテストする様子

パフォーマンス解析ツール「REProfiler」で最適化を体験

カプコン独自開発のパフォーマンス解析プロファイラ「REProfiler」を紹介するブースでは、同ツールを活用したボトルネック特定と最適化の手法を解説。

REProfilerは、時間を要している高負荷な処理をハイライト表示するほか、プロファイラ上で関数をクリックするだけで対応するソースコードへ即座にジャンプできる機能を備えています。

ブースでは、REProfilerで処理負荷の高い関数を特定したうえで、その原因を推測するクイズ形式のデモが用意されており、開発現場で行われているプロファイリングや最適化の思考プロセスをゲーム感覚で学べました。

膨大なチェックを自動化する取り組み

ゲームを自動プレイして情報の収集・可視化・分析する取り組みの実演では、『プラグマタ』などのタイトルを、あらかじめ設定されたルートに沿って繰り返しプレイする様子が紹介されていました。

ブースに訪れた時点で、4時間連続で自動プレイが稼働していた

自動プレイ中に収集したデータを確認するログツール上で任意のログを選択すると、その時点における処理負荷やエージェントの移動経路が可視化されます。

その他にもさまざまな体験ブースや映像展示が展開。展示ブースをダイジェストで紹介

ここまで紹介した展示のほかにも、各セクションの技術解説など、カプコンの開発力をさまざまな角度で体感できるブースが多数出展されていました。

『モンスターハンターワイルズ』で、どのアクションが通信量を増加させるかを実機でテスト。キャラクターの激しい移動以上に、ポーズの切り替えやスタンプ、テキストチャットの連投によって通信量が大きく跳ね上がる様子が確認できた

『バイオハザード レクイエム』に登場するキャラクターの目や肌、髪に対して「水濡れ」や「血まみれ」などの質感を切り替え、実際のカットシーン上で見え方を比較できた

また、学生がRE ENGINEを用いて制作したゲームの試遊や、大阪・関西万博に出展された映像作品など、作品そのものを楽しめる展示も用意されていました。

RE ENGINEを用いた学生向けコンテスト「CAPCOM GAMES COMPETITION」で優勝した3Dアクションゲーム『octΩpus』の試遊ブース。同コンテストは2027年の開催も決定している

大阪・関西万博に出展された映像作品『モンスターハンター ブリッジ』の一部が特別版映像として展示されていた

『プラグマタ』のハッキングアクションの試行錯誤を映像で解説。完成形は、体験版の試遊を通じて確かめられた

カプコン社内の新人研修カリキュラムを紹介するブース。プログラマーに求められるスキルや心構えが解説された

「CAPCOM オープンカンファレンス RE:2026」公式サイト
種村 朋洋

制作者の個性とこだわりが光るインディーゲームが大好きです。

ゲーム以外では謎解きイベントや漫画が好きです。

関連記事

ブラウザで動作する無料&オープンソースの3D編集ツール「SuperSplat」、アップデートでフォロー機能が追加。今週のゲーム開発関連ツールまとめ
2026.10.31
「ゲームマーケット2026秋」注目ゲーム紹介! イブインク氏の新作『イカサマカルタ』や、ドロマイ15周年記念作など30選
2026.10.30
「ゲームマーケット2026秋」ついにTCGがコーナー化!『マジカル・アスリート』先行発売も大盛況。会場の模様をフォトレポート
2026.10.30
2D向けゲームエンジン「GameMaker」の次世代ランタイム「GMRT」、2027年から商用利用が無料に
2026.10.26
3KB以下のゲームを制作・公開。「Pyxel」開発者が新たなオープンソースエンジン「Playload」をリリース。今週のゲーム開発関連ツールまとめ
2026.10.24
オープンソース&無料のゲームエンジン「Defold 1.14.0」リリース。Xbox向けビルドをサポート、キューブマップへの描画も可能に
2026.10.22

注目記事ランキング

2026.10.27 - 2026.11.03
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

リグ(Rig)
リグ 3Dモデルを動かす場合に、すべてのボーンを編集するのではなく、少ない編集箇所で直感的に動作などを付けるために作られたコントローラーやコントロールする仕組み。 またスケルトン自身をリグと呼ぶ場合もある。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!