この記事の3行まとめ
- 「Unity 6.3(6000.3.0f1)」、2025年12月3日(現地時間)に正式リリース
- 複数のプラットフォームを1つのコードベースで統合・管理できる「Platform Toolkit」が登場。Nintendo Switch 2にも対応
- 実績機能やマルチプレイといった機能を実装できるアセットコレクション「Unity Building Blocks」の導入や、UI Toolkitのアップデートなども行われた
Unity Technologiesは2025年12月3日(現地時間)、Unity 6.3の正式バージョン(6000.3.0f1)をリリースしました。
Unity 6.3は、Unity Hubより無料でインストールできます。
Unity 6.3 LTSが正式リリース!
🛠 クロスプラットフォーム開発の簡素化を実現する「Platform Toolkit」
🥽Android XR機能 更新
🎨2Dライティングと完全互換を維持して3Dレンダリングを実現
✅スクリーンリーダーサポートをWindowsとmacOSに拡張詳細アップデート情報は ▶ https://t.co/L32BPdf7DE pic.twitter.com/WBHUNAZhUu
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan) December 5, 2025
(画像はUnity Discussionsより引用)
Unity 6.3はLTS(長期サポート版)として開発されており、2027年12月までの2年間のサポートが提供されます。
なお、Unity Enterprise / Unity Industryプラン加入者には2028年12月までの3年間のサポートが提供されるとのこと。
また、同じくLTSとして開発されたUnity 6.0では、Nintendo Switch 2への対応が発表されていました。同社公式ブログでは、Unity 6.3においてもサポートは継続されることが語られています。
「Unity 6.3」の新機能を紹介したYouTube Liveアーカイブ
複数のプラットフォームを1つのコードベースで統合・管理できる「Platform Toolkit」が登場
Unity 6.3では新たに、マルチプラットフォームのゲーム制作に役立つ「Platform Toolkit」が利用可能になりました。
「Platform Toolkit」は、アカウント管理やセーブデータ、アチーブメント(実績)などを各プラットフォームごとに1つのコードベースで統合・管理できるAPIを提供。
Nintendo SwitchやPlayStation 5などのコンソール機をはじめ、Windows(Steam / Microsoft GDK)、Android / iOSといったスマートフォン向けOSと、幅広いプラットフォームに対応しています。
(画像はUnity公式ブログより引用)
ライティングモデルやTerrainマテリアルがシェーダーグラフ上で作成可能に
シェーダーグラフが大幅に改善され、ライティングモデルのパフォーマンス設定、ライティングのスタイルなどをシェーダーグラフ上でカスタマイズできるようになりました。
このアップデートでは、カスタムライティングのサンプルセットを用いたUnity Discussionsでの解説や、YouTubeでのチュートリアルが公開されています。
『Customize the Lighting Model With Shader Graph’s New Sample Content』
また、ライティングコンテンツと同様にTerrainシェーダーもシェーダーグラフ上のカスタマイズに対応。
コーディング経験のないアーティストやデザイナーでもTerrainマテリアルの外観や動作を定義できるようになるとし、こちらもUnity Discussions上の解説やYouTubeでのチュートリアルが公開されています。
『Terrain Shaders in Shader Graph』
UI Toolkitがアップデート。ポストプロセッシングフィルターやSVGをサポート
UIに透明度やグレースケール、ぼかしなどのポストエフェクトをかけられる「USS filter」が、UI Toolkitに追加されました。
エレメントのサブツリーにCSSスタイルのフィルターを適用し、UIの任意の部分にエフェクトをかけることが可能です。
(画像は「USSフィルター」公式ドキュメントより引用)
また、Vector Graphics PackageがUI Toolkitに完全に統合されたコアモジュールとなり、SVG(Scalable Vector Graphics)の直接インポートに対応しました。
ただし、スプライトの作成などの際には、従来と同様に専用のパッケージを別途インストールする必要があると述べられています。
実際の製品にも利用可能。実績機能やマルチプレイヤーを実装できるサンプルアセットコレクション「Unity Building Blocks」
本番環境でもすぐに利用できるコンポーネントを含んだ、カスタム可能なサンプルアセットのコレクション「Unity Building Blocks」が公開されました。
実績機能や、多人数のマルチプレイ機能を実装する「Multiplayer Sessions」など、機能ごとにアセットストアにて配布。各アセットはUnity Discussionsにてまとめられており、詳細なドキュメントも用意されています。
また、マルチプレイヤーでの三人称視点のゲームテンプレートおよびFPSテンプレートが、近日中に公開されるとのこと。
三人称視点のマルチプレイヤーアクションゲームの例(動画はUnity公式ブログより引用)
そのほか、UnityWebRequestがデフォルトでHTTP/2を使用するようになったことや、アクセシビリティAPIの改善などが施されています。
アップデート内容の詳細は、公式ドキュメントやリリースノートより確認可能。
また、同社公式ブログではUnity 6.3の新機能やアップデート内容をピックアップして紹介しています。併せてご確認ください。
New in Unity 6.3 | Unity公式ドキュメント「Unity 6.3」リリースノートUnity 6.3 LTS が公開されました | Unity公式ブログ