この記事の3行まとめ
- GPUレンダラー「OctaneRender」における次期バージョン「OctaneRender 2027」の新機能が一挙紹介
- NVIDIA製のパストレーシング技術をベースにした、新たなリアルタイムレンダリングモードが搭載される
- 3D Gaussian Splattingによるレンダリングや、Python API、USD出力などのサポートも
OTOYは2025年11月28日(現地時間)、同社が提供するGPUレンダラー「OctaneRender」の次期バージョン「OctaneRender 2027」で登場する新機能などに関する情報を、公式フォーラムで発表しました。
(画像は公式フォーラムより引用)
「OctaneRender」は、高速なGPUレンダリングなどを特徴としている物理ベースのレンダラー。Blender・Houdini・Mayaといった数多くのDCCツールや、アンリアルエンジン・Unityなどに対応しています。
次期バージョンである「OctaneRender 2027」は、記事執筆時点においてクローズドベータとして提供されています。
このたび同社の公式フォーラムで、「OctaneRender 2027」で新規搭載される開発中の機能などをまとめた投稿が公開されました。その一部をピックアップして紹介します。
NVIDIA製パストレーシング技術をベースにしたレンダリングモードが搭載
「NRC(Neural Radiance Cache)」(※)をベースに構築された、新たなリアルタイムレンダリングモードが搭載されます。
※ NVIDIAによって開発された、ニューラルネットワークを用いたパストレーシング技術。「OctaneRender 2026.1 Alpha 1」より導入されている
複雑な条件下においてもノイズのない高品質なライティングを実現できるとしています。
新搭載されるリアルタイムレンダリングモードの効果を紹介した動画が、公式フォーラムに掲載されている。動画では、ビューポート上でカメラ操作やオブジェクトの移動などを行いながらリアルタイムでライトを調整する様子を確認できる(画像は公式フォーラムの動画より切り出して引用)
3D Gaussian Splattingによるレンダリング・出力が可能
OctaneRender上で3D Gaussian Splattingによるレンダリングや、PLY形式などによる3Dシーンのエクスポートをサポート。公式フォーラムの記載によると、こうした対応は業界初の試みだと語られています。
(画像は公式フォーラムより引用)
レンダリングのリアルさがブラッシュアップ
複屈折や回折格子といった光学的概念の採用により、レンダリングの品質が向上。透明なガラスやプラスチック、構造色を持つ物体などにおいて、さらにリアルなレンダリングが可能となります。
(画像は公式フォーラムより引用)
そのほか、Python APIやUSD出力のサポートや、テキストプロンプトによるPBRマテリアル生成機能が追加されるなど、多岐にわたる新機能が紹介されています。
テキストプロンプトによりPBRマテリアルを自動生成するイメージ画像(画像は公式フォーラムより引用)
本レンダラーはサブスクリプション形式で有償提供されているほか、一部機能を制限した無償のトライアル版も用意されています。
今回の発表に関する詳細は、OTOY公式フォーラムをご確認ください。
「Octane 2027 Roadmap and Beyond」OTOY公式フォーラム「OctaneRender」製品ページ|OTOY公式サイト