この記事の3行まとめ
- KLab、ゲーム開発における見積りの立て方について語った記事を公開
- 記事は前後編で構成。前編では、見積もり不足がプロジェクトの失敗を招くといった見解などを述べている
- 後編では、過去事例を分析して科学的に見積もりを立てる手法などについて語っている
KLab公式サイトのブログ「KLablog」にて、ゲーム業界におけるプロジェクトの見積もりについて論じた記事シリーズ「見積もりを科学する」が公開されています。
記事は前編/後編で構成。前編ではプロジェクト失敗の主要因が見積り不足にあることなどを語り、後編にて効果的な見積もりの立て方などを紹介しています。
(画像はブログ記事(前編)より引用)
記事前編では、プロジェクトの失敗を招く要因として見積もり不足が大きな比率を占めることを指摘。
経験則やメンバーの能力に対する過信から楽観的思考に陥ることや、納期遅れ・予算オーバーといった不都合な結果から目を背け、上層部から高評価を得るべく事実を歪めて報告するなどの要因が重なることで、プロジェクトが崩壊すると述べています。
開発費用を予算以内に抑えられたプロジェクトは全体の47.9%、予定通りの工期で完了したプロジェクトは8.5%だという(画像はブログ記事(前編)より引用)
後編では、見通しの甘さや隠蔽的な組織体質に起因するプロジェクトの失敗を阻止するため、科学的視点から過去事例を分析し、正確な見積もりを立てるアプローチを提示。
過去データを統計的に集積・分析する手法や、イレギュラーな事態を想定して見積もりにバッファを持たせる考え方を紹介しているほか、個々のプロジェクトに最適な見積もり方法を選別したり、複数の方法を組み合わせたりすることも効果的だとしています。
具体的な見積もり方法としては、最も起こりやすいケースと楽観的/悲観的なパターンをそれぞれ考慮し、複合的に見積もりを立てる「3点見積もり」など、3種類の方法が例示されています。
「楽観」「悲観」「最頻」の3パターンで見積もりを行い、複合的に判断する「3点見積もり」などの方法が紹介されている(画像はブログ記事(後編)より引用)
そのほか、見積もりを高精度かつ効率的に立てる手段としてAI技術を活用できるといった見解なども語られています。
「見積もりを科学する 前編:見積りの常識を疑え! -ゲーム開発プロジェクト失敗の要因-」KLablog「見積もりを科学する 後編:科学とAIの力 -ゲーム開発プロジェクトの見積り精度を上げるアプローチ-」KLablog