この記事の3行まとめ
- DreamWorks Animationが開発したオープンソースのレンダラー「MoonRay」のバージョン2.15.0.1をリリース
- 「MoonRay」はモンテカルロ方式のレイトレーシングに対応したレンダラー
- アップデートではNUMAアーキテクチャマシンのサポートやBSDFローブごとのライトセットなどが行われた
DreamWorks Animationは2025年6月13日(金)、オープンソースのレンダラー「MoonRay」をバージョン2.15.0.1にアップデートしました。
(画像は公式サイトより引用)
「MoonRay」はDreamWorks Animationが開発したオープンソースのMCRT(※)レンダラーで、効率性とスケーラビリティを重視して設計されています。
※ Monte Carlo Ray Tracing。乱数を用いて無作為にレイを放射したステータスから統計的に反射や屈折を推定するレイトレーシング。レンダリング精度を上げるためには試行回数を増やし、何度もレンダリングする必要がある
同社が制作に関わっている『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』や『カンフー・パンダ 4 伝説のマスター降臨』などでも使用されています。
同社が開発したクラウドベースのフレームワーク「Arras」により、レンダリングタスクをクラスターやクラウドに分散させて処理することでレンダリングの時間短縮が可能なほか、さまざまなアプリケーションへの統合も容易であるとのこと。
「MoonRay」はApache License 2.0のもと、GitHubにてソースコードが公開されています。
(画像は公式サイトより引用)
このたびリリースされたバージョン2.15.0.1は、2024年12月20日(金)にリリースされたバージョン1.7.0.0よりメジャーバージョンアップしたものです。
複数のCPUで構成されるNUMAアーキテクチャマシンをサポートすることでレイトレーシング計算パフォーマンスの速度上昇や、BSDFローブごとの新たなライトセット提供によって特定の光源の影響を調整がしやすくなるなどのアップデートがされています。
「MoonRay」公式サイトdreamworksanimation / openmoonray | GitHubRelease v2.15.0.1 | GitHub