この記事の3行まとめ
- Epic Games、「The Great Hitch Hunt: Tracking Down Every Frame Drop」と題した記事をEpic Developer Communityにて公開
- 「Unreal Fest Orlando 2025」で実施された同名の講演をテキスト化したもの
- ゲームにおけるヒッチ(カクつき)の原因や修正の方法を、「レベルストリーミング」「物理演算」など7項目のパターンに分類して解説している
Epic Gamesは2025年6月5日(現地時間)、「The Great Hitch Hunt: Tracking Down Every Frame Drop」と題した記事をEpic Developer Communityにて公開しました。
(画像はEpic Developer Communityより引用)
本記事は、アンリアルエンジンの公式大型イベント「Unreal Fest Orlando 2025」で実施された同名の講演をテキスト化したもの。ゲーム制作におけるさまざまなヒッチ(カクつき)について、発生原因の特定や修正の方法をまとめています。
また、実際の講演の模様が、YouTube Liveのアーカイブより確認できます。同講演のみを切り抜いた動画も、後日公開されるとのこと。
「Unreal Fest Orlando 2025」Day 2のアーカイブ。該当の講演は6時間51分20秒時点から
記事では、アンリアルエンジン製ゲームでよく見られるヒッチについて、「レベルストリーミングにおいて発生するもの」や「物理演算の際に発生するもの」など大きく7項目に分類。
それらを「何が問題となるのか(What)」「なぜ問題となるのか(Why)」「どうしたら直せるのか(How)」といった観点から解説しています。加えて、項目によっては「解決に向けて同社が取り組んでいること」についても述べられています。
解説されている項目は、以下の通り。
- The Level Streaming Hitch(レベルストリーミングでのヒッチ)
- The Physics Hitch(物理演算でのヒッチ)
- The Actor Spawning Hitch(アクタースポーンでのヒッチ)
- The PSO Compilation Hitch(PSOコンパイルでのヒッチ)
- The Garbage Collection Hitch(ガベージコレクションでのヒッチ)
- The Synchronous Loading Hitch(同期ロードでのヒッチ)
- The Blueprint / Content Hitch(ブループリントやコンテンツでのヒッチ)
たとえば、レベルストリーミングにおけるヒッチは、複数の問題が絡まり合って起こります。
原因の一例として、「静的なジオメトリにStaticMeshActorsを多用している」といった事例を紹介。これにより、密度の高いシーンや大規模なワールドで多くのオーバーヘッドが発生してしまいます。
そこで、記事では、地形や環境などの「完全に静的なジオメトリ」ではアクタの使用を避けることを推奨しています。これには、StaticMeshActorsの配置後にそれらをPacked Level Actors(PLAs)に変換することや、PCG(プロシージャルコンテンツ生成)を利用してデータの効率化を図るといった手法があると述べられています。
StaticMeshActorsからPacked Level Actorを作成(画像はEpic Developer Communityより引用)
ほかにも、ゲームのプロファイリングにおいて、パフォーマンスに関するあらゆる問題に対応できるよう「何が」「なぜ」「どのように」を重視した基本ワークフローとして2022年の「Unreal Fest 2022」の講演から「Maximizing Your Game’s Performance in Unreal Engine」も紹介。
何がパフォーマンス低下を引き起こしているのかを特定し、ソースコードや関数の呼び出し周りなど「なぜパフォーマンスが落ちているのか」のポイントを調査して初めて、どのように修正したらよいのかがわかるとのこと。
「Unreal Fest 2022」の講演「Maximizing Your Game’s Performance in Unreal Engine」
詳細は、Epic Developer Communityをご確認ください。
The Great Hitch Hunt: Tracking Down Every Frame Drop