自己紹介とGDC概要
私たちatKombiは、東京を拠点に活動するクリエイティブスタジオで、アルゼンチン出身で日本在住11年目のブルーノ レニが中心となって活動しています。
本記事を執筆している時点では対戦ゲーム『Monstabox(モンスタボックス)』を開発中で、これまでにBitSummitや台北ゲームショウなど、国内外のゲームイベントに出展してきました。
今回は、JETROの海外事業支援を受けて、GDCのジャパンパビリオンの一員として出展する機会をいただきました。
atKombiの開発メンバー。ジャパンパビリオン内のatKombiブースにて
開発中のゲーム『Monstabox(モンスタボックス)』
『Monstabox』は、サイコロのような六面体「モンスタボックス」に変身したモンスターを転がして1vs1で戦う、ターン制のゲームです。
『Monstabox – Trailer reveal』
モンスタボックスの各面には攻撃・防御・魔法・固有技などを割り振ってカスタム可能で、選ぶモンスターによって固有技は異なります。勝敗のカギは、相手をKOした後に現れる「スター」をゲット・発動すること!
1回3分ほどで終わるテンポの良いバトル、逆転劇、カジュアルに始められるのに奥深い戦略性が魅力で、PC・スマホで世界中のプレイヤーと対戦可能なゲームとして開発しています。
『Monstabox』Steamストアページ展示イベント「GDC Expo」も展開するGDC
GDCは毎年3月にサンフランシスコで開催される、世界最大級のゲーム開発者向けカンファレンスです。5日間にわたってゲーム開発の最新技術の講演や展示などが実施され、世界中のゲーム開発者が訪れます。
展示イベント「GDC Expo」は会期後半の3日間(2025年は3月19日〜21日)、モスコーニセンターの地下会場で開催されました。
展示会場の様子
展示会場は南北のホールに分かれ、南は企業ブースが集まるエリア、北はインディーゲームエリアとして「GDC Play」「IGF(Independent Games Festival)」の展示がされています。
各国のパビリオンエリアは北と南をつなぐ中央に位置しています。展示会場全体の規模感は、東京ゲームショウの半分ほどに思えました。
一般的なゲームイベントとは違い、企業ブースの内容はゲームのデモプレイや体験コーナーは最小限で、ブースのほとんどが商談スペースになっていました。また、さまざまなグッズやコーヒーなどを無料配布するなど、サービスを知ってもらうためのプロモーションに注力しているようでした。
展示のメインエリアには、MetaやTencentといった大手企業のブースが並びます
無料ゲームプラットフォーム「Poki」のブース。かわいい作りのブースで目立っていました
ある企業のブースではこんな本格的なカフェが設置され、無料でコーヒーを提供していました。サンフランシスコではコーヒー1杯が1,000円近くするのでありがたくいただきました(笑)
最新のモーションキャプチャーの展示も多くありました。これはセンサーの類を使わず、カメラだけのライブモーションキャプチャーで、動きに合わせて画面のHPゲージが減っていてびっくり
ジャパンパビリオンを現地出展した経緯や試遊の反応は?
今回のジャパンパビリオンでの出展は、JETRO(日本貿易振興機構)による海外展開支援事業の一環として実現しました。
2023年に開催されたインディーゲーム展示イベント「BitSummit Let’s Go!!」に出展した際、JETROの担当者の方が私たちのブースに立ち寄ってくださったことをきっかけに、さまざまな支援事業やイベントの募集情報を定期的にご案内いただき、いくつかの事業にも参加してきました。
その中で、GDC 2025でのジャパンパビリオンの現地出展の募集があり、書類選考と面談を経て10社のうちの1社として選出され、現地展示の機会をいただきました。
ジャパンパビリオンの様子。手前に写っているのがatKombiのブースです
ジャパンパビリオン現地出展の応募条件
ジャパンパビリオンでブースを出展するための主な応募条件は以下の通り。
- 日本のゲームの海外販売権を保有していて、海外展開に対し意欲があること
- ビジネス英語での商談対応
- 英語のPR資料を用いた海外展開が可能であること
- 展示期間中の成果報告
- JETROのオンラインカタログ「Japan Street」への登録
- 展示期間中にサンフランシスコへの渡航が可能であること
など
渡航費や現地での滞在費は自己負担となりますが、1社ごとに企業・チームロゴ入りの出展ブースが提供され、PCや周辺機器なども現地で用意されるため、ゲームデータと配布物などを持参するだけで展示が可能でした。
海外イベントの出展は現地への渡航だけでも非常に大変ですが、必要な物はすべて現地で揃えていただけるので、準備への負担もかなり軽減され、とてもありがたかったです。
日本以外にも、インド、ブラジル、イタリアなど各国のパビリオンが並んでいます
現地に渡航しなくてもデモを展示できる
現地でブース出展するなら現地渡航が条件に含まれていましたが、ジャパンパビリオンの中央に設置されたデモプレイ用コーナーでの展示であれば、その限りではありません。現地の展示に参加しなくてもGDCで展示できるのは、海外渡航が難しい方にとってはうれしい支援です。
Steam上でも「GDC2025 – MADE IN JAPAN COLLECTION-」という特集ページが展開され、世界のゲームプレイヤーに向けたオンラインのプロモーションにも参加できました。
来場者はどんな人が多い?
GDCは、「Game Developers Conference」の名前の通り、ゲーム開発者・ゲーム業界関係者が来場するBtoBイベントです。
カンファレンス目的に訪れる人も多く、展示会場も商談やネットワーキングの場が主で、一般的なゲームイベントと比べ混雑もなく全体的に落ち着いた雰囲気でした。
GDCは「ゲームを見せる場」というよりも「ゲームを作る人・関わっている人が集まる場」の印象が強く、世界中のゲーム業界関係者とつながりたい、開発者と出会いたい場合には最適な場です。
一方で、来場者の多くはビジネスネットワーキングが中心のため、一般ユーザー向けのプロモーションやSteamのウィッシュリスト獲得を目的とする場合は、思ったような成果が得られない可能性もあるかもしれないと感じました。
とはいえ、私たち自身もそうですが、「ゲーム開発者=ゲームファン」でもあります。みなさんやったことのないゲームには興味深々で、純粋に興味を持って「どんなゲームなの~?」とブースに立ち寄ってくれる方も多かったです。その場でウィッシュリストに登録してくださる方や、中には同僚の方にわざわざ紹介してくれたりする方もいて、励みになりました!
また、開発者視点ならではの具体的なフィードバックをいただけました。情報交換も活発で、名刺交換やLinkedInを通じて、自然なつながりが生まれたことも大きな収穫でした。
LinkedInはあまり馴染みがないかもしれませんが、海外ではビジネスのSNSとして活発に使用されていて、「LinkedInやってる?」と聞かれることが多かったです。海外出展を検討している場合などは、あらかじめ登録しておくことをオススメします!
試遊の反応と課題
『Monstabox』の試遊の反応は、「今までにやったことのないゲームプレイで面白かった」「完成度が高い」などのうれしい感想をいただき、あるパブリッシャーの方は「インディーゲームでオンライン対戦できるタイトルがあまりない」と、オンラインマルチプレイ対戦を実装している点を高く評価していただきました。
試遊を通じて強く感じた課題は、「待たせる時間」をとにかく減らすこと。「とにかく触ってみたい」「プレイしながら覚えたい」という方が多く、今後は口頭や文字での説明に頼らない、直感的なUI設計が必要だと痛感しました。
海外出展では言語の問題などもあるため、口頭での説明を最低限にし、とにかくプレイしてもらえるような導線を用意しておくことで、出展者の負担も減らせるのではと思いました。
ジャパンパビリオン担当者からのコメント
JETROのジャパンパビリオン担当者さんから、今回の出展についてコメントもいただきました。
JETROとしては昨年に続きGDCへ出展し、昨年度よりも規模を拡大しました。
今回のパビリオンの魅力は主に2点。
1点目は、現地渡航せずとも自作ゲームを来場者に試遊体験できる試遊台を5か所設け、約70作品を試遊展示したこと。
2点目は、試遊台を取り囲む形で個社ブースを10社分設け、日本企業自らが自社作品・自社の技術をPRできる機会を設けたことです。
「GDC Expo」の3日間は絶えず人が訪れ、商談や試遊が行われました。来訪者からは「このゲームはいつ発売されるのか」「開発者を知りたい」などといったコメントもあり、日本のゲームの魅力をPRすることができたと思います。
GDCはその名の通り世界中のゲーム開発者、関係者が集うイベントであり、ドイツ、イタリア、ブラジルなどの他国が国別パビリオンを毎年出展していますが、今回我々JETROがジャパンパビリオンとして出展したことを通じ、参加いただいた日本企業さまの海外展開に少しでも貢献できたのであれば幸いです。
GDC公式のピッチイベント「GDC Pitch」にも参加
私たちはジャパンパビリオン以外にも、GDC公式のピッチ(※)イベント「GDC Pitch」に登壇しました。
審査に通過しなければいけない企画ですが、ピッチ登壇者に選ばれると、同イベントのホストであるJason Della Roccaさんがピッチ作成の段階からコーチングしてくださり、パブリッシャーや投資家に向けたピッチ作りを学べます。
※ 投資・支援を受けるため、制作中のゲーム内容や開発計画などを短時間でプレゼンすること
ピッチ中のブルーノ。今回はピッチに登壇する10社のうちの1社として選ばれ、約200名のオーディエンスの前で登壇できました(写真提供:JETRO)
ピッチは「きっちり5分以内(それ以上は強制終了)」という制限時間があります。本番に向けて何度も何度も練習するように言われ、アメリカ渡航前は開発や準備もしつつ練習に追われる日々でした。
直前まで練習を繰り返し挑んだ本番では、練習通り・時間通りに無事にピッチを終えることができました(ピッチの様子はGDC Vault上で公開されているので、よかったらチェックしてみてください)。
GDC Pitchに参加した証として、ブースに貼れるバッジをもらいました
ピッチ後には、審査員を務める現役のパブリッシャーの方々から講評があり、パブリッシャーの視点から見た感想や、今後さらに磨くべきポイントについて具体的なアドバイスを受けられます。なかなか厳しいコメントも多くてドキドキしましたが、正直、個人や会社の好みによる部分もあると感じました。
ホストのJasonさんによると、「パブリッシャーとのミーティングは、たいてい30分から1時間ほど時間が取れるかもしれない。それでも、ピッチ自体は5分程度に簡潔にまとめて、残りの時間を質疑応答にあてることが大事。パブリッシャーはゲームについていろいろと質問したい。だらだらと話してしまうと、一番重要な質疑応答の時間がなくなってしまう」とのこと。
インディーゲーム開発者に向けてのこういった有益な話やアドバイスを聞けるのも、GDCならではだなと思いました。
GDCに出展した成果と課題
出展の主な成果は、GDCへ出展したことが一つのキャリアになったこと、海外のパブリッシャーや開発者とのつながりができたことです。
GDCはゲーム開発者向けのイベントとしては世界最大級の規模を誇り、そのような場に出展できたこと自体が一つのキャリアとなり、今後ゲームを紹介する際の一つのアピールポイントできると思っています。また、ビジネス面では具体的な商談につながる出会いから、開発者同士の友人作りまで、幅広いネットワークを持てたことが印象に残っています。
出展して感じた課題は、やはり日本からの渡航の負担が大きいことです。
スケジュールの確保や渡航準備に加え、費用面では現在の円安やアメリカのインフレの影響もあり、飛行機代・宿泊費・食費・現地での移動費などを含めると、1人あたり1週間で最低でも約40万円以上は必要になると思います。私たちは「ZIP AIR」というLCCを利用しましたが、それでも往復約15万円ほどかかりました。
また、ビジネスマッチングサービス「Meet To Match」を利用してパブリッシャーと直接アポを取ればよかったことも後悔した点の一つです。GDCの公式アプリ内にも事前にアポイントを取る機能があるのですが、ほとんど使われておらず、連絡を取ってみても返信はいただけませんでした。
積極的にパブリッシャーに売り込みたい、つながりたい場合は、「Meet To Match」などの外部サービスを利用するのが必須だと感じました。
日本のイベントとの違い
日本のイベントと比べると、GDCはとにかくコミュニケーションが活発な印象を受けました。
GDC自体が、ゲーム開発者や業界関係者のみのビジネスに特化しているイベントということもあり、展示ブースでもただゲームを試遊するだけでなく、「話を聞きたい」「つながりたい」という姿勢が強かったです。同業の友達づくりのカジュアルな出会いから、実際にビジネスとしてつながるような出会いまで、さまざまな交流ができました。
モスコーニセンターの上にあるイエルバブエナガーデンでも交流が盛んに行われていました(みなさんGDCの参加者!)
GDC期間中はインディーゲームイベントが盛りだくさん
GDC会期中に合わせ、会場の周りでインディーゲームに特化した多くのイベントが連日開催されていました。
私たちが参加した主なイベントは次の通りです。
- 「Day of the Devs」
- 「The MIX Spring Games Showcase」
- 「Unleash Japan’s Gaming Power」(JETROとDigital Garage USが主催)
- 「Gamera Games Indie Party」
など
どのイベントもネットで事前登録をすれば入場無料でした。Day of the Devs、The MIXはインディーゲームの展示もあり、規模が大きく、参加ゲームと来場者の数に驚きました!
Day of the Devsはクラブのような空間で、ステージ上ではバンド演奏も
The MIX Spring Games Showcaseはおしゃれな倉庫のような会場を貸し切り。2フロアを使ってゲームが展示されていました
サンフランシスコ滞在で気を付ける点
GDC出展するということは、サンフランシスコ近辺で滞在することを意味します。渡航時に大変だったことの一つが、治安の悪いエリアを調べることでした。
なぜかというと、治安の良いエリアと悪いエリアが隣り合わせだったり、危ないエリアが市内で混在しているのです。観光中に一本道を間違えただけで危ないエリアに入っていた!なんてことも聞くので、宿泊先や移動をどうするかなど、徹底的に調べました。
GDCの会場であるモスコーニセンターの最寄り駅「パウエルストリート」から西側は、「テンダーロイン」と呼ばれる地区で、サンフランシスコの中でも最も治安が悪く危険なエリアです。強盗や窃盗が多発し、薬物を使っている人たちが道に沢山いるため、絶対に近づかないようにしましょう!
配車サービス「Lyft」を利用したときにそのエリアを通ったのですが、あきらかに薬物をしている人たちがあちこちにいて、警察に取り押さえられている人も……。車中でも危険を感じるくらい怖かったです。
逆に、駅から東側のモスコーニセンターの周辺は、有名企業が集まるビジネス街で、ユニオンスクエアには高級ブティックなども並んでいたりと治安が良いです。ユニオンスクエアから海沿いまでぐるっと歩いて回りましたが、治安の悪さは感じませんでした。
ビジネス街を歩けば有名企業が立ち並ぶ一方、極端に治安が悪いエリアもあり、サンフランシスコの光と闇を目の当たりにしました。
サンフランシスコでの移動手段
電車の「BART」やバスの「MUNI」は運賃が高いこともあり、「治安は悪くはないけど、良いとも言い切れない」印象でした。
夜間や治安が気になるエリアを通りそうな場合や、早く移動したいときは配車サービスを利用したほうが安心です。私たちの移動手段もほとんどLyftでした。Lyftのほうが「Uber」よりも少し安く、現地ではよく使われているそうです。
ちなみに話題の自動運転タクシー「Waymo」も街中を普通に走っていて、未来を感じました!専用アプリを使えば、気軽に乗車できます。
Waymoは本当に無人で走っていました!すっかり街と共存していて驚きました!
インディーゲーム開発者がGDCに出展するには?
世界中のインディーゲーム開発者にとって、いつか出展してみたいイベントの一つであろうGDC。そんなGDCに自身のインディーゲームを出展するには、主に3つの方法があります。
JETROなどの支援を受けて出展する(審査や条件あり)
GDCには世界各国のパビリオンが設けられ、2025年はJETROがジャパンパビリオンを主催しました。今回、私たちもこの支援を通じて出展することができました。
個人での出展はハードルが高いですが、こうした支援を活用すれば、費用や準備の負担を抑えて海外イベントに挑戦できます。ビジネス英語ができるメンバーがいたり、通訳の人を付けられたりする場合は、ぜひこのような支援プログラムに応募してみてください。
「IGF」や「alt.ctrl.GDC」に応募する(審査制・展示無料)
「IGF(Independent Games Festival)」は、GDC公式のインディーゲームのコンテスト。応募から選ばれた作品は、会場での無料展示ブースの提供や、初日に開催されるセレモニーで受賞発表があります。受賞者には賞金も!
日本からも応募可能で、エントリー料が一般で75ドル(学生は25ドル)がかかるのと、非常に狭き門ではありますが、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
「alt.ctrl.GDC」は、独自に開発したコントローラーでプレイするインディーゲームを応募できます。応募は無料で、選ばれた作品は会場での無料展示ブースの提供や、基本的な機材なども揃えてくれるそうです。人気のエリアのため、独自のコントローラーを作っているという方はぜひ挑戦してほしいです!
「GDC Play」に出展する(審査あり・有料展示)
「GDC Play」は、小規模で未発表、もしくはリリース間近のインディーゲーム作品を出展できる有料の出展エリアです。
ゲーム内容の審査は発生し、出展費用については直接主催者に問い合わせる必要があります。費用も高そうなので、個人開発者にはハードルが高そうに思いました。
開発者が作ったオリジナルのコントローラーで遊べるゲームが集まるalt.ctrl.GDCエリア。まるでゲームセンターに来たような感覚でさまざまなゲームを楽しめる人気のエリアです
海外出展はハードルが高いと感じるなら
「英語(や現地の言語)ができないから」「行くのが大変」と、海外出展を諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にオススメなのが、JETROなどのゲーム支援事業です。JETROでは、国内外のさまざまなイベントにおいて、現地に渡航しなくとも、Steamで公開中のゲームのデモを海外イベントで展示する機会を提供しています。
「自分のゲームを海外にも広めたい」と考えている方にとってはとても良い機会ですし、海外展示への一歩にもなるのではないかなと思います。興味のある方は、ぜひいろいろな海外ゲーム支援事業を調べてみてください!
また、個人で海外出展にチャレンジしてみたい方は、まずは日本から近い韓国や台湾のゲームイベントに応募してみるのもオススメです。
韓国の「BIC Festival(Busan Indie Connect Festival)」は、韓国版のBitSummitといった印象で、インディーゲームを見せる場としてとても魅力的です。
台湾の「台北ゲームショウ(Taipei Game Show)」は、「Indie House」というインディーゲーム専用のエリアがあります。
私たちも今年出展しましたが、中国語は話せず、ローカライズも間に合わなかったものの、英語と翻訳アプリで十分に対応できました。台湾は日本人にとってすごく過ごしやすい国の一つなので、初めての海外出展先としてもオススメです。
海外出展に求められる英語力について
atKombiのチームのメンバーはグローバルですが、正直に言って、私自身はそこまで英語が得意なわけではありません。日常会話には困らないレベルですが、これまで台北ゲームショウやGDCといった海外のイベントに出展し、「完璧でなくても、英語を話すことに抵抗を持たなければ大丈夫」だと感じました。もちろん商談には高い英語力が求められますし、応募条件にビジネス英語レベルが求められる場合もあります。
選考に受かった場合は主催者とのやり取りは英語となるため、ある程度できる必要はありますが、個人で出展するのであれば、そこまで高い英語力はなくても大丈夫だと思います。
実際、簡単な会話でも十分にコミュニケーションは成立しますし、ゲームそのものが言語の壁を越えてくれることも多いです。海外出展すると、「ゲームは世界の共通言語」と実感します。
ぜひ、海外のイベントも視野に入れてみてください。
海外出展に必要な準備
海外イベントへの出展で必要な準備などをざっくりとまとめてみました。
渡航関連
- パスポート(持っていない場合は今からでも作っておくと〇)
- VISA取得(国によって):アメリカはイベント出展のみであればESTAで入国できました
- 航空券取得
- 宿泊先予約
- 海外旅行保険の加入
- 現地通貨(現金)の両替
- 現地の治安や移動手段などの調査
など
展示関連
- ブース装飾(ポスターなどを持参する必要がある場合もあります)
- 英語版のチラシなどの配布物、名刺の作成
- ローカライズ(英語は必須)
- 英語での説明と質疑応答で聞かれそうな答えを準備しておく
- 「Meet To Match」などを使っての企業とのアポ取り(パブリッシャーなどとつながりたい場合)
おわりに
今回のGDC出展を通じて、海外イベントがどんな雰囲気なのかを実際に体験できました。アメリカへの渡航や費用の負担など出展へのハードルは高めですが、JETROの支援のおかげで想像していたよりもずっと身軽に展示ができ、本当にありがたい機会だったと感じています。
また、GDCでの経験や出会いが、ゲームのリリースへ向けてのモチベーションにもなりました。今後も国内外のイベントに積極的に応募して、少しずつでもゲームの認知度を広めていきたいと思います。
『Monstabox』公式サイト「Game Developers Conference」公式サイト
東京を拠点に活動するクリエイティブスタジオatKombiのプロダクションアシスタントとして、さまざまなプロジェクトに関わりながら、開発中のインディーゲーム『Monstabox』の制作や国内外のゲームイベント出展、ローカライズ対応などをサポート。アルゼンチン出身の開発メンバーとともに、日本との文化の違いも楽しみながら、日々奔走中です!
「atKombi」Webサイト