ESA、メニューの読み上げ・入力の割り当て変更など、ゲームのアクセシビリティ情報をプレイヤーに提供する業界横断規格「Accessible Games Initiative」をGDC 2025にて発表

ESA、メニューの読み上げ・入力の割り当て変更など、ゲームのアクセシビリティ情報をプレイヤーに提供する業界横断規格「Accessible Games Initiative」をGDC 2025にて発表

2025.03.21
ニュース
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • ESAより、「Accessible Games Initiative」がGDC 2025にて発表
  • ゲーム内のアクセシビリティ機能に応じたタグを表示し、プレイヤーに情報を提供する
  • 基準を満たせばゲーム企業・開発者は誰でも利用可能

2025年3月20日(現地時間)、アメリカ合衆国におけるコンピューターゲームの業界団体であるEntertainment Software Association(以下、ESA)はアメリカ・サンフランシスコで開催されているGame Developers Conference(以下、GDC)にて、ゲームにおけるアクセシビリティ機能の情報を提供する取り組み「Accessible Games Initiative」を発表しました。

(画像は公式サイトより引用)

今回発表されたAccessible Games Initiativeは、コンピューターゲームのアクセシビリティ機能に関する情報を提供し、プレイヤーのゲームプレイ体験を向上させることを目的としたプロジェクトです。ESAが主導しており、Electronic ArtsGoogleMicrosoftNintendo of AmericaSony Interactive EntertainmentUbisoftによって提唱されました。

Accessible Games Initiativeに参加するゲームタイトルは、ゲーム内のアクセシビリティ機能に応じたタグが表示されます。タグは「Auditory Features(聴覚機能)」「Gameplay Features(ゲームプレイ機能)」「Input Features(入力機能)」「Visual Features(視覚機能)」の4種類に分けられた全24種が存在します。ゲームの販売者はゲーム販売サイトや配信ポータルにて、ゲーム内のアクセシビリティ機能に応じたタグを表示することで、対応するアクセシビリティ機能の内容を伝えることができます。

これらのタグにより、特に障害を持つプレイヤーがアクセシビリティのニーズを満たすゲームを探しやすくなり、多くのプレイヤーのゲームプレイ体験を向上させることができるといいます。

<タグの一例>

Auditory Features(聴覚機能)

  • Chat Speech-to-Text & Text-to-Speech(音声チャットのテキスト化、テキストチャットの読み上げ機能がある)
  • Narrated Menus(メニューの読み上げ機能がある)

Gameplay Features(ゲームプレイ機能)

  • Difficulty Levels(難易度を下げるオプションがある)
  • Save Anytime(いつでも進行状況を保存できる)

Input Features(入力機能)

  • Full Input Remapping(入力に使う機器を自由に変更できる)
  • Playable with Keyboard Only(キーボードだけで遊べる)

Visual Features(視覚機能)

  • Camera Comfort(揺れ・モーションブラーなどの不快感を与える恐れのあるカメラ効果を使っていない、または軽減できる)
  • Color Alternatives(色による情報伝達機能が排除されている、または切り替えられる)

ゲーム会社・開発者は誰でもタグを自主的に利用できますが、表示するタグについて定められたシステム基準を満たしている必要があります。この基準はAccessible Games Initiativeに掲載されています。

Accessible Games Initiativeによってアクセシビリティ機能における共通の基準が提供されることで、業界全体でアクセシビリティへの意識が高まると期待されています。

Accessible Games Initiativeに関する詳細は、Accessible Games Initiativeのニュースページおよび公式サイトを御覧ください。

「Entertainment Software Association Introduces the Accessible Games Initiative to Provide Players with Information About Accessibility Features in Video Games」Accessible Games Initiative ニュースページAccessible Games Initiative

関連記事

スタイライズな岩石の3DモデルをZbrush・Substance 3D Painterで作成。手描き風モデリングの技法を解説した資料、KLabが公開
2025.07.03
経産省のクリエイター支援プログラム「創風」、2025年度ゲーム部門の採択チーム・作品が発表。ホラーアクションADV『Beautiful Life Show』など20作品
2025.07.03
“見積もりの甘さ”がプロジェクトの破滅を招く。予算・納期通りに開発を成功させる見積もりの立て方、KLabがブログ記事で紹介
2025.07.03
海外の主要ゲームイベントと連携するSteam特設ページ「MADE IN JAPAN COLLECTION」、参加者を募集。参加費は無料
2025.07.02
Cygames、「CEDEC2024」講演動画を公開。『GRANBLUE FANTASY: Relink』開発事例、AI・フォトグラメトリ技術の解説など10講演
2025.07.02
Epic Gamesのマーケットプレイス「Fab」、7/15(火)までの期間限定で無料コンテンツを公開。浮島に町を作れる環境アセットなど3製品
2025.07.02

注目記事ランキング

2025.06.27 - 2025.07.04
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ローパスフィルター(Low-Pass Filter)
ローパスフィルター
  1. 電気信号のうち、指定した周波数(カットオフ周波数)以下の信号を通し、それより上を大きく低減させるフィルター。
  2. ゲーム開発において、基本的にはサウンド用語として用いられる。例として、特定のセリフをローパスフィルターによってくぐもった音に加工することで、隣の部屋や遮蔽物の後ろで話しているかのような表現を行うことができる。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!