チーム対戦TPS『マーベル・ライバルズ』リアルタイムに空間接続するドクター・ストレンジの瞬間移動の実装手法。Epic Games、開発者インタビューを公開

チーム対戦TPS『マーベル・ライバルズ』リアルタイムに空間接続するドクター・ストレンジの瞬間移動の実装手法。Epic Games、開発者インタビューを公開

2025.02.05
ニュースアンリアルエンジン技術ブログ
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この記事の3行まとめ

  • Epic Games、『マーベル・ライバルズ』の開発者インタビュー記事を公開
  • 『マーベル・ライバルズ』は、PvP形式・三人称視点のオンライン対戦シューティングゲーム
  • UE5を用いた処理軽減や、ドクター・ストレンジの魔術など原作再現における工夫を解説している

Epic Gamesは、『マーベル・ライバルズ』でテクニカルリードデザイナーを務めたRuan Weikang氏にインタビューした記事を、アンリアルエンジン公式ブログにて公開しました。

『マーベル・ライバルズ』は、2024年12月6日に正式リリースされた、対戦TPSです。Marvel Gamesの協力のもと開発されており、スパイダーマンやアイアンマンなど、マーベル作品のさまざまなヒーロー / ヴィランを選んでプレイできます。

インタビュー記事では、最適化やキャラクターモデリング、マルチプレイヤーバトルのバランス設計といった開発の舞台裏、開発プロセスで発生した課題などが語られています。

YouTube動画『Marvel Rivals | Rivals ‘Til the End | Official Launch Trailer』

NetEase Gamesチームは、開発プロセス全体を通じてEpic Gamesと幅広く協力しており、2019年にUE4を使用して開発が開始されたとのこと。

しかし、当時の破壊システムの効率や物理シミュレーションに不満があったことから、2023年にUE5での開発に移行しています。

また、マーベル作品のファンにとって印象的なシーンをプレイ体験に昇華させることにも重点を置いており、とくに「スパイダーマンのウェブ・スイング」「ドクター・ストレンジの魔術」といったメカニクスを好例として挙げています。

スパイダーマンは、クモの糸を使った移動や、敵を引き寄せるなどのアクションが実装されている(動画はアンリアルエンジン公式ブログより引用)

ドクター・ストレンジは、マップ上の異なる2点をポータルで結び、瞬間移動できるアビリティを持っています。

このポータル機能は、技術的な観点から見ても再現が特に困難だったとのこと。リアルタイムの空間接続・双方向の戦闘インタラクションを実装するにあたり、ゲームプレイの実装が複雑になっただけではなく、Lumenなどとの組み合わせによりパフォーマンス要求が非常に高くなってしまったと述べています。

作成したポータルは、味方ユニットも利用できる(動画はアンリアルエンジン公式ブログより引用)

当初は、UEのScene Captureを利用して実装したとのこと。しかし、この方法では、複数のポータルが同時にアクティブになった場合などにCPU処理時間が長くなってしまいました

さらに、アクティブなポータルごとにシーン全体を再レンダリングしなければならず、GPUのオーバーヘッドが増加したと述べています。

これらのパフォーマンス低下には、ビューポートの分割を実装し、ポータルのレンダリングをメインビューのパイプラインに統合するといった形で対処。各パスのレンダリングパイプラインを大きく変更する必要があったものの、CPUの並列処理が改善され、負荷を減らせたそうです。

Scene Captureとビューポート分割での挙動比較。ビューポート分割では、FPSの低下などが抑えられている(動画はアンリアルエンジン公式ブログより引用)

ほかにも、ライト数の管理によるライティングパフォーマンスの制御や、LumenのグローバルイルミネーションとChaos Destructionでのオブジェクト破壊の両立手法など、さまざまな工夫が語られています。

インタビュー記事の全文は、こちらをご確認ください。

『Unreal Engine が Marvel Rivals でマーベル ヒーローの新たなマルチバース創造を支援』アンリアルエンジン公式ブログ『マーベル・ライバルズ』公式サイト

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