この記事の3行まとめ
OBS Projectは、ライブ配信用ツール「OBS Studio」の最新バージョン「31.0.0」正式版を、公式サイトおよびGitHubにてリリースしました。
「OBS Studio」は、Windows / macOS / Linuxに対応した、オープンソースで開発されているライブ配信用ソフトウェアです。
バージョン31.0.0では、プレビューのズーム機能実装のほか、Windowsで新たなソース追加時に画面を自動表示しない機能追加や、NVIDIA製GPUユーザー向けの新たなぼかしフィルターの追加など、配信事故の抑制に役立つ機能が追加されています。
プレビューのズーム/スケール機能および、ズーム時のスクロールバーを実装
バージョン31.0.0では、プレビュー画面をズームできる機能が追加されました。ウィンドウのサイズに合わせてスケーリングされた全体表示とキャンバスサイズの実物大に合わせたズーム表示を組み合わせることで、配置するソースの位置が微調整しやすいなどのメリットがあります。
また、ズーム時にはスクロールバーが表示され、ズームで確認したい部分へと簡単に移動できます。
Windows版での「ウィンドウキャプチャ」「画面キャプチャ」におけるキャプチャ方法が変更
WindowsのOBS Studioにおいて、「ウィンドウキャプチャ」「画面キャプチャ」におけるキャプチャ方法が変更されました。
従来はこれらのソースを追加した時点で「最初に見つかったウィンドウ/画面が、自動でキャプチャ・表示されてしまう」という仕様だったものが、ソース追加時のプロパティで対象を手動で選択するまで表示されないようになりました。
これにより、意図せぬウィンドウ/画面を配信画面に映してしまうアクシデントを防ぎやすくなっています。
NVIDIA製GPUユーザー向けに、「ぼかし」などの新たなフィルタが追加
新たなフィルタとして、NVIDIA製GPUユーザー向けの「NVIDIA ぼかしフィルタ」「NVIDIA 背景ぼかしフィルタ」「NVIDIA 背景除去」の3種類が追加されました。
「NVIDIA ぼかし」は画面全体にブラーをかけることができるフィルタで、カメラ映像のほか、さまざまなアイテムに使用可能です。
「NVIDIA 背景ぼかし」「NVIDIA 背景除去」では人物を認識し、それ以外を「背景」として、ブラーをかけたり透過したりといった加工が可能です。「顔出し配信」など、主に人物が写ったカメラ映像に利用できます。
なお、これらのフィルターを使うためには、「NVIDIA Broadcast」のリソースページよりダウンロードできる「ビデオ エフェクト」のインストールが必要です。
「NVIDIA Broadcast」は、リアルタイムの映像加工ソフトウェアで、その機能は別ソフトウェアにも提供されています。
「ビデオ エフェクト」もこうした機能の1つで、使用しているGPUのシリーズに合わせてダウンロードが可能です。
「NVIDIA Broadcast」リソースページその他、「シーンに配置されたソースが相対座標を使用するように変更」「YouTubeチャットプラグインがサポートする全機能(アンケートの作成、絵文字の使用など)を有効化」などのアップデートが行われています。
なお、本バージョンから「OBS Studio」のコード署名証明書が更新されています。これにより、記事執筆時点で、一部ゲームにおいて「ゲームキャプチャ」が適切に行えないという不具合が発生しているとのこと(バージョン31.0.0以降使用時)。コード署名証明書の更新による影響が発生しているゲームは、こちらから確認可能です。
その他のアップデート内容などの詳細は、GitHubをご確認ください。
obsproject / obs-studio | GitHubOBS Project