伸縮自在な「長い首」で跳び回れ!こだわりのフィジックス調整と口琴サウンドが光る、ユニークな2Dアクション『Esophaguys』【TGS2024】

2024.09.28
注目記事イベントレポート東京ゲームショウ2024
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2024年9月26日(木)から29日(日)の4日間、幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2024」。展示されたゲームの中から、今回は個性的なビジュアルも目を惹くユニークなパーティーアクションゲーム『Esophaguys』を紹介します。

TEXT / ハル飯田

目次

ながーい首で飛んだり噛んだり助けたり

『Esophaguys』はコミカルな見た目のおじさんを操作して目的地を目指していく横スクロールアクション。最大の特徴はキャラクターの首が伸縮自在な点で、ゲームパッドのスティック操作に合わせて愉快な効果音でストレッチします。

この首の伸び縮みと「噛みつく」アクションがゲームのポイントで、オブジェクトに噛みついた頭を支点に、首を振り子のようにして大ジャンプも可能。

さらに本作はマルチプレイに対応しているので、仲間にかぶりついて連結すれば超長いおじさん状態になることもできてしまいます。

(画像はSteamより引用)

スティックでの首の伸縮は直感的で遊びやすく、今回プレイした範囲でのステージギミックは複雑さよりチュートリアル的な要素が強かったこともあり、深く悩まずにプレイ出来るカジュアルさも印象的です。

高角度の壁でも地続きなら歩いて登ることができます。首を「固くする」アクションを使えば、自らが足場となって他のプレイヤーを先へと進ませることも可能です。他にも、高いところから仲間を噛んで持ち上げたり、逆に仲間を自分に噛みつかせた状態でジャンプして一緒に移動したりと、初心者と熟練のプレイヤーが一緒に遊ぶ際に手助けしやすいシステムになっていると感じました。

もちろん振り子に失敗して逆方向に飛んでしまうことや、助けようとしたはずが共倒れで落下してしまうなどのミスも起こりますが、カジュアルな見た目もあってついつい笑ってしまう雰囲気の作品です。落下などによるゲームオーバーからもすぐ復帰できるようになっています。

開発中にクビを経験してフルタイムの開発チームに

本作を開発しているのはアメリカの「Esophaguys Team」の皆さん。4人チームで、以前はパートタイムでゲーム開発に取り組んでいましたが、それぞれレイオフ、つまりは“クビ”を経験して現在はフルタイムで開発しているとのこと。

開発期間は3年ほどで、ベースにはUnityを使用。印象的な効果音も含めた音楽面では「FMOD」を活用しているそうです。

非常にユニークなデザインとゲーム性ですが、アイデアが生まれた明確なきっかけはないそうです。ある日突然思いついてプロトタイプを作ってみたところ、なかなか面白いのではないかと感じて実行に至ったという、見た目通り少し不思議な経緯で生まれたタイトルなのだとか。

タイトルは英語で食道を意味する「esophagus」をもじった造語(画像はSteamより引用)

開発ではゲームの中心となる首の挙動にとにかくこだわっており、フィジックスの管理に最も時間をかけているとのこと。いろんな人に遊んでもらっては修正という地道な作業を繰り返し、現在は思い通りに操作できつつも難しさも残っている理想的な状態へと近づきつつあるそうです。

経験のあるプレイヤーが初心者を助ける役になれるデザインはあまり意図したものではなく、開発を続けていく中で生まれた発見だったそう

首を伸縮させる際の印象的な効果音には、民族楽器としても知られる「口琴」を使用しています。ここもこだわりのポイント。多数の素材を録音しているそうで、会場では実際の演奏も聞かせていただきました。

実際にゲーム中のサウンドに使用されている口琴

現在はSteamストアページでデモ版が配信中で、開発状況は「75%程度」とのこと。ベースは完成しているため今後は「ストーリー」「協力」「対戦」そして「高難易度」の4つのモードそれぞれにコンテンツを拡充していく予定になっています。

首を伸ばして助けあうだけでなく対戦要素もある『Esophaguys』。ソロだけでなく友達とのプレイも盛り上がれる作品に仕上がるのではないでしょうか。気になる方はリリース日を首を長くしてお待ちください。

開発チームの皆さん

公式X https://x.com/EsophaguysGame
販売サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/2070860/Esophaguys/
リリース時期 2025年予定
『Esophaguys』公式サイト東京ゲームショウ2024公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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