2024年5月4日(土)、東京都立産業貿易センター浜松町館 3・4階展示室にて同人・インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン5」が開催されました。本記事では会場の様子や出展していたインディーゲームをピックアップして紹介します。
TEXT / じく
EDIT / 酒井 理恵
GW開催で2フロアともに大盛況だった「東京ゲームダンジョン5」
今回の「東京ゲームダンジョン」はゴールデンウィーク中の開催、そして2フロアに前回を上回る260団体が出展したことで、多くのインディーゲームファンが来場しました。
今回は一部の出展に大行列ができたり、当日券を求める来場者が多数入場待ちとなったりと、過去最大とも言える盛り上がりを見せていました。
#東京ゲームダンジョン5 は
2,500人以上の方にご参加いただきました!
ご来場ありがとうございました〜🥰#ゲムダン5 pic.twitter.com/xDogEBAUPS
— 東京ゲームダンジョン | 2024年5月4日(土)、東京・浜松町で開催! (@TG_Dungeon) May 7, 2024
#東京ゲームダンジョン5 は
2,500人以上の方にご参加いただきました!
ご来場ありがとうございました〜🥰#ゲムダン5 pic.twitter.com/xDogEBAUPS
— 東京ゲームダンジョン | 2024年5月4日(土)、東京・浜松町で開催! (@TG_Dungeon) May 7, 2024
▼過去のイベントレポートはこちら
気になる作品たちをフォトレポート!
『MotionRec』 作者:HANDSUM
自分の動きの軌跡を記録・再生することでステージを進むアクションゲームです。軌跡の記録「モーションレック」を使って独自のモーションを記録・再生することで、ステージを速くクリアすることを目指します。
通常移動では進めない場所にも、「モーションレック」を再生することでたどり着くことができます。さらに「モーションレック」の再生にはリバース機能もあり、通常移動&「モーションレック」順送り&リバースの3種類の移動方法を駆使してステージを進みます。
開発者のshoma氏に本作品のアイデアをうかがったところ、「2Dアクションで自キャラの動きを保存できたら効率的にクリアできるのでは?」というRTA的な発想があったそうです。
また本作品の魅力が伝わりにくいのに悩んでいたところ、「カセット」というメタファーを取り入れることで多くの方が理解しやすくなったそうです。ゲーム内やブース展示でもカセットをふんだんに取り入れたデザインが見られました。
『MotionRec』はSteamとNintendo Switchで2024年中のリリースを目標に開発中です。
『MotionRec』 公式サイトshoma氏 Xアカウント『Last Standing』 作者:Nao Games
左右から出現する敵を倒し続ける、というシステムは単純なゲームです。本作品の最大の特徴は「キーボードをバンバン叩き、マウスを振り回す」といった斬新な操作方法で、体感ゲームのようなプレイ感があります。
キーボードのおよそ左半分を押すと左攻撃、右半分を押すと右攻撃が可能で、同時に押したキーの数が多いほど攻撃力が高くなります。つまり、手全体でキーボードを叩くようにまとめて押すのが合理的です。
本作品について開発者のNao氏は「左右の敵を倒すというアイデアは元からあり、それを体感的にしたかった。とにかくガンガンキーボードを押して敵を倒して欲しい」と語りました。
『Last Standing』 はSteamとNintendo Switchで2024年12月にリリース予定です。
「Nao Games」 公式サイトNao氏 Xアカウント『SAEKO: Giantess Dating Sim』 作者:SAFE HAVN STUDIO
人を小人にできる少女「冴子」と小人たちの生活を描くアドベンチャーゲームです。冴子によって小人にされてしまったプレイヤーは、昼は引き出しに監禁され、夜は冴子の話し相手になります。機嫌を損ねて冴子に握りつぶされないようにして、生き残らなければいけません。
本作品はシナリオ担当のkyp氏が感銘を受けた笛地静恵氏のGTS小説を原作としています。「GTS」とは本作品のサブタイトルにもある“Giantess”、「巨女」を意味しています。巨女と小人という独特な世界観、さらに昼と夜に分かれた個性的なグラフィックも相まって非常に魅力的な作品となっています。
またGTSという斬新なテーマによるインパクトだけでなく、深いテーマ性やマルチエンディングを楽しめるアドベンチャーシナリオになっています。
『SAEKO: Giantess Dating Sim』 は、Steamで2024年中のリリースを目標に開発中です。
『SAEKO: Giantess Dating Sim』 公式サイト『SAEKO: Giantess Dating Sim』 Xアカウント『DRIFTED』 作者:HU CHI(UrbanFox)
紙飛行機を操作して、暗くて荒廃した世界を冒険するゲームです。横スクロールを基調としており、途中の狭い通路や障害を紙飛行機でくぐり抜けて進んでいきます。
操作方法は上昇と下降の2種類のみで、移動には紙飛行機としての自然な慣性があります。移動速度も一律ではなく、上昇ではスピードが緩くなり下降すると加速します。
本作品の最大の魅力は、その世界観とストーリー性です。薄暗い闇の世界はプレイヤーに緊張と不安を感じさせ、ステージのオブジェクトやギミックは「紙飛行機」が象徴的な何かであることをうかがわせます。
開発者のHU CHI氏に話をうかがったところ、本作品はシンプルに遊べるからこそ難易度にこだわっており、慎重にレベルデザインを進めているとのことでした。
またゲーム内ではテキストを一切表示せず、グローバルに伝わりやすいゲーム性やストーリーを目指しているそうです。
『DRIFTED』 はSteamで2024年中のアーリーアクセスを目標に開発中です。
『DRIFTED』 SteamストアページHu Chi氏 Xアカウント『ネフィ~月灯りの迷宮~』 作者:株式会社トムクリエイト
VR専用のアクションパズルゲームです。封印された月の女神を救うために、見習い巫女・ネフィと一緒に不思議な迷宮の謎を解き明かしていきます。
本作品はVRシステムに「Meta Quest 3」を採用しており、ジョイスティックやボタンでキャラクターを操作しつつ、バーチャル表示の手でキャラクターを撫でたりオブジェクトにアクセスできたりします。
本作品の特徴としては、VRでよく見られる一人称視点のゲームではなく客観的な視点でプレイできることが挙げられます。実のところ筆者はVR酔いしやすい体質でVRゲームは苦手だったのですが、本作品では全くストレスを感じず快適にプレイできました。
開発の狙いについてうかがったところ、VRには没入型のゲームが多いのであえて日本的な客観視点によるゲームにしたとのことでした。それゆえにキャラクターを撫でたり、オブジェクトをステージの背後に隠してのぞき込む必要があったりするギミックを考えたそうです。
『ネフィ~月灯りの迷宮~』は「Meta Quest 3」「Meta Quest 2」対応で2024年中にリリース予定です。
『ネフィ~月灯りの迷宮~』 公式サイト「株式会社トムクリエイト」 Xアカウント『マイクカート(仮称)』 作者:六方
マイク入力とハンドル操作でカートを運転する配信映えを狙った「絶叫レーシングゲーム」です。
マイクに向かってしゃべるとそれを動力としてカートが前進し、左右操作はハンドルで行います。音量が大きいほどスピードが上がるので、会場内には真剣にプレイする試遊客の声が響き渡るという珍しい光景となっていました。
本作品の仕組みを開発者のBohfula氏にうかがったところ、UnityのMicrophoneといったオーディオ機能を使用しているそうです。また、「uLipSync」という音声から音色の特徴量の一つであるMFCC(メル周波数ケプストラム係数)を求め、それを元に口の形状を推定し、リップシンクの情報を生成・利用できるプラグインも利用しています。
では「uLipSync」をゲーム中でどのように利用しているかというと、マイクに対して特定の音声入力を行うことでバックやドリフトといったアクセル以外の操作も可能にしています。
今回の出展バージョンはわずか6~7時間で開発を行ったモックとのことで、今後は音声やゲームデザインの調整を進め、2024年中にSteamでアルファ版のリリースを目指しているとのことです。
「有限会社 六方」 公式サイト今回の「東京ゲームダンジョン5」は過去最大規模の出展団体数&来場者数となり、ピックアップした作品以外にも多くの魅力的なインディーゲームが発表されていました。
インディーゲーム開発者にとっての応援や刺激、新たなゲームや人との出会いを与えてくれる「東京ゲームダンジョン」の今後の発展にも期待したいと思います。
「東京ゲームダンジョン」公式サイト「東京ゲームダンジョン」Xアカウントゲーム会社で16年間、マニュアル・コピー・シナリオとライター職を続けて現在フリーライターとして活動中。 ゲーム以外ではパチスロ・アニメ・麻雀などが好きで、パチスロでは他媒体でも記事を執筆しています。 SEO検定1級(全日本SEO協会)、日本語検定 準1級&2級(日本語検定委員会)、DTPエキスパート・マイスター(JAGAT)など。
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