ゲームサウンドに適した音声コーデックはどれ?Audiokinetic、「コーデックの選択ガイド」記事を公開

2024.03.15
ニュースサウンド
この記事をシェア!
twitter facebook line B!
twitter facebook line B!

この記事の3行まとめ

  • Audiokinetic公式ブログ、「コーデックの選択ガイド」と題した記事を公開
  • 6種類の音声コーデックを比較しながら、採用するポイントが解説されている
  • 少なくともプロジェクト初期段階では「あまり気にしないこと」も重要

Audiokineticは、「コーデックの選択ガイド」と題した記事を同社ブログで公開しました。

同記事ではMP3やAACなどで知られる「音声コーデック」について、各コーデックの説明・比較をしながら、タスクに適したものを選ぶためのアドバイスがされています。

まず、音声コーデックごとに長所と短所があり、どんなプラットフォームやサウンドにも合うものはない、とブログ記事で明言されています。

そのうえで、音声コーデックを6種類取り上げ、それぞれの圧縮率やCPUパフォーマンスなどを比較し、特徴も説明しています。

記事内で説明されている音声コーデックの圧縮率と特徴は、以下の通りです。

コーデック 圧縮率
PCM 1:1
ADPCM 4:1
Vorbis 2:1 ~ 約40:1
Opus 2:1 ~ 約60:1
XMA 6:1 ~ 15:1
ATRAC9 8:1 ~ 13:1

なお、同社開発のサウンドミドルウェア「Wwise」では、PCM、ADPCM、Vorbis、Opusをサポートしています。

PCM

PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)は、アナログの音声信号を一定の間隔でサンプリングしてデジタル信号に変換する、非圧縮の方式です。そのため、ストレージやメモリを圧迫してしまうことが短所として紹介されています。

ADPCM

ADPCMAdaptive Differential PCM:適応的差分PCM)はPCMの一種で、直前のサンプルとの差分をエンコードしています。短所は品質が不安定になってしまうことで、例外的にアーティファクト(意図せず生じるノイズ)が発生します。

昔から手ごろなコーデック(CPU観点で)の1つとしてゲーム業界で知られ、記事執筆時点においてもよく使われているとのこと。

Vorbis

Vorbis品質と高いファイル圧縮率を兼ね備えていることから、ゲームで使われています。また、可変ビットレートコーデックでもあり、圧縮率は広くカバーされている点も特徴です。

Opus

OpusはVorbisの後継で、圧縮率が大幅に改善されています。また、リスナーテストのグラフによると、品質がVorbisよりもやや高いとしています。

ただし、CPUコストが大きく、特に短い音などの小さなファイルサイズには適さないとしています。

なお、Opusは2024年3月にアップデートが行われ、とくに低ビットレートでの音質が大幅に向上しています。

関連記事
音声圧縮コーデック「Opus」バージョン1.5がリリース。信号の処理・生成に機械学習が導入され、パケットロスが起こっても音声が途切れにくくなる
2024.03.08

XMA

XMAは、Xbox 360以降のXboxシリーズに向けて設計されたコーデックです。

ハードウェアでデコードすることを長所として挙げられる一方、最大チャンネル数は128であることや、一部オーディオコンテンツは圧縮されず、例外的にアーティファクトが発生してしまう点をデメリットとして紹介されています。

ATRAC9

ATRAC9はPlayStation限定の音声コーデックで、XMAと同じくハードウェアでデコードを行います。

エンコードの設定によってはサウンドにアーティファクトが発生するとのことですが、これは一般的ではなく、設定の変更により解決できると述べられています。

適切な音声コーデックを選ぶためには

(画像はブログ記事より引用)

音声コーデックは、何を重視するかによって選び取るものが変わるといいます。たとえばファイルサイズを重視するならOpus、デコードのスピードを重視するならPCMを除けばVorbis(ハードウェアデコードならOpus)とのこと。

そのほかにも、銃声のように頻繁かつ短時間再生されるサウンド、SFX、音楽など、シーンに適した音声コーデックについても言及されています。

ブログ記事の著者であるAudiokinetic デベロッパーのマチュー・ジャン氏は、デフォルトのコーデックではVorbis、ハードウェアで利用できる場合は中程度の品質のOpusを推奨しています。

また、少なくともプロジェクトの最初のうちは「あまり気にしないこと」も重要としています。

詳細は、こちらをご確認ください。

コーデックの選択ガイド

関連記事

中世の雰囲気を演出するSEを多数収録。GameMaker向けの無料アセットバンドル『MEDIEVAL SOUND EFFECTS』が公開
2024.04.01
振動で「ズシンと重い」や「左右に揺れる」感触を表現!「ハプティクス」の紹介記事がakBlogで公開
2024.03.30
Sonniss、計27.5GB超のサウンドデータパックを無料で配布。GDC 2024の開催を記念した『GDC 2024 – Game Audio Bundle』
2024.03.22
音声圧縮コーデック「Opus」バージョン1.5がリリース。信号の処理・生成に機械学習が導入され、パケットロスが起こっても音声が途切れにくくなる
2024.03.08
フリーBGMの利用者・作曲者の双方が安心できる環境を目指す「フリーBGM協会」が設立
2024.03.06
「Steam Audio」がオープンソース化。UnityやUEに統合できる、ゲームやVRアプリ用の空間オーディオツール
2024.02.22

注目記事ランキング

2024.04.09 - 2024.04.16
1
フォートナイトとUEFNがv29.20にアップデート。見下ろし視点でもプレイヤーキャラクターの向きを操作できるようになった
2
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧
3
『フォートナイト』で動く本格的なゲームが作れるツール「UEFN」とは?従来のクリエイティブモードから進化したポイントを一挙紹介!
4
【CHALLENGE1】「クリエイター ポータル」を使って、UEFNで作成した島を世界中に公開する
5
【2022年5月版】今から始めるフォートナイトの「クリエイティブ」モードープレイ開始から基本的な操作方法まで解説
6
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.1「アイテム系」
7
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.5「島の設定」
8
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part1
9
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.2「ユーティリティ系」
10
『フォートナイト』で建築ビジュアライゼーション!?UEFNでオリジナルの世界観をどう作り上げたか、その手法を解説【UNREAL FEST 2023 TOKYO】
11
【CHALLENGE3】UEFNの機能「ランドスケープ」を使ってオリジナルの地形を作る
12
【CHALLENGE2-1】フレンドと一緒にゲームを作ろう――UEFNプロジェクトをチームメンバーとリアルタイムで共同編集する
13
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part2
14
UEFNで使えるプログラミング言語「Verse」のノウハウが集結。『UEFN.Tokyo 勉強会 03 Verse Night』レポート
15
【STEP2】UEFNの基本的な使い方を覚えよう
16
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part1
17
まるで『マイクラ』?ボクセル地形を生み出す無料アセット「VoxelPlugin Free」で”地形を掘ったり積み重ねたり”して遊んでみよう
18
フルカラー書籍「UEFN(Unreal Editor For Fortnite)でゲームづくりを始めよう!」、ついに本日発売!全国書店で好評発売中!
19
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part1
20
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.4「ゲームシステム系」
21
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.3「プレイヤー系」
22
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.8「ゾーン系」
23
フォートナイトとUEFNがv29.10にアップデート。プレイヤーのジャンプや射撃などの入力を無効化するオプションが追加
24
【STEP1】「UEFN」を入手しよう
25
【STEP5-1】スタート時のカウントダウンを作る
26
「UEFN」って実際どうなの? 編集部が3時間で「みんなで遊べるアクションゲーム(?)」を作ってみた
27
【STEP3】オリジナルのアスレチックコースを作ろう
28
【STEP4-2】リスポーンとチェックポイントの仕組みを作る
29
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part2
30
GDC 2024で行われた「State of Unreal」UEFN関連の発表内容まとめ。UEFNがMetaHumanを正式サポート
VIEW MORE

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

マーケットプレイス(Market Place)
マーケットプレイス
  1. インターネット上で売買を行う仕組みやウェブサイト自体を示す。
  2. Epic Games LauncherやアンリアルエンジンのWebサイトからアクセスできる、アンリアルエンジン用のオンラインストア。アセットやプラグインなどの販売・購入が可能。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!