Epic Games、MayaとUE5向けツール「Pose Driver Connect」を公開。Mayaで作成したセカンダリアニメーションをUE5に簡単インポート

2023.12.21
ニュースお役立ち情報ツール紹介3DCGMayaアニメーションアンリアルエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • Epic Games、Maya/Unreal Engine 5向けの実験段階のツールセット「Pose Driver Connect」を公開
  • Mayaで作ったセカンダリアニメーションをUEにインポートする際のアニメーション再作成を効率化
  • 類似するキャラクターへのリターゲットもできる

Epic Gamesは、MayaUnreal Engine 5に向けた新たなアニメーションツールセット「Pose Driver Connect」を公開しました。「Pose Driver Connect」を使うことにより、 Autodesk Maya で作成したセカンダリアニメーションをアンリアルエンジンにインポートする際、アニメーションの再作成が容易になります。

セカンダリアニメーション」は、3Dアニメーションにおいて、特定のジョイントの動きに連動するよう設定した副次的なアニメーションなどを指します。例えば、人間は腕を上下や前後に振ったとき、腕だけでなく肩甲骨周辺も動きますが、こうした周辺の連動する身体の動きを腕の振りの操作だけで行えるよう設定するのがセカンダリアニメーションです。ここでは、セカンダリアニメーションとはいえ、揺れ物などのような時間的な遅れを持ったものはカバーしません。

Before
After

セカンダリアニメーションなし(左)と、セカンダリアニメーションあり(右)の比較画像。主に肩周りの不自然さが解消されている(画像は公式ブログより引用)

「Pose Driver Connect」がインストールされたアンリアルエンジン(以降、UEと表記)では、PoseWranglerがジョイントセットに対して作成したポーズとその補間方法を定義した計算式をインポートし、同じ演算を使ってAnimation ブループリントでセカンダリアニメーションを再作成できます。

ツールセット「Pose Driver Connect」には、Maya用のプラグイン「PoseWrangler」と、UE5用のプラグイン「Pose Driver Connect」が同梱されています。

各プラグインをそれぞれインストールすることで、Mayaで作成した補助骨の制御をブループリント化し、UEにインポートできます。

インストール方法は、Unreal Engineマーケットプレイスから「Pose Driver Connect」をインストールした後、「<UE5 のインストール場所>\Engine\Plugins\Marketplace\PoseDriverConnect\Content」にあるPoseDriverConnect.zip を「maya/modules」フォルダに解凍し、Mayaを再起動します。

Mayaから次のPython コードで、スクリプトエディタから PoseWranglerを実行できます。

from epic_pose_wrangler import main
pose_wrangler_instance = main.PoseWrangler()

PoseWrangler

PoseWrangler」はMayaUERBFPluginと連携するためのMaya Pythonツールです。

PoseWranglerを適用したMayaでは、ユーザーがセットしたジョイントそれぞれに、ポーズの補間方法を定義した計算式を作成できます。計算式はJSONファイルとして、ポーズはFBXクリップ形式としてエクスポートできます。

また、指定したポーズごとではなく、計算結果をデフォルトポーズからの差分としてエクスポートすることも可能です。これにより、類似するキャラクターへのリターゲットもできます。

画像は公式ブログより引用

Pose Driver Connect

UE向けのC++プラグイン「Pose Driver Connect」では、PoseWranglerでエクスポートしたJSONファイルやFBXファイルのデータをそのまま使用し、自動で既存のAnimation ブループリント内にPose Driverのネットワークをセットアップできます。

これにより、Mayaで作成したセカンダリアニメーションをUEで利用でき、UE上のアニメーション制作を効率化します。

画像は公式ブログより引用

詳しい情報は、公式ブログチュートリアルをご確認ください。

『Pose Driver Connect を使ってよりリアルなアニメーションを短時間で作成』公式ブログUnreal Engineマーケットプレイス『Pose Driver Connect』ストアページ

関連記事

UE5で揺れ物を「かわいく」揺らすプラグイン「Kawaii Physics」が更新。髪が風になびく複雑な動きもパラメータ設定で手軽に制御
2024.07.25
『GUILTY GEAR -STRIVE-』のアニメーション制作、Maya Pythonによる内製ツール情報など12講演が集う「DAIKIN×Autodesk CG Channel Week 2024」が9/2(月)~9/6(金)に開催
2024.07.23
Unreal Engine向けゲーム制作コンテスト「第22回UE5ぷちコン」開始!テーマは「ゆうえんち」。応募締切は9/8(日)
2024.07.22
「Blender 4.2 LTS」正式リリース。アドオンの導入方法が変更。標準搭載アドオンは公式のWebプラットフォーム上から導入する
2024.07.19
Unreal Engine 5.4.3がリリース。Mac向けにパッケージ化する際に起こるエラーの修正や、BaseDeviceProfiles.iniの2024年発売のiPadへの対応など
2024.07.17
50代からゲーム開発を始めた第21回UE5ぷちコン最優秀賞作『ヘコむス』開発者インタビュー。約40年前の「床をヘコませてボールを転がす」アイデアをUEで実現!
2024.07.16

注目記事ランキング

2024.07.20 - 2024.07.27
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

フォグ(Fog)
フォグ 「霧」を意味する英単語。3DCGにおいて、現実の霧による見た目をシミュレーションする画面効果やエフェクトを指す。代表的なものとして、カメラから遠くにあるオブジェクトの色調を変化させることで遠近感を出す手法がある。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!