ダンジョン攻略は自動化ゴーレムにお任せ!『Algolemeth』は戦闘ロジックの生成が楽しめる【BitSummit Let’s Go!!】

2023.07.15
注目記事イベントレポートBitSummit2023
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2023年7月14日(金)から16日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催された『BitSummit Let’s Go!!』。展示されたゲームの中から、今回は「Medium-Rare Games」が開発する全自動ダンジョンRPG『Algolemeth』を紹介するとともに、同作品の開発者ガンジーさんに。

TEXT / ハル飯田

目次

ゴーレムの行動を定義し、攻略を見守る自動化探索RPG

『Algolemeth』はパーティーでダンジョンを攻略していく探索RPGです。ただしダンジョンに挑むのは4体のゴーレムで、彼らは待ち受ける敵とのバトルで都度指示を求めるのではなく、事前にプレイヤーが組み上げた戦闘ロジックに従って行動を決定します。

モジュールのINとOUTを線で繋いでアルゴリズム化していく

最初は全て「ランダムな敵を攻撃する」ようになっており、序盤こそはなんとか進めるものの強敵相手にはあまりにも非効率的。そこで敵を倒すとランダムで入手できる「モジュール」を組み込み、より賢くて効率的なアルゴリズムを作っていく必要があります。

モジュールは大きく「IF」「ACTION」「TARGET」の3種類に分類され、適切な順番で繋げれば状況に応じた行動も指示可能。ゴーレムにもそれぞれ役職があるので「最もHPの低い敵を狙う」「偶数回目の行動ではガードする」「HPが50%以下の味方がいたら回復魔法を使う」など、パーティー全体で攻守にバランスの良いロジックが攻略のポイントに。

行動を定義するモジュールは「モジュールラック」にセットするだけで少しステータスを上昇させる効果もありますが、スペースには限界があるので何もかも組み込む訳にはいきません。既に効率的な行動が出来ている場合でも、より良いゴーレムを目指して最適なモジュールを収集していく楽しみも味わえます。

そしてアルゴリズムが完成すれば、あとはダンジョンに突入させて彼らの健闘を見守るだけ。自動戦闘は高速化機能もあって非常にサクサク進むので、腕組みして眺めながら「改善点はどこか?」と考えつつ、自軍と同様に独自のロジックで行動してくる敵ユニットへの対策を練るなど、自動化を利用したトライ&エラーが本作の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

複雑な敵キャラの行動ロジックが自軍への指示の参考になる面も

ロジックを破綻させないプログラミングと機能追加に注力

体験者と意見交換も活発に行っていた開発者のガンジーさん

本作を開発しているのは、個人開発サークル「Medium-Rare Games」のガンジーさん。「ダンジョンRPGでレアドロップを狙って周回プレイをするのが面倒で、ついマクロを組んで攻略したくなる」気持ちから、全自動ダンジョンRPGというアイデアに繋げたそうです。

使用ゲームエンジンはUnityで、制作過程ではゴーレムに指示を送るロジックが破綻してしまうこともあり、何かと「アルゴリズムが上手く機能するためのプログラミング」に気を遣っての作業になっているとのこと。現段階での開発状況は30%弱とのことですが、今後は追加したい機能やアイデアもまだまだあり、2024年のリリースを目指して開発を進めています。

(画像は公式サイトより引用)

「自動で収集行動をしてくれる探索AIも実装したいと考えていますし、より複雑なモジュールも登場する予定です。高速戦闘中ではロジックの過程や結果が確認しづらいので観やすくする設定があった方が良い点など、色々な改善案も見えてきました」(ガンジー氏)

「algorithm」+「golem」+「emeth(ヘブライ語で真理を意味する言葉で、ゴーレムを召喚する際に書き込む言葉とされている)」の3単語を組み合わせた『Algolemeth』。

TARGET「ランダムな敵」ばかりが手に入って持て余している様子

他にはないロジック生成の面白さに加えて、入手できるモジュールがランダムである故に「なかなか欲しいモジュールが手に入らないもどかしさ」が味わえるのも魅力のひとつ。モジュールというリソースを管理しながら現状の最適解を見つけていく、ロジカルなゲーム性に今後も注目の作品です。

公式サイト https://medium-rare.jpn.org/
販売サイト(ストアページ) https://twitter.com/Algolemeth
リリース時期 2024年予定
Medium-Rare Games公式サイト『BitSummit Let’s Go!!』公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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