Epic Games、「Habitat 67」を再現する建築プロジェクト『Hillside』の制作プロセスを解説した記事を公開

2023.06.02
ニュース3DCGアンリアルエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • Epic Gamesが、「Habitat 67」を再現する建築プロジェクト『Hillside』の制作プロセスを解説する記事
  • スキャンデータをRealityCaptureで処理することで、「Habitat 67」の3Dモデルを作成
  • DCCツールで制作したモデルはDatasmithを使ってインポートした

Epic Gamesは、Moshe Safdie(モシェ・サフディ)氏が設計した集合住宅「Habitat 67」を再現するプロジェクト『Hillside』の制作プロセスを解説する記事を、自社ブログにて公開しました。

プロジェクトの制作風景を紹介する動画『Exploring the Hillside Sample Project with Safdie Architects and Neoscape | Unreal Engine』

『Hillside』は、Unreal Engine(以下、UE)を使用した建築ビジュアライゼーションのサンプルプロジェクトです。UEマーケットプレイスからプロジェクトデータが入手できるほか、ブラウザ上で動作するWeb版も用意されています。

関連記事
Epic Games、モシェ・サフディ氏の「Habitat 67」をUnreal Engineで再現した建築サンプルプロジェクト『Hillside』を公開
2023.05.23

公開された記事では、設計当時のHabitat 67のコンセプトに加え、『Hillside』の制作に使用された技術を解説しています。

UE5上の『Hillside』プロジェクト(動画はブログ記事より引用)

Habitat 67には、実現には至らなかった構想も存在します。制作チームは、それらの構想を具現化する前に、まず既存のHabitat 67をスキャンし3Dモデル化するところから始めました。

3Dモデル化には、カメラとLiDARを搭載したドローンによる計測データと、別のドローンが撮影した4,136枚の画像が使用されました。これらのデータをRealityCaptureで処理することで、Habitat 67の3Dモデルを作成できたと言います。

(動画はブログ記事より引用)

未完成部分の3Dモデルは、Rhino3ds Maxで制作されました。モデルはDatasmithを使用してUE5にインポートできるため、数時間から数日も作業時間が短縮できたとのこと。

モデルは、インポート後にUE側で植物などの装飾を行ったという(動画はブログ記事より引用)

また、NaniteによってLOD遠くの樹木を板ポリゴンで表現するなどの手法を用いる必要がなく、合計で45億以上のトライアングルが存在するシーンを実現可能だったとしています。

Naniteメッシュを視覚化した様子(動画はブログ記事より引用)

詳細は、ブログ記事『ドリーム ビルダーズ:Unreal Engine および RealityCapture サンプル プロジェクトで、Habitat 67 の当初の構想を再現』をご覧ください。

『ドリーム ビルダーズ:Unreal Engine および RealityCapture サンプル プロジェクトで、Habitat 67 の当初の構想を再現』 Unreal Engine 公式ブログ『Hillside サンプル プロジェクト』 Unreal Engine マーケットプレイス

関連記事

「Blender 4.3」正式リリース。EEVEEにおいてライトリンキングやグリースペンシルが使用可能に、ジオメトリノードには反復処理機能追加
2024.11.20
HoudiniでUSDを扱う「Solaris」にフォーカスした公式技術デモのプロジェクトファイル「Project Greylight」が公開。無料でダウンロード可能
2024.11.20
UE公式の大型イベント「UNREAL FEST 2024 TOKYO」の講演アーカイブ動画・スライド資料が公開
2024.11.15
Unreal Engine 5.5がリリース。Selectノードなしで複雑な選択ロジックを作れる「Chooser」正式導入のほか、Navmesh間を橋渡しするNavLinkの自動生成機能が追加
2024.11.13
プレイヤーの動きによって波立つ水面をNiagaraで実装。ホラーゲーム『Still Wakes the Deep』開発者による水の表現手法を解説する記事が、UE公式ブログにて公開
2024.11.11
セガの社内向けテキスト『基礎線形代数講座』が書籍化。ゲームの3DCG技術などで必須な線形代数を基礎から学び直せる解説本、日本評論社より2025年1月に発売
2024.11.11

注目記事ランキング

2024.11.14 - 2024.11.21
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

フォワードシェーディング(Forward Shading)
フォワードシェーディング オブジェクト毎にライティングの計算を行い、その計算結果を描画するレンダリング手法。フォワードレンダリングともいう。ディファードシェーディング(Deferred Shading)に比べてポストプロセスの自由度は低いが、(何も物を配置しなかった際にかかる)最低限の描画コストが低く、アンチエイリアス処理などにおいてフォワードシェーディングの方が有効な分野も存在する。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!