イラスト制作やデザイン作業に用いる液晶ペンタブレット(以下、液タブ)。近年はプロ〜セミプロ向け製品の選択肢が充実しつつありますが、「描き心地」や「使いやすさ」はスペック表だけでは判断しきれません。
本記事では、HUION(フイオン)が2026年3月3日(火)に発表したばかりの最新液タブ「Kamvas 22 (Gen 3)」を、現役デザイナーが描画性能・画面品質・使いやすさの3つの観点からレビューします。
イラスト制作やデザイン作業に用いる液晶ペンタブレット(以下、液タブ)。近年はプロ〜セミプロ向け製品の選択肢が充実しつつありますが、「描き心地」や「使いやすさ」はスペック表だけでは判断しきれません。
本記事では、HUION(フイオン)が2026年3月3日(火)に発表したばかりの最新液タブ「Kamvas 22 (Gen 3)」を、現役デザイナーが描画性能・画面品質・使いやすさの3つの観点からレビューします。
TEXT / 神谷 優斗
「Kamvas 22 (Gen 3)」は、HUIONが展開する液タブ「Kamvasシリーズ」の最新世代にあたるモデルです。94,800円(税込)と10万円を切る価格帯でありながら、21.5インチの大画面、2.5K(2,560×1,440)の高解像度、そして90Hzのリフレッシュレートを実現しています。
HUION独自の技術「PenTech 4.0」により、ON荷重(描画に必要な筆圧)が2gまで低減(競合モデルでは最小3g)。繊細なタッチも正確に表現できるのが強みです。
本記事では、液タブに求められる性能を 「描画の精度と応答性」「画面の品質」「作業環境としての実用性」 の3層に分解し、それぞれ実際の作業をもとに評価していきます。
レビューを担当するのは、ゲーム開発会社 ヒストリアのデザイナー 落合氏。
落合
普段はAdobe PhotoshopとIllustratorを使い、ゲームのプロモーション用画像を制作しています。業務のほかにも、趣味でアナログゲームのパッケージデザインも行っています。
検証にあたり、架空のゲームタイトル「コロンの大冒険」の販促バナー画像を制作しました。
【制作フロー】
「Photoshopによるイラスト制作」と「Illustratorによるデザイン作業」の両面から、本機の性能を検証しています。
落合
21.5インチということで、箱から出した瞬間のインパクトが大きかったですね。ただ、本体自体はそこまで重くなく、デスクへの設置も一人で問題なくできました。
PCとはUSB Type-C1本で映像・データ転送が可能(対応PCの場合)。非対応の場合はHDMI+USBの2本接続になります。今回のレビュー環境ではHDMI接続を使用しました。
落合
ドライバの導入を含めたセットアップには特につまずくことなく、サクッと使い始められました。ペンのボタン割り当てや筆圧カーブの設定はドライバから行えます。
液タブにおいて重要な観点「思った通りの線が引けるか」を、Photoshopでのイラスト制作を通じて検証しました。
Kamvas 22 (Gen 3)に付属するペンは、ON荷重2gに加え、業界トップクラスの16,384段階筆圧感知に対応しています。
Photoshopのブラシで筆圧テストを行ったところ、弱い筆圧から強筆圧までの変化が滑らかで、「急に太くなる」「途中で段差を感じる」といった不自然さはありませんでした。
落合
最小筆圧と最大筆圧の設定バランスがよく、引きたい太さの線を直感的に引けました。 キャラクターの髪の描写や、消え入るような線の入り抜きが、かなり自然にできます。 特に、細かいタッチの調節がよく効くように感じました。感度をドライバ上で細かくカスタマイズできる点も魅力的ですね。
加えて、本機は±60°の傾き検知にも対応しています。ペンを大きく傾けた角度まで正確に認識するため、筆を寝かせた描き方やエアブラシ的なタッチなど、ペンの傾きを生かした表現を自在に行えます。
90Hzのリフレッシュレートにより、素早くペンを走らせたときでも遅延をストレスのない範囲に抑えています。
落合
カーソルもちゃんとペンに追従して、遅延はまったく気になりません。滑らかなカーブが求められる作業でもストレスなく描けました。
視差(ペン先と画面上のカーソルの位置ズレ)の小ささは、描画位置の正確さに影響します。Kamvas 22 (Gen 3)は、表面のガラスからディスプレイパネルまでの距離を減らすフルラミネーション技術を採用し、視差を低減しています。
落合
思った通りの場所に描けないシチュエーションは基本的にありませんでした。「イメージ通りに描ける。むしろそれ以上」というのが正直な感覚です。
ディスプレイ表面にはエッチング加工が施されており、映り込みを抑えるだけでなくペン先に適度な抵抗感を与えています。
落合
液タブの画面自体に軽いザラザラ感のある加工がされていて、ペーパーライクに近いですね。滑らかすぎず、かといって引っかかって描きづらいこともない。フィルムを別途貼らなくても、最初からバランスよい抵抗感に調整されていると感じました。
落合
また、ペンは重めの設計になっています。板タブのペンはちょっと軽いので、厚塗りや線をたくさん描く作業だとふわふわする感じがあるんですが、こちらは重いぶん安定感がありますね。重心の位置が巧みで、重めですが長時間の作業でも疲れませんでした。
続いて「描いたものが正確に見えるか」など、画面の品質を検証しました。
落合
普段見ているディスプレイと同じサイズ感で表示できることが、絵を描くうえで非常に重要なんだと作業していて実感しました。大画面だと、普段のディスプレイでの見え方と感覚のズレなく描けます。
落合
Photoshopでツールバーとレイヤーパネルを出しても画面が窮屈にならないので、これまで通りの画面構成で作業できました。 また、キャンバスにリファレンス画像を表示しながら描くこともできます。視線があちこちに飛ばないので、集中して効率よく作業できました。
本機はΔE<1.2の色精度で、工場でキャリブレーション後に出荷されます。色域はsRGB 99%、Rec.709 99%、Adobe RGB 90%、Display P3 94%をカバーしています。
操作性やスタンドの安定性など、作業環境としての実用性を確認します。ここでは、Illustratorでの作業も含めて検証しました。
落合
作業をしている中で、ベクターデータの編集に液タブが適していることに気づきました。いつもマウスで画面を見ながらカチカチ操作していたアンカーポイントの編集やベジェ曲線の調整が、ペンだと直感的かつ正確に行えます。マウスだと手ブレなどがあり、決まった位置でアンカーポイントを離すのが難しいんですよね。
落合
液タブを使えば、Illustratorを使ったベクターのイラストも描きやすそうです。表現の引き出しが増える感覚がありました。
付属のスタンドは無段階の角度調整に対応しています。
落合
レバーひとつで角度を変えられるのは便利ですね。作業中は倒して、休憩するときは起こしてスペースを作るという使い方をしていました。スタンドは安定感もあって、ペンを強めに押し当ててもぐらつきません。
外装には、12色から選択できるRGBアンビエントライトが搭載されています。
落合
正直、最初は「光る必要あるかな?」と思っていました。ただ、暗めの部屋で作業するときに間接照明のような効果があって、意外と気に入りました。もちろんオフにもできます。
大画面・筆圧感度のバランスの良さ・遅延の少なさが相まって、「描きたい通りに描けた」本機。箱から出して、すぐに業務レベルで使いこなせるのではないでしょうか。また、Illustratorでのパス操作でも想定以上に使いやすく、液タブの活用範囲の広さが伺えます。
最後に、作業中に気になったポイントもいくつか紹介します。
落合
21.5インチの液タブは、当然ながらそれなりの面積を占有します。デスクの奥行きによってはキーボードの置き場所に工夫が必要でしょう。
ただ、VESAマウントに対応しているので、モニターアームで解決することも可能です。
落合
Photoshopでは筆圧感知のためにWindows Inkをオンにする必要がある一方、Illustratorではオフにしないとオブジェクトを自由に動かせない場面がありました。
ただ、これは本機固有の問題というよりも、WindowsとAdobe製品の相性問題です。以下の手順で解消できるので、参考にしてください。
【相性問題の解消方法】
本機はタッチ操作には対応しておらず、指を使ったキャンバスの拡大縮小などの操作ができません。スムーズなキャンバス操作には、左手デバイスの併用を検討するとよいでしょう。
落合
ただ、気になったポイントを加味しても「これほど優れた描き心地と画面品質が10万円以下で手に入るのはコストパフォーマンスが非常に高い」と感じます。
直感的にイラストが描けるので、特に液タブを導入したいが、今と違う感覚で作業することに不安を抱えているイラストレーターやデザイナーにとって、有力な選択肢になると思います。
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21.5インチの新作液タブ「HUION Kamvas 22 (Gen 3)」
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\▼応募方法
1. 本アカウント&HUION公式アカウント(@HuionLeon_JP)をフォロー
2. 本ポストをリポスト pic.twitter.com/ykWpvT44fF— ゲームメーカーズ (@GameMakersJP) March 3, 2026
ゲームメーカーズおよびHUION公式(@HuionLeon_JP)のXアカウントをフォローし、該当ポストをリポストしていただいた方の中から、抽選で1名の方に、「Kamvas 22 (Gen 3)」のレビューに使用した機体をプレゼントいたします。
※ レビュー機のため、多少の使用感がございます。あらかじめご了承ください
応募期間は「2026年3月3日(火)から2026年3月16日(月)23時59分まで」。また、応募に際しては下記の注意事項もご確認ください。
・ご応募いただいた方の中から抽選でプレゼントいたします
・当選者の方にのみXのダイレクトメッセージにてご連絡いたします
・プレゼントの発送は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます
・個人情報の取り扱いについてはプレゼントの発送にのみ使用いたします
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【なりすましアカウントのご注意】
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「Kamvas 22 (Gen 3)」製品ページHUION(フイオン) 公式サイト
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