この記事の3行まとめ
- 2025年12月18日(木)より「スマホソフトウェア競争促進法」が施行される
- 通称「スマホ新法」。アプリストアなどの寡占状態を是正し、自由で公正な競争を促すための法律
- App StoreやGoogle Playで外部決済・ストア外購入への誘導が可能となるなど、さまざまな規定がなされている
2025年12月18日(木)より、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」、通称「スマホ新法」(※)が施行されます。
※ 公正取引委員会は、同法を「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ法)」と呼称している
同法は2024年6月12日(水)に可決・成立し、同年6月19日(水)に公布されたもの。スマートフォン利用に関わるソフトウェアの寡占状態を是正し、消費者が多様なサービスを選択可能とするための競争を促す目的で整備されました。
公正取引委員会の公式YouTubeチャンネルで、同法の概要を解説した動画が公開されている
「スマホ新法」は、スマートフォンを利用する上でとくに重要度の高いソフトウェア4種類(OS/アプリストア/ブラウザ/検索エンジン)を特定ソフトウェアとして定めたうえ、各ソフトウェアに対して公正取引委員会が指定した「特定ソフトウェア事業者」による他事業者への事業制限を防ぎ、公正で自由な競争を促進するもの。
なお公正取引委員会は2025年3月26日(水)に、Apple、iTunes(※)、Googleの3社を特定ソフトウェア事業者として指定しています。各事業者について、該当する特定ソフトウェアは以下の通り。
※ Appleの直接子会社で、同社と共同してApp Storeを提供している
(画像は「スマホ新法」特設ページより引用)
同法では、OSに基づくアプリ機能の提供や、ストア決済・アンチステアリング(※)、ブラウザ・検索エンジンのデフォルト設定などについて規定しています。
※ アプリ開発者が自作コンテンツをアプリストアで配信する際、ユーザーに対する外部サイトでのコンテンツ購入を促す行為(外部リンクの掲載など)を抑止する施策を指す
特定OSに基づくアプリ機能を自由に搭載可能に
特定ソフトウェア事業者が提供するOSに基づき動作する機能を、他事業者が自社アプリで使用することを妨げる行為が禁止されます。
『スマホ法30秒解説動画「OS機能の利用制限」について』
App StoreやGoogle Playで外部決済・ストア外購入への誘導が可能に
従来、App StoreやGoogle Playで有償のゲームアプリなどを配信する際、外部決済手段の導入や、ストア外での購入を促す行為などに対して、ストアを提供する事業者によって制限が課されていました。
同法ではそうした制限行為が規制され、ストア外部の決済手段を利用可能となるほか、自社サイトでのアプリ購入を促す告知やリンクなどをストア内に設置する行為に対する制限が緩和されます。
『スマホ法30秒解説動画「決済方法の利用制限・リンクアウト規制」について』
デフォルト検索エンジン・ブラウザの選択
スマートフォンでデフォルトのブラウザや検索エンジンを設定する際、自社サービスの利用を推奨する行為や、自社サービスを選択画面で優遇表示する行為などが禁止されます。
デフォルト設定を平易な操作で変更可能とするとともに、全てのサービスを同列に掲載した選択画面の表示が義務付けられます。
『スマホ法30秒解説動画「選択画面の表示について」』
そのほかにも、同法では指定事業者に対してさまざまな義務や制限などを課しています。
なお、公正取引委員会の公式サイトでは、同法に関する最新情報や法律の概要などをまとめた特設ページが用意されています。
「iOS/iPadOS 26.2」リリース。他社ストアをデフォルト選択可能に
Appleは2025年12月12日(現地時間)、iOSおよびiPadOSの最新バージョン「26.2」をリリースしました。
同バージョンではApp Store以外のサードパーティ製ストアアプリをデフォルトとして選択可能になるなど、スマホ新法への対応施策とみられる変更が実施。併せてセキュリティーアップデートも施されています。
アップデート内容の詳細はリリースノート(iOS 26.2/iPadOS 26.2)にまとめられています。
「iPhoneやiPadでデフォルトのアプリを変更する」Appleサポートスマホ新法の詳細は、公正取引委員会による特設ページや公式YouTube動画をご確認ください。
「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ法)」特設ページ|公正取引委員会公式サイト『スマホ法解説動画「知ってる!?スマホ法」』|公正取引委員会公式YouTube