この記事の3行まとめ
- Epic Gamesが提供するフォトグラメトリツール「RealityScan」、バージョン2.1にアップデート
- CLIを用いた処理自動化に関する機能が強化され、ドキュメントなどのリファレンスも拡充
- 反射光を参照して物体の距離や形状などを検出する「LiDAR」を活用する機能も強化された
Epic Gamesは2025年11月25日(現地時間)、フォトグラメトリツール「RealityScan」のバージョン2.1をリリースしました。
公式サイトより無料でダウンロード可能。年間収益100万ドル未満の個人・企業あるいは、学生・教職関係者はライセンス料なしで利用できます。
RealityScan 2.1 update is now available!
Unlock powerful automation, advanced LiDAR capabilities and a range of quality-of-life updates in the latest release.
Find out more and download the update today: https://t.co/50Zg1dRTzQ
See release notes: https://t.co/t6hM1on998 pic.twitter.com/JOFQRONzBy
— Unreal Engine (@UnrealEngine) November 25, 2025
「RealityScan」は、被写体をさまざまな角度から撮影した画像データをもとに3Dモデルを生成する技術「フォトグラメトリ」を活用できるツール。
デスクトップPC用ソフトウェアに加えて、モバイル版として「RealityScan Mobile」が提供されています。
作成したモデルデータは、3Dモデル共有プラットフォーム「Sketchfab」にアップロードして共有・販売でき、アンリアルエンジンやTwinmotionなどで使用できます。
「RealityScan 2.1」アップデート内容を紹介する公式動画
Epic Games傘下のCapturing RealityおよびQuixelによって共同開発されたツールですが、当初はモバイル用アプリケーションのみがリリースされ、デスクトップ版は存在しませんでした。
デスクトップ版は、Capturing Reality製フォトグラメトリツール「RealityCapture」をベースに「RealityScan 2.0」へと刷新する形で、2025年6月に登場しました。
それに伴い、従来の「RealityScan」は名称が改められ「RealityScan Mobile」として位置づけられました。
バージョン2.1では、CLIで自動化処理を組むための機能が強化され、ドキュメントなどのリファレンスも拡充。
またLiDAR(※1)に関連する機能が大幅にアップデート。SLAM(※2)の実行に際した入出力データを読み込み、フォトグラメトリデータと統合可能に。またLAS・LAZ形式による点群データのインポートに対応したことで、処理速度の向上などを実現しています。
※1 照射した光の反射状況をもとに、対象物までの距離や形状などのデータを取得する技術
※2 Simultaneous Localization and Mappingの略。自動車やドローンといった移動体が、自己位置の推定とマッピングを同時並行で進める技術
建築物状の点群データをインポートした様子(画像はニュースリリースより引用)
そのほか、レンダリングやUVに関する機能が改善されるなど、さまざまなアップデートが施されています。
「RealityScan 2.1 が利用可能に」RealityScan公式サイト「RealityScan 2.1」リリースノート