2025年9月25日(木)から28日(日)の4日間、幕張メッセにて日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2025」が開催されています。世界各国のインディーゲームが集まった会場の中から、今回は「Selected Indie 80」にも選出された、スペインのUndercodersが手がける『電車アクション』を紹介します。
TEXT / ハル飯田
EDIT / 浜井 智史
電車で爽快トリックを決めろ!シンプル&大迫力なハイスピードアクション
『電車アタック』(PlayStation 5版)トレーラー
『電車アタック』の舞台は、環境汚染の影響で人々の生活が変化した未来の日本。
地下に高速電車網が張り巡らされた状態の中、高速電車を操り配達業を営んでいた主人公の「エミ」が、ひょんなことから電車乗りたちによるバトルに挑戦することになり……というのが、本作の導入です。
バトルに使用する電車は、一度アクセルをかけると猛烈なスピードで走り出します。プレイヤーはそれを操作して華麗なアタックを決めることが求められます。
操作は主に「警笛を鳴らして障害物を動かす」「ブレーキ」「ジャンプ」「隣のレールに移動する」の4種類。
カーブではブレーキを使いながらのドリフトが可能。またジャンプ中には、電車をぐるぐる回転させるトリックを決められます。
トリックの操作もシンプルで、ジャンプ中に右スティックを操作することで内容が変化。大ジャンプ中は複数のトリックを組み合わせることが可能で、急いでグルグル回しているだけでも簡単に次々とトリックを繰り出せます。
巧みな線路変更やドリフトを繰り出しつつ、最高のトリックを連発してハイスコアを目指しながらステージを順番にクリアしていく、というのが本作の大きな流れ。
操作もルールも非常に分かりやすく、それでいて電車が爆走しながら回転トリックを決めまくる光景は派手なエフェクトによって爽快感・満足感があり、シュールな面白さに満ちています。
障害物への衝突や落下はミスになりますが、すぐに直前のポイントからリトライ可能でストレスフリー。ハイスピードなゲーム性にマッチしています。
ステージは日本列島を舞台としており、先に進むことで新たなギミックが登場。驚きとともにハイテンポで操作する楽しさもアップします。
デモ版では九州を統べるギャルへの挑戦を目指すという序章の物語が描かれましたが、キャラクターの掛け合いも個性ある話し方でローカライズされており、ストーリーがどのように展開されていくのかも気になります。
日本の電車・模型が着想に。アートデザイン・方言など色濃い「日本らしさ」を描く
本作はFireshine GamesとUndercodersによって開発されています。現在は12名のコアチームで開発されており、音楽やエフェクトは外注も行っているとのこと。
会場ではディレクターを務めるDavid Jaumandreu氏にお話を聞くことができました。
使用エンジンはUnrealEngine 5。そのほかPhotoshopやBlenderといったソフトも活用されています。
ハイスピードで電車が駆け抜けるゲームだけに多数のマップが必要となり、その画面遷移もスムーズになるよう工夫を行っているとのこと。各ステージのレベルデザインも、デザイナーと相談を重ねて作り上げているのだとか。
ゲームを彩る2D・3Dアートのデザインにも強いこだわりがあり、日本の風景や食文化など、さまざまな文化を取り込むことを目指しているとのこと。
ゲーム内の日本らしい表現については開発後にコンサルタントに依頼し、「日本らしさ」から逸脱しないようチェックも行っているそうです。
もともと日本の電車と模型が好きだというDavidさん。そこから「電車をアクションゲームにしたら面白いのでは」と着想を得て本作が生まれました。
トリックを決めて華麗にスコアを稼ぐゲーム性などは『トニー・ホーク』シリーズや『オリオリワールド』などのスケートゲームに影響を受けているとのこと。
そのほかアート面では『ペルソナ』シリーズや『Bomb Rush Cyberfunk』『Hi-Fi RUSH』、キャラクターや世界観は『頭文字D』や『エア・ギア』、『AKIRA』などなど、多彩な作品からインスパイアを受けているとのことでした。
『電車アタック』は現在75%ほどの完成度にあり、2026年春のリリースを目指して開発が進められています。
『電車アタック』Steamストアページ「東京ゲームショウ2025」公式サイト大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。
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