この記事の3行まとめ
- オープンソースのプログラミング言語「Hot Soup Processor」(HSP)が「3.7」にアップデート
- 大規模スクリプトの記述に向けて、変数管理・デバッグ機能の追加などが実施された
- iOS・Android・LinuxなどマルチプラットフォームでHSP3.7を動作できる環境「HSP3Dish」同梱版も配布されている
ソフトウェア開発者のおにたま氏(Xアカウント)は2025年9月4日(木)、オープンソースのプログラミング言語「Hot Soup Processor」(HSP)の最新バージョン「3.7」を公開しました。
HSP3.7リリース版が公開されました。4年ぶりのメジャーアップデート版となる最新版です。標準機能の更新と新機能の拡充によりHSP3.6と置き換えてご使用頂けます。マルチプラットフォーム環境とHSPTV素材も最新版となっています #hsp3https://t.co/UG9YKGMD4q pic.twitter.com/IVnHy4UrE6
— プログラミング言語HSP3公式 (@hsp3info) September 5, 2025
HSPは、ONION software(オニオンソフト)として個人でソフトウェア開発などを行うおにたま氏により開発された、インタプリタ型のプログラミング言語。
BSDライセンスのもとオープンソースで提供されており、商用・非商用を問わず無償で利用可能。改変や再配布なども許諾されています。
初心者でも習得しやすいとされている言語で、手軽に開発を始められるエディタや、画像・サウンドなどのプリセット素材が付属。また豊富な拡張プラグイン・モジュールを利用でき、DirectX・OpenGLによるシェーダーや3Dアニメーションなど幅広い機能に対応しています。
2021年に「HSP3.6」がリリースされて以降、このたび約4年ぶりのメジャーアップデートとなる「HSP3.7」がリリースされました。
(画像は公式ブログより引用)
HSP3.7では、大規模なスクリプトを記述する上で意図しない変数の上書き・変数名の打ち間違いといった問題を避けるため、変数名の管理とデバッグ機能の拡充が実施。
初期化されていない変数を参照した際に検知するオプションや、明示的に変数を初期化するプリプロセッサ命令などが追加されています。
また、HSP3をiOS・Android・Linuxなどマルチプラットフォームで動作させるプログラミング環境「HSP3Dish」の機能が強化。
そのほか、バーチャルパッドをサポートする拡張モジュール「mod_vpad」や、VOICEVOXの音声読み上げ機能を搭載できるプラグイン「hspvoicevox」といった新規モジュール・プラグインが登場するなど、各種アップデートが実施されています。
(画像は公式ブログより引用)
対応環境について、Windows 7/8/8.1/10/11/Vista(64bit版)で動作確認が行われています。
配布形式は3種類で、HSP3Dishを同梱した「フルセット版」、Windowsで動作する最小機能を備えた「基本システム版」、HSP3アップデーターを介して任意のバージョン・プラグイン・素材などを揃えられる「ネットワークインストール版」が提供。いずれも同氏のブログ記事よりダウンロードできます。
HSP3.7の詳細は、HSP公式サイトやアップデートガイドをご確認ください。
「HSP3.7リリース版を公開しました」おにたま氏公式ブログ「HSP3.7 新機能ハイライト」ONION software公式サイト