『ストリートファイター6』“人間らしいAI”と“成長の楽しみ”が対人戦ハードルを下げる。「Vライバル」ができるまで【CEDEC2025】

『ストリートファイター6』“人間らしいAI”と“成長の楽しみ”が対人戦ハードルを下げる。「Vライバル」ができるまで【CEDEC2025】

2025.08.05
CEDEC注目記事講演レポートAICEDEC2025格闘ゲーム
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

国内最大規模のゲーム業界カンファレンス「CEDEC2025」が、2025年7月22日(火)から7月24日(木)までの日程で開催され、最終日には「『ストリートファイター6』プレイヤーを模したAIとの対戦から、楽しみながら成長できる体験のしくみ」と題した講演が行われました。

本稿では、対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』にて2024年9月に追加された機能「Vライバル」の狙いや構成、そしてプレイヤーの動きをAIが学習していく仕組みなどが解説されたセッションの模様をレポートします。

TEXT / ハル飯田

EDIT / 酒井 理恵

目次

実装後から大反響となった「Vライバル」

本講演のスピーカーを務めたのは株式会社カプコンCS第二開発統括開発一部 第一ゲームデザイン室の安原 直宏氏。2019年にゲームプランナーとしてカプコンに中途入社し、2020年から『Street Fighter 6(ストリートファイター6)』チームに合流しています。

同タイトルでは主に「アーケードモード」「CFN」「Vライバル」を担当し、「CEDEC2024」では「アーケードモード」におけるCPUの行動に関するセッション「『ストリートファイター6』初心者から上級者まで対応した人間らしい有機的な行動を行うCPU(AI)のしくみ」講演も担当しました。

関連記事
『ストリートファイター6』CPUが人間のように戦う。プレイ状況によって失敗もする、各キャラらしい戦術で動くAIの作り方【CEDEC2024】
2024.09.25

元プログラマーという安原氏の業界歴は17年ほどで「格闘ゲーム世代」でもある

冒頭ではセッションのテーマとなる「Vライバル(まねもん)」について、実装時の公式ムービーで紹介。

「Vライバル」の機能を使うことで、プレイヤーのプレイデータから生成されたAIプレイヤーと対戦ができます。

『ストリートファイター6』新モード「Vライバルマッチ」紹介映像。任意のランクのAIプレイヤーと対戦できるほか、自分自身のVライバル、Vライバル同士の対戦も可能

さらに「ネットワーク上での対戦から作られた、プレイヤーを模したAI」による対戦の様子も動画で紹介されました。

ゲームで最初に付与されるランク「ルーキー」レベルのAIは、各攻撃ボタンを押すだけの行動が主体で、技による連携も行わず空振りも目立つ印象に。そこから2段階上の「シルバー」ランクになると、キャラクターの必殺技や「ドライブラッシュ(※)」が見られるようになります。
※ ドライブパリィの構え/キャンセル可能な通常技から急速にダッシュする

さらに2段階上がって「プラチナ」になると、自分のキャラクターができることを理解し、適切な間合いを保ちつつ、相手の行動に対処する“対空”などの判断も可能になっています。そして「マスター」ランクになると、キャラの長所を活かした“やり込んだプレーヤー”のような動きがを披露。人間が元になっているためコンボをミスするシーンや、人間に対しても機能しそうなフェイントを仕掛ける姿も見られます。

安原氏は「対人戦デビュー前のプレイヤーをメインに、対人戦前の腕慣らしでも使っていただけたら」とVライバルの想定使用シーンにも言及。同機能はリリース後にゲーム内のオンライン対戦エリア「バトルハブ」で頻繁にプレイされており、大きなニーズがあったことも判明。

本セッションでは、この「Vライバル」機能の目的や仕組みについて解説されました。

格闘ゲームがテーマとなっているものの「担当されているゲームに仕組みの部分を読み替えながら、お楽しみいただけたら」と、ジャンルによらない内容にもなっている

Vライバルの狙いは「対人戦デビュー」にまつわる2つのハードルを超えるため

最初のテーマは「なぜVライバルを作ったのか」と、それに関わる「Vライバルで実現したい目的」について。

安原氏は、対戦ゲームや協力系のゲームは「(自分と)同じくらいの腕前の人と遊ぶと特に面白い傾向がある」と言及。そうした環境での対戦が毎日実現できれば理想ではありますが、実際はそう簡単ではありません。

『ストリートファイター6』には1人用のアクションゲームとして格闘ゲームが楽しめる「ワールドツアー」や、プレイヤーに近しい性能のコンピューターとの対戦が楽しめる「アーケード」と、対人戦に向けての“橋渡し”のためのモードが用意されています。

しかし、ゲームを始めたばかりの初心者プレイヤーを想定してみると、そこから対人戦である次の「ランクマッチ」のステップへ進むためには「崖があると感じる方が多い(安原氏)」状態です。

対CPUの「アーケード」と対人の「ランクマッチ」の間にあるのは壁どころではなく崖

そこで、まずは初心者が対人戦に対して感じるハードルを分解してみることに。まず1つ目に考えられるのがプレーヤーのスキルによる「技術的なハードル」で、駆け引きのために搭載されたさまざまな要素のすべてを使いこなすことは難しく、同じ習熟度のプレイヤーと対戦することが望ましいと考えられます。

もう1つが、シンプルに対人戦を怖いと考えるユーザーもいれば、安原氏いわく「人によっては自分がちゃんと動けないことで対戦が成立しないことに申し訳なさを感じて、トレーニングモードにこもってしまう」場合もあるという「心理的ハードル」です。

格闘ゲームは1vs1である以上「勝率50パーをちょっと超えたらものすごく強いゲーム(安原氏)」であり、勝敗だけでなく対戦の内容や自身の成長も重要です。対戦を通じて「なにができていて、何ができれば勝てていたのか」という“成長”を知覚できれば、ハードルの解消に繋がると考えられました。

そして、この2つのハードルをクリアするための結論として生み出されたものが「Vライバル」です。

各ランク別のAIと対戦できることで「ライバルとの実戦」が実現しており、対戦後には勝ち負けとは関係なく「練習通り弾が撃てていたよ」など、対戦で得られた結果からアドバイスコメントを送ることでモチベーションを見出してもらう意図で設計されています。

分析からのアドバイスについては「ワールドツアー」モードに登場したコンピューターに詳しいキャラクターである「リーフェン」を起用し、データからの対戦AI生成については「まねもんくん」という新たなマスコットを追加。この2人の活躍の組み合わせによって「Vライバル」が構成されています。

「V」は「ヴァーチャル」の頭文字から取られている

「Vライバル」の遊びのサイクル

「Vライバル」をプレイする際の遊びの構成についても簡単に紹介。プレイのためにはオンラインで「まねもん筐体」にアクセスし、自分のキャラクターと相手のキャラクターとランクを設定します。デフォルトは「ルーキー」ランクからスタートしますが、既にオンラインマッチを経験しているユーザーは自分の配置されているランクから、つまり基本的には“同じ強さ”のAIと対戦できるようになっています。

そして対戦を行うと、結果画面では先述のようなアドバイスが送られます。1試合だけで判断できる内容以外では、リーフェンに話しかけることで長期的な目線でのアドバイスも聞ける仕組みになっており、与えられた課題を達成すると“ご褒美”としてゲーム内で使えるスタンプなどの報酬が獲得できます。

この6つのサイクルを繰り返すことで自身の課題と向き合いながら成長が実感できる仕組みになっており、目的であった「楽しみながら上達を目指す」ことを実現させています。

AIの「Vライバル」データができるまで

ここまでで紹介された要件と構成を踏まえて、続いての話題は本セッションの中心でもある具体的な「Vライバルの作り方」へ。

「プレーヤーを再現するAI」である「まねもん」の大きな要素となっているのが、日々多くのプレイヤーが行なっているオンライン対戦の数々。対戦データの中にはプレイヤーによるキーの入力情報が含まれています。これを元にこの試合を再現する「リプレイ」用のデータが作られ、サーバーに送られるという流れになっています。

新しくAIを作成するため、このリプレイデータ作成の際に「学習データ」と呼ばれるデータを作成し、リプレイとともにサーバーへとアップロードする仕組みが構築されました。

「Vライバル」作成に必要な「リプレイ」と「学習データ」の流れ

「リプレイ」には試合における「入力の履歴」が並んでいます。そこから短いタイミングを切り取って、キャラクター体力や位置、SAゲージ(必殺技ゲージ)など、対戦の流れに紐づく情報を付与したものが「スナップショット」です。

このスナップショットは1試合の中からたくさん作ることができ、これらをシチュエーションごとにリストアップしたものが「学習データ」になっています。

安原氏は学習データを「このシチュエーションに対してこういう入力をした、という辞書のようなイメージ」とも表現

しかし、この1試合からの学習データではまだまだAIを作るにはシチュエーションの数が足りていません。安原氏によれば、もし大技「SA3」を放って勝った1試合だけのデータでAIを作ってしまうと、本来1試合で2回打てるかという大技でもAIは「打ったら当たる」と勘違いしてしまうとのこと。

そこで実際にデータを作るためにはいくつもの試合を細切れにして覚えさせていく必要があり、このステップを経て「学習済みAI」が誕生します。

シルバーランクの試合を学習データとした場合は、シルバーの「学習済みAI」が誕生することになる

AIに波動拳を連打して勝利すると……

セッションでは実際にAIが動的に学習していく課程を確認できるデモ動画も公開。

1試合目では安原氏がAIに対して一方的に「波動拳」を連打して勝利すると、次の試合からはAIも「波動拳」で攻撃してくるように。となれば安原氏はジャンプで球を回避するという“対策”を行い、基本的な技による連携も用いてAIを倒します。

3試合目になるとAIは「弾(波動拳)には飛び(ジャンプ)が良い」と学習して飛びますが、今度は安原氏が“対空”で対処。通常技も距離によって打ち分けながら倒します。4試合目、試しに安原氏が弾をジャンプで回避してみると、遂にAIも対空で反撃を開始するようになりました。

このように学習済みのシチュエーションが増えていくことで、AIも人間らしい駆け引きや動きが可能になっています。

入力を学習しているので、安原氏が緊張して入力が遅くなってしまった波動拳の操作もそのまま再現

AIのチューニングは「強さよりもらしさ」を重視

安原氏が「この機能を作り込んでいくにあたって気を付けた点」として言及したのが「AIのチューニング」について。作成するAIは対戦での強さよりも、元になったプレイヤーが行うような“うっかりミス”をしっかり再現できているかを重視しており、「強さよりもらしさ」を大切にしていたとのこと。

対戦中のAIがどのようにスナップショットを選択しているかを例に解説します。

対戦中のAIが「強パンチ」を選択した場合、AIは攻撃のヒットを想定して命中後にコンボとなる技を繰り出すことまで想定しています。

実戦では攻撃がガード、あるいは回避されるケースも当然発生します。そうした場合はスナップショットのタグとは状況が変わってしまうため、ガードされた場合や回避された場合のスナップショットへと差し替えて再選択がなされます。

ただ、これはあくまで最善のケースであり、プレイヤーによっては「ガードされていても攻撃を続けてしまう」ことも珍しくありません。そうしたプレイヤーのデータを受け取ったデータの場合は、もちろん「らしい」行動として、ガードに攻撃を重ねてしまう挙動も発生するようチューニングされています。

お互いに様子見をしているような「ニュートラル」状態のスナップショットもある程度保存されており、間合いを調整する動きをするように

スナップショットに保存されているデータとデータ選択の実例

スナップショットの内訳は以下の7通り。このうち、距離などの数値で評価できる項目については、いくつかの単位ごとに圧縮して量子化されています。

  1. アクション
  2. 空中かどうか
  3. ラウンドの取得状況
  4. ゲージ(キャラクター固有のゲージも含む)
  5. 弾(種類や発射されてからの時間も含む)
  6. 位置(中央にいると画面端に向かって相手を“運ぶ”選択肢を取る)
  7. 距離(距離によって変わるコンボの判断などに使用)

中には10秒近いコンボを繰り出すキャラクターも存在するため、スナップショットはある程度の長さが保持できるようになっている

実際にスナップショットを選択する流れは動画でも紹介。再び安原氏がAIと対戦し、AIが「ドライブインパクトを返す」という相手に大きな隙を生み出す行動を成功させた後にコンボからの攻撃を行なったシーンを元に、ツールを簡略化したイメージが示されました。

ゲーム画面左のツールにはスナップショットのリストに加え、「体力状況有利」「同じくらい」など、さまざまな状況のリストが並んでいる

AIはドライブインパクトを返したことにより「相手が無防備」かつ「相手の体力がピンチ」な状況になっていますが、この情報は画面上部の「一致検索」を行う箇所へと渡されています。すると「この状況でデータの元になっているプレイヤーが取った行動」の選択肢が、スコア順にソートされた状態で候補として提示されます。状況に完全に一致するものはなくとも、最も「らしい」行動が選ばれ、AIはキー入力の情報に従った順番で行動します。

このように、オンライン対戦のリプレイデータと同時に作られる「シチュエーションに対するスナップショットの集合」である学習データを一定数集めることで学習済みAIが作られ、さまざまなシチュエーションに対応して行動できるようになります。そして、プレイヤーが「このランクの、このキャラと戦いたい」とゲーム内でリクエストすることで学習済みAIデータが展開され、対戦が行われているのです。

ボタンが押せるだけでえらい!楽しみながら上達するための工夫

続いてのトピックは「Vライバル」に数多く盛り込まれている、当初の目的「楽しみながら上達」を達成させるための施策について。

最初に例として示されたのは『ストリートファイター6』の象徴的なシステムで、先ほども登場した「ドライブインパクト返し」という行動について。「ドライブインパクト返し」には僅かに体力を消費するため、体力が足りない状態では入力が成功してもそのまま倒されてしまいます。しかし、たとえ倒されてしまったとしても、短時間での反応が求められる「ドライブインパクト返し」は「非常にえらい行動(安原氏)」のため、リザルト画面ではそこをポジティブに伝えることが重要とのこと。

勝ち負けより「昨日の自分より強くなれたか」を伝えるための機能

対戦の評価から上達までの流れも紹介。まず安原氏は「実力の近い相手との対戦は負荷がかかり、普段できていることが全然できなくなる」ものであるため、「普段通りに動けるだけでえらい」という前提を示しました。

そのため、表示されるアドバイスで「できたことを褒める」のは重要な要素。リーフェンを通じて試合の中で「できたこと」を2つほど褒め、加えて「これができていたらもっと良い結果になったかもしれない」という改善点を1点だけ提案するようになっています。リーフェンとの会話では長期的な目線での総合評価や課題も提示されるため、評価を通じて「これを繰り返すだけで強くなっていく」構造が作られています。

「ボタンが押せてえらい」といった初心者向けのシンプルな褒め方は、一定のランクを超えると出ないように制御されている

そんなプレイの具体的な評価項目は以下の7項目。

  1. ガード
  2. 対空
  3. 崩し
  4. 反撃
  5. コンボ
  6. ゲージ
  7. システムの活用

ガードの使い分けや対空、コンボといった分かりやすい要素に加えて、「溜まっていくゲージを使えているか」「本作独自のシステムを使えているか」も評価されており、安原氏は「自分の実力と近い相手との対戦でこの行動すべてができれば、その人は相当うまい」と、一人前のプレイヤーの指標になる内容と解説しました。

この評価システムについても、安原氏のプレイによるデモが紹介。普段は動画と異なるキャラクターを使っているという安原氏ですが、「小パンチ3回からのアッパー」というコンボや、ダウンした相手の起き上がりへの攻撃、逆に自身は起き上がりで攻撃を放つ“暴れ”という強気な選択肢を取るなど、随所に“えらい”ポイントが登場します。

試合後のアドバイスを見てみると、“えらい”行動3点をリーフェンが「安定してコンボが狙えてる!」「圧があって良いね!」など、丁寧に褒めてくれていることが分かります。仮に試合に負けたとしても、「自分のプレーと向き合うことで、次の日の改善点やモチベーションにしてもらえたら」と安原氏も述べたように、技術的な上達だけでなく、気持ちの面にもアプローチしたシステムとなっていることが大きな特徴です。

「Vライバル」データ更新頻度と、開発メンバーも登場した応用版「Vライバル」

続いてのトピックは「Vライバル」のデータ更新など、通信やネットワークに関連する内容について。

『ストリートファイター6』には多数のキャラクターが登場しており、加えて操作方法も「クラシック」と「モダン」の2種類どちらを選ぶかによって大きく性能が変わるため、区別が必要です。加えて強さの指標となる「ランク」各段階ごとのデータが必要で、それらの組み合わせによって導き出される対戦用データの総数は、なんと50,000通り以上。

対戦からリプレイと学習データをアップロードし、それを元に更新する作業は1通り作るのに1分ほど必要だったとのこと。現在はエンジニアによるチューニングの成果でさらに早くなってはいるものの、これだけ膨大なデータを毎日すぐに更新するのは困難であり、現在は「1週間に1回くらいのペース」で更新が進められています。

こうして順次更新されることで繰り返しプレイしても対戦相手として異なる動きが楽しめるようになり、自然と「流行りのコンボ」などもAIが繰り出してくる仕組みに。また、追加されたばかりのキャラクターはデータがないため選択できないものの、1週間ほど経過してデータが揃ってくると自動的に戦えるようになるシステムとなっています。

学習済みAIのデータサイズは複雑な動きをするキャラクターほど大きく、約10MBほどのデータ量になるとのこと

自分との対戦も可能に

最後に、ここまでで紹介された機能を使った応用編の紹介へ。

1つ目が「自分自身と対戦」できるシステムで、現実では不可能なはずの対戦カードも、学習対象をそのプレイヤーの対戦データによって「自分の動きを模したVライバル」を生成することで実現しています。安原氏は「自分の弱点を突いて倒すことで、それが自分にブーメランになって帰ってくるような味わい深い体験ができる」と、その独特なプレイ感を紹介しました。

自分のVライバルと対戦すると「スタート直後にまったく同じ行動を取る」ことも多く、話題に

2つ目は特定のプレイヤーを元にした「特別なVライバル」の登場。学習対象を指定することで、そのプレイヤーとの疑似的な対戦を再現する企画です。

2025年2月には、新キャラクター「舞」の実装と同時に開発メンバー「ヲシゲ研究員」が特別なVライバルとして登場。ヲシゲ氏はプレイヤーとしても著名であり、新キャラクターの開発者による操作を見られるとあって話題を呼びました。

この「特別なVライバル」機能はさまざまな配信者を再現したバージョンでも実施されており、「バトルハブ」の盛り上げに一役買っていたとのことでした。

ヲシゲ氏の有名な「ガッツポーズ」のモーションが報酬として配布された

セッションのまとめとして、安原氏はVライバル機能を「対人戦という長いハードルを、自身の程よい成長と向き合いながら楽しんでいく体験に変えることができたかな」と表現。アイデアの応用によって新しい遊びも広がっており、さらなる発展の可能性にも触れました。

また、オンライン対戦という既存のゲームサイクルから組み立てられていることもあり、新機能でありながら比較的コストを抑えながら実現できたことも、開発者目線では印象的なポイントとして振り返られました。

最後には機能の土台と数多くの対戦データを生み出し続けているユーザー、そしてスピーディーな機能追加のための対応を行ってくれたスタッフへの謝辞が述べられ、セッションの結びとなりました。

開発途中でもプレイした社内メンバーから「ありがたいご意見」がチャットで集まっていたのだとか

ムービーの紹介や説明では時折笑いも巻き起こるなど、興味深い情報の中にユニークさも交え『ストリートファイター6』の対戦の奥深さも改めて感じられた講演は、質疑応答にも多数の質問が集まるなど、大盛況のセッションとなりました。

『ストリートファイター6』公式サイト「『ストリートファイター6』プレイヤーを模したAIとの対戦から、楽しみながら成長できる体験のしくみ」-CEDEC2025
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

関連記事

『まどマギ』原作アニメをセルルック調3DCGで完全再現。キャラクターの魅力を最大限引き出す『まどドラ』の必殺技演出【CEDEC2025】
2025.08.05
『モンスターハンター』シリーズ21年の歴史にシリーズ拡大の“仕掛け”あり。アクションやグローバル展開の転換点【CEDEC2025】
2025.08.04
『ウマ娘』ゲーム外の映像制作での課題を解決する、映像特化専用ツールの開発事例【CEDEC2025】
2025.08.04
紙のカード本来の魅力とデジタル特有の表現を両立させる。『Pokémon TCG Pocket(ポケポケ)』カード表現の制作手法【CEDEC2025】
2025.08.04
【CEDEC2025】登壇者が公開したフォローアップ記事・講演資料まとめ(随時更新)
2025.07.31
「CEDEC AWARDS 2025」特別賞はゲーム音楽作曲家の植松伸夫氏が受賞。『アストロボット』開発チームなど全4部門の最優秀賞も発表
2025.07.25

注目記事ランキング

2025.07.30 - 2025.08.06
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ライトニングトーク(LT)
ライトニングトーク 5分ほどの短い時間で区切って行うプレゼンテーションの手法。2000年ごろから浸透した手法で、技術カンファレンスや勉強会で行われることが多い。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!