この記事の3行まとめ
- Unity Technologies、『Blue Prince』の開発者・Tonda Ros氏へインタビューした記事を公式ブログで公開
- 膨大なバリエーションを持つゲームのテスト手法として、2,000時間ものプレイ動画の観察を行った
- UnityとUnity Asset Storeも活用し、核心部は開発開始からわずか1週間で実装
Unity Technologiesは2025年5月28日(現地時間)、『なぜドグボムはブループリンスを完璧にするために2,000時間以上のゲームプレイを見守ったのか』と題した記事を公式ブログにて公開しました。
🚪話題作「Blue Prince」の開発秘話🛋️
映画業界出身のDogubombが8年かけて完成させた独創的なゲーム。2,000時間におよぶプレイテストを通じて磨き上げられた制作過程について伺いました。▼記事はこちらhttps://t.co/qHhZ4dDbHQ#BluePrince #Unity #ゲーム開発 #MadeWithUnity pic.twitter.com/aE989BoJ6M
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan) May 29, 2025
同記事は、パズルアドベンチャーゲーム『Blue Prince(日本語非対応)』の開発元であるDogubombを設立したTonda Ros氏へのインタビューを通じ、『Blue Prince』の開発事例について紹介しています。
『Blue Prince』リリーストレーラー
2,000時間以上にもおよぶユーザーテストの手法
『Blue Prince』のゲームシステムの特徴として、「家の中の部屋を進んでドアを開けるごとに、ランダムに提示される3部屋から一つを選び、地図を作成しながら探索を進める」といったローグライクの特性を持つ探索システムが挙げられます。
(画像はブログ記事より引用)
このゲームシステムはリプレイ性の高さと予測不能性を生み出し、プレイヤーが独自の「物語」を生み出す体験を得られるとしています。一方で、ローグライクの特性上、プレイごとに固有の状況を持つ膨大なバリエーションが発生してしまうため、アンケートや直接フィードバックをもらうといった従来のQAでプレイテストすることはほぼ不可能であったといいます。
そのため、本作は開発の早い段階(2020年)からプレイテスターを募集し、リリースまでの4年間で2,000時間以上にもおよぶ録画映像を観察する方法を採用しました。
このようなアプローチを採用した利点として、「プレイヤーが自然にどこをさまよったか、立ち止まったか、苦労したかを観察することができたこと」だとTonda氏は述べています。有機的なフィードバックの収集・観察により、自分が意図した体験設計とプレイヤーの体験を比較し、ゲームの構造やコンテンツ自体をプレイヤーの体験に合わせて有機的に変化させられたと述べています。
Unityの採用理由
本作の開発期間は8年と長期におよびました。しかし、「ドアを開けて現れる3部屋から一つを選ぶ」ゲームデザインの核心部は開発開始からわずか1週間で実装され、最終ビルドまで変わることなく採用されています。
Tonda氏は本作の開発以前にはゲーム開発・3Dモデリングの経験が少なかったため、「簡単にはじめられて参入障壁が低いもの」としてUnityを本作の開発に採用しました。Unityと、Unity Asset Storeで見つけたモデル・システムを利用することでプロトタイプを迅速に構築できています。こうして短期間で作られたプレハブは、最終ビルドでも使われているといいます。
(画像はブログ記事より引用)
記事中では、Tonda氏の映画業界での経験を生かしたユニークなアートスタイルの制作過程や、制作モチベーションを保った秘訣なども語られています。
詳細は、ブログ記事をご確認ください。
『なぜドグボムはブループリンスを完璧にするために2,000時間以上のゲームプレイを見守ったのか』ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式ブログ『Blue Prince』Steamストアページ