この記事の3行まとめ
- Aiming、『V24 – 巨大モンスターモデル制作 –』と題した記事を公開
- デモ映像制作プロジェクト「V24」における、四足歩行の巨大なモンスターの3Dモデル制作事例を紹介
- ZBrushやSubstance 3D Painterの経験者などに向けて、スカルプトモデリングやリトポロジー・UV設定などを解説
Aimingは2025年2月17日(月)、『V24 – 巨大モンスターモデル制作 –』と題した記事を、自社の開発ブログにて公開しました。
同記事は、Aiming・ドキドキグルーヴワークス・Skyartsが共同で実施したデモ映像制作プロジェクト「ビジュアルアートデモ2024(V24)」の事例紹介のひとつとして、巨大モンスターの3Dモデル制作事例を解説しています。
(画像はブログ記事より引用)
「V24」は、デザイナーのスキル向上と技術力のPRを目的に、デザイナーのみで構成されたチームでデモ映像を制作するプロジェクト。
UnityのHDRP(High Definition Render Pipeline)や市販のプラグインなどを導入し、普段の製品開発ではコストや要件などの制約により採用されない手法や技術を盛り込んでいます。
このたび公開された記事では、デモ映像に登場する4足歩行の巨大なモンスターの3Dモデル制作事例を題材に、「ZBrush」や「Adobe Substance 3D Painter」(以下、「Substance 3D Painter」と表記)などを使用したモデリング手法を紹介。
ZBrush・Substance 3D Painterでモデルを制作した経験がある人などを対象に、スカルプトモデリングや、リトポロジー・UV設定、テクスチャ作成などについて解説しています。
(画像はブログ記事より引用)
ラフモデルの作成には、ZBrushの「DynaMesh」や「ZRemesher」といった機能を使用。
作業効率を重視してポリゴン数を抑え、最低限シルエットやバランスを確認できるディテールに留めています。
アートディレクター・コンセプトアーティストからフィードバックを受けつつ、ラフモデルを修正していく(画像はブログ記事より引用)
ラフモデルをもとに作成した、ベースのスカルプトモデル(画像はブログ記事より引用)
モーション確認用のラフモデルも用意。ポージングは繰り返し変更が必要となるため、Mayaのスクリプト言語「MEL」で調整できるようにしています。
モーション確認用のラフモデル。モーションデザイナーにデータを渡す際は、足を真下に向けた姿勢を取らせる(画像はブログ記事より引用)
リトポロジー・UV設定は、スカルプトモデルが完成する前に実施。Substance 3D Painterのテクスチャ作業の一部をZbrushに移し、負担を分散することなどを理由としています。
これにより、「NoiseMaker」でディテールを加える際などにUVを有効活用できるといったメリットが生まれる一方、UVを破壊する操作が行えないことなどをデメリットとして挙げています。
リトポロジーを実施した後のモデル(画像はブログ記事より引用)
ベースモデルにディテールを加える工程では、Clay・DamStandard・Slash2といったブラシでスカルプトを行ったのち、アルファ・VDMブラシで細部を作り込んでいきます。
スカルプト作業と並行して、Substance 3D PainterでのベイクやUnity上での質感を検証します。
スカルプト完了後、ZBrushのポリペイントでテクスチャを作成し、Substance 3D Painterで表面の汚れや傷、色味などを調整します。
ZBrushでモデルにポリペイントを行った様子(画像はブログ記事より引用)
Substance 3D Painterの作業画面、爪(画像左)や角の根本(画像右)を汚れ具合などを表現する(画像はブログ記事より引用)
完成したモデルをUnityにインポートし、動きや演出を確認しながらマテリアルを調整します。
Unityの作業画面。モンスターのシェーダーは「V24」プロジェクト用に作成されたもので、リムライトやディゾルブなどの演出も可能(画像はブログ記事より引用)
同記事ではそのほかにも、鎖の付いた銛をモンスターの体表に刺して揺れもののシミュレーションを導入した事例などが紹介されてます。
モンスターに刺さった銛は、「前世代の人類が戦闘時に撃ち込んだ」というイメージ(画像はブログ記事より引用)
詳細はブログ記事をご確認ください。
「V24 – 巨大モンスターモデル制作 –」Aiming 開発者ブログ