MayaやAEなどでの映像制作をサポートするプラグイン群「OLM Open Tools」に4製品が追加。実際のアニメ制作現場でも使われているツールが無償で利用可能

2024.11.27
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この記事の3行まとめ

  • オー・エル・エム・デジタルが提供する「OLM Open Tools」に4つのプラグインが追加
  • セルルックシェーディングのための法線編集ツールや、トゥーンシェーダーなどが新たに使用可能に
  • Maya用プラグイン「Noise Deformer」には、「Maya 2025」に対応するアップデートが施された

オー・エル・エム・デジタルは、同社が提供するオープンソースの映像制作プラグイン群OLM OpenTools」に、新たに4つのプラグインを追加しました。

また、その他の一部プラグインにもアップデートが施されています。

(画像は「OLM R&D祭 2024」ページより引用)

「OLM OpenTools」は、オー・エル・エム・デジタルがApache License 2.0ライセンスにて無償で提供している、映像制作用プラグイン群です。長編映画やテレビシリーズなどの制作現場で実際に使われた実績もあり、映像制作効率化などに貢献するといいます。

「OLM OpenTools」には、After EffectsやPhotoshop、Maya、Nukeに使用できるプラグインがラインナップされています。

今回追加されたツールは、以下の通り。

  • OLM Toon Dilate
  • OLM Normals
  • OLM Toon
  • OLM Smoother v2

OLM Toon Dilate

©ナナシ・講談社/「イジらないで、長瀞さん」2製作委員会(画像は配布ページより引用)

透明なピクセルに最も近い色を塗り伸ばす、After Effects用ツールです。上記の画像では、主線をマスクして透明なピクセルとして扱い(画像左)、そのピクセルに近くの色を塗り伸ばしています(画像中央)。

OLMは、主線のスタイルを変える際などに用いています(画像右)。

OLM Normals

© 阿久井真/小学館/NHK・NEP・日本アニメーション(画像は配布ページより引用)

ペイント感覚で直感的に法線を編集できる、Maya用のツールです。

法線のロックや転送にも対応しており、サブディビジョンサーフェスと組み合わせてArnold(※)でレンダリングできます

※ Maya標準のレンダリングエンジン

OLM Toon

© TーARTS / syn Sophia / テレビ東京 / AP製作委員会(画像は配布ページより引用)

Arnold向けの、アニメ制作用トゥーンシェーダーです。アウトラインおよびセルシェーダーが含まれ、リムや影、輪郭の太さなどを制御できます。

「OLM Normals」で法線を編集したモデルに本シェーダーを適用することで、理想のセルルックシェーディングを実現できるとしています。

OLM Smoother v2

©IIS-P/ぽんのみち製作委員会(画像は配布ページより引用)

手描きイラストのスキャン後に二値化された画像をスムージングするAfter Effects用ツール「OLM Smoother」をリニューアルしたものです。

カラースペースを意識した色の補間に対応したほか、作品のテイストに合わせて線のなめらかさや濃さを微調整できるようになりました。

Noise Deformer

(画像は配布ページより引用)

複数用意されたノイズを使ってオブジェクトを変形させるMaya用のプラグインは以前より公開されていましたが、このたび「Maya 2025」に対応しました。

「OLM Open Tools」には、ほかにも下記のプラグインがラインナップされています。

  • OLM Radial Blur
  • OLM Blur
  • OLM Peg Hole Stabilizer
  • OLM Keylight
  • Color Keep
  • Distance Gradation
  • OLM Smoother
  • OLM KiraKira
  • OLM Color Key
  • OLM Directional Blur

詳細は、制作ツール紹介ページをご確認ください。

オー・エル・エム・デジタル 制作ツール紹介ページオー・エル・エム・デジタル 研究開発部門 公式X

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