Maya・Blender・3ds Maxで「末端のBone」の挙動を比較、DCCツール間でリグデータを受け渡すことはできるのか。リグ専門スタジオ・BACKBONEがブログで検証

2024.08.27
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この記事の3行まとめ

  • BACKBONE、「3dsMax/Maya/Blenderの末端骨の挙動を比較してみた」と題した記事を公開
  • 3つのDCCツールにおける「末端のBone」の挙動の違いを、回転やスケール変更、移動で検証
  • 検証結果を応用し、違いがあったツールを同じ挙動にする方法も解説している

BACKBONEは、「3dsMax/Maya/Blenderの末端骨の挙動を比較してみた」と題した記事を、公式ブログ「リグブログ」上で公開しました。

「BACKBONE」は、主にリグ制作やそれにまつわるCG制作ワークフロー開発、リグに関するコンサルティングやディレクションなどを行うスタジオです。

同記事では、「3ds Max」「Maya」「Blender」の3種類のDCCツールを用いて、「末端のBone」を動かした際の挙動の違いについて検証しています。

赤丸部分のBoneを「末端」とする(画像はブログ記事より引用)

各ツールでの作成データは全て統一され、「8角形のシリンダー型オブジェクト」「Bone001(親)」「Bone002(子、末端)」といった構造になっています。

シリンダーはBone001で動くようにスキンウェイトを設定し、Bone002にはスキンウェイトを設定しません。

(画像はブログ記事より引用)

挙動の確認には、Bone001を「スケール」「回転」「移動」の順に操作したあと、Bone002でも同様の順番で操作します。

記事ではGIF画像にて操作の様子が紹介されており、特に「Bone002の移動」では、各ツールによって、Bone001への影響移動の可否などに大きな違いがあることが分かります。

Mayaのみ、Bone002の移動時にBone001への影響が全くない(画像はブログ記事より引用)

次に、既に自由な移動に成功したMayaを除く2つのツールにおいて、同様の移動制御が可能であるかの検証も行われました。

Blenderでは、Boneプロパティより「Connected」のチェックを外すことで制御が可能に。

3dx Maxではそのようなプロパティがなかったものの、Bone002の位置にポイントヘルパーを設置し、コンストレイントで拘束することで移動を再現したとのこと。その結果、Bone002の移動には成功したものの、シリンダーも同時に伸縮するという興味深い結果になりました。

(画像はブログ記事より引用)

さらに、記事終盤では、逆に「MayaやBlenderの挙動を3ds Maxのものに近づける」といった試みも行われるなどし、各ツールの設定内容は異なるものの、同様の挙動を再現することに成功しています。

記事のまとめでは、各DCCツール間でリグデータを簡単に渡すことはできないと結論づけられました。ただし「目指す挙動を明確にし、特定のツール特有の機能を使用しないといった工夫により、同様の挙動の再現はできるかもしれない」と述べられています。

ブログ記事は最後に免責事項として「本記事内で公開している全ての情報について、その完全性、正確性、適用性、有用性等いかなる保証も行っておりません。これらの情報のご利用により、何らかの不都合や損害が発生したとしても、当社は何らの責任を負うものではありません。自己責任でご使用ください。」と述べています。実際に記事の結果を利用する場合はご注意ください。

詳細は、ブログ記事をご確認ください。

3dsMax/Maya/Blenderの末端骨の挙動を比較してみた | リグブログ

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