オープンソースのゲームエンジン「Godot 4.3」がリリース。物理演算とフレームレートの個別更新や、外部コンバーターなしでのFBXファイルのインポートが可能に

2024.08.16
ニュースGodot
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この記事の3行まとめ

  • Godot Engineの最新バージョン「Godot 4.3」がリリース
  • 2Dゲームの物理演算とフレームレートの更新を独立させることで、滑らかな動きを実現
  • 外部コンバーターなしでのFBX形式のファイルのインポートが可能に

2024年8月15日(現地時間)、Godot Engineの最新バージョン「Godot 4.3」がリリースされました。

Godot Engineは、PC(Windows/macOS/Linux)やスマートフォン(Android/iOS)、HTML5などに向けたゲームを開発できるエンジンです。MITライセンスのもとオープンソースで提供されており、無料で使用可能です。

今回リリースされたGodot Engineの最新バージョン「Godot 4.3」は公式サイトからダウンロードできます。

物理演算とフレームレートを独立して更新し、滑らかな動きを実現する「2D physics interpolation」

2Dゲームにおける物理演算のティックの更新を、フレームレートの更新と独立して実行する「2D physics interpolation」が実装されました。

ハードウェアの負荷を軽減するためにフレームレートを下げても、物理演算のティックの更新頻度を上げることで、オブジェクトの滑らかな動きを実現するといった活用が可能です。

なお、同機能の3D対応版も開発中とのことです。

「2D physics interpolation」使用の有無による物理演算結果の比較(動画は公式ブログより引用)

外部コンバーターを使用せずFBXファイルのインポートが可能に

GodotはこれまでFBXファイルのインポートに対応しておらず、外部コンバーターをダウンロードしてファイル形式を変換する必要がありましたが、今回のアップデートによりGodotでFBXファイルをインポート可能になりました。

なお、外部コンバーターを用いた従来のインポート方法はアップデート以降も継続して使用できます。

(画像は公式ブログより引用)

2Dオブジェクトのスナップによる位置ずれなどの不具合が解消

これまでGodotでは、2Dオブジェクトを他のオブジェクトやグリッドに沿った位置に自動で移動させる「スナップ」を使用する際、オブジェクトの位置がぶれるといった不具合が発生していましたが、今回のアップデートにより不具合が改善されました。

Godot 4.3以前(動画左側)ではスナップによりオブジェクトの位置がずれるといった不具合が生じていたが、Godot 4.3アップデート(動画右側)により不具合が解消した(動画は公式ブログより引用)

その他、3Dマテリアルにおける新たなブレンドモード「Premultiplied alpha blending」の追加や、VisualShaderの操作性の改善やデザインの刷新など、多数のアップデートが施されています。

「Godot 4.3」の詳細は公式ブログGitHubをご確認ください。

「Godot 4.3, a shared effort」Godot公式ブログ

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