この記事の3行まとめ
Audiokineticは2024年7月9日(火)、「ボイスデザインの世界を一気に紹介」と題した記事を「akBlog」で公開しました。
同記事は、ゲーム開発においてキャラクターボイスなどの制作を担う新たな分野「ボイスデザイン」の役割や重要性などについて、Ubisoftのゲームスタジオ「Massive Entertainment」でシニアボイスデザイナーを務めるCharles Pateman氏が紹介しています。
「ボイスデザインの世界を一気に紹介」をブログに投稿しました。ぜひご覧ください!https://t.co/099A7HRcDt#audiokinetic #Wwise #ゲーム音楽 pic.twitter.com/dGB54PD0As
— Audiokinetic株式会社 (@AudiokineticKK) July 10, 2024
ボイスデザインは、近年においてゲームオーディオで確立されつつある専門分野であり、ゲームへの没入感を維持するために必要不可欠なボイスを制作する役割を担います。
ボイスを制作・実装するには、キャラクターを演じる声優や、収録を行うエンジニア、ディレクター、ローカライズ担当スタッフなど、あらゆる職種が携わっています。そうした多彩な職種に対する高度な専門知識を有し、作業フロー全体を管理することもボイスデザイナーの仕事です。
Charles氏によれば、世界で150人ほどのボイスデザイナーがいるとのこと。Ubisoftなどでは、1つのプロジェクトに3名以上のボイスデザイナーが在籍していることも珍しくないと語られています。
記事中では、ボイスデザインにおいて重要なのは「コンテキスト」を理解することだと語られています。「コンテキスト」とは、キャラクターの性格などの内面設定や、行動目的、セリフを発するシチュエーションといった、セリフを発する際の文脈を表しています。
ボイスデザインの観点から声優をキャスティングする際の留意事項としては、主要キャラクターとNPCの違いを認識させる声質の使い分けや、つぶやき・叫び声などの多彩なバリエーション、独り言・味方に向けた合図といったセリフの特質を表現する能力などが挙げられています。
また、ゲームジャンルや個々の作品ごとにゲームサウンドの特徴が現れるように、ボイスデザインにおいても、作品の雰囲気に合致する「スタイル」や「トーン」を模索することが重要だといいます。
記事中では、『バトルフィールド 1』のボイス収録現場において、派手な戦闘シーンにふさわしい「トーン」を追求する事例が紹介されています。
たとえば、収録時に声優が腕立て伏せや重りを持ち上げたりすることで、レコーディングブースに立っているだけでは表現できない臨場感のあるセリフを生み出しています。
ボイスデザインについて詳しく学びたい人に向けて、Ubisoftのサウンドデザイナー Adam Ritchie氏が登壇した「GDC2020」の講演動画も記事内で紹介されています。
なお、Charles氏は、ボイスデザインに関する資料や情報などを集約したポータルサイト「Voice Design Resource」を制作するなど、ボイスデザインの学習に役立つ取り組みも行っています。
詳細はakBlogをご確認ください。
「ボイスデザインの世界を一気に紹介」akBlog