Apple、統合開発環境「Xcode 16」のベータ版をリリース。予測的コード補完エンジンや、処理負荷を可視化する「flame graph」の実装など

2024.06.11
ニュースiOSプログラム
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この記事の3行まとめ

  • Apple、総合開発環境「Xcode 16 Beta」をリリース
  • 予測的コード補完エンジンの導入や、テストフレームワーク「Swift Testing」のサポートも
  • 処理負荷の大きい関数を可視化する「flame graph」も実装

Appleは2024年6月10日(現地時間)、同社が提供する統合開発環境「Xcode 16 Beta」をリリースしました。

(画像はニュースページより引用)

Xcode」は、Appleが提供する総合開発環境です。C++やSwiftを含む複数の言語に対応しており、iOS/iPadOS/macOS/visionOSといったApple製OSで動作するアプリケーションを開発できます。

「Xcode 16 Beta」には、予測的コード補完エンジンの導入や、テストフレームワーク「Swift Testing」のサポート、関数のパフォーマンスを視覚化する「flame graph」の実装といった、多数のアップデートが施されています。

また、今後改定が予定されているC++の最新バージョン「C++26」への対応も進められています。

SwiftやApple SDK向けに調整されたコード補完機能

「Xcode 16 Beta」で新しく搭載された予測的コード補完エンジンは、SwiftやApple製品用SDKに向けてトレーニングされた機械学習モデルを使用しています。

予測的コード補完エンジンは今秋に正式リリース予定のmacOS「Sequoia上で動作し、使用するには、Appleシリコンと16GBのユニファイドメモリを搭載したデバイスが必要です。

「Xcode 16 Beta」で導入されたコード補完機能(動画はニュースページより引用)

テストフレームワーク「Swift Testing」のサポート

Swiftコードのミスなどを調査できるテストフレームワーク「Swift Testing」がサポートされました。

タグも設定可能で、関連するテストをまとめて管理できるようになります。

(画像はApple Developerの動画から切り出して引用)

処理負荷の大きい箇所を視覚化する「flame graph」の実装

関数のコールスタックを視覚化し、処理負荷の大きいコードを見つけられる機能「flame graph」が実装されました。該当コードへの移動・修正も行えます。

(画像はApple Developerの動画から切り出して引用)

そのほか、スレッドごとのパフォーマンスの問題を発見する「Thread Performance Checker」の機能向上など、多岐にわたるアップデートが施されています。

「Xcode 16 Beta」の詳細は、ニュースリリースリリースノートApple Developerをご確認ください。

Xcode 16 Beta Release Notes「What’s new in Xcode 16」Apple Developer

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