「シェーダー最適化入門」、サイバーエージェントのゲーム・エンタメ技術組織が新設ブログで公開

2024.06.10
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この記事の3行まとめ

  • サイバーエージェントのコア技術本部チーム、『シェーダー最適化入門 第1回目「条件分岐を使いこなせ」』と題した記事を公開
  • シェーダーコーディングにおける条件分岐の際に発生する問題や、その対策方法について解説している
  • 条件分岐の利用に関する指針も紹介

サイバーエージェント ゲーム・エンターテイメント事業部 コア技術本部(以下、コアテク)は2024年5月29日(水)、『シェーダー最適化入門 第1回目「条件分岐を使いこなせ」』と題した記事を、同日に新設した技術ブログ「CORETECH ENGINEER BLOGにて公開しました。

Unityにおけるシェーダーコーディングを例に上げ、条件分岐(いわゆるif文など)を利用する際に発生しやすい問題点や、その対策方法について解説しています。

(画像はCORETECH ENGINEER BLOGより引用)

記事中では、条件分岐の記述の仕方によって、実行コードがコンパイル時に確定する「静的分岐」と、実行時までコードを確定できない「動的分岐」に分けることができるとし、それぞれの特徴やパフォーマンスに与える影響などを説明しています。

同記事によると、比較的処理が軽いとされる静的分岐の中でも、事前に複数パターンのコードをコンパイルする機能「シェーダーバリアント」は、メモリ使用量やコンパイル時間の増加といった要因から、ビルド時間が長くなるといった問題が発生する可能性があるとのことです。

シェーダーバリアント機能を使用することで、条件分岐が存在しない3パターンのコードを自動でコンパイル可能(画像はCORETECH ENGINEER BLOGより引用)

また、実行速度に劣るとされる動的分岐のうち、シェーダー実行時の計算により決まる分岐が最もパフォーマンスに悪影響を及ぼすとしています。

一方、マテリアルパラメーターの値によって決まる分岐は、パフォーマンスに与える影響が小さいと述べています。

コードの実行時まで分岐を決定できない「動的分岐」に該当するコード(画像はCORETECH ENGINEER BLOGより引用)

両者の違いが生まれる理由として、最近のスマートフォンで採用されているGPUのアーキテクチャ「SIMT(Single Instruction Multiple Thread)」の並列処理について触れ、マテリアルパラメーターの値による分岐の優位性を解説しています。

「シェーダー実行時の計算によって決まる分岐」(左)と、「マテリアルパラメーターの値によって決まる分岐」(右)について、SIMTのスレッドグループで行われる並行処理について解説した図(画像はCORETECH ENGINEER BLOGより引用)

その他、コアテクのグラフィックスチームが条件分岐を利用する際の基準や優先順位など、シェーダーコーディングに関するコアテク独自の指針についても紹介しています。

詳細はコアテクの技術ブログをご確認ください。

『シェーダー最適化入門 第1回目「条件分岐を使いこなせ」』CORETECH ENGINEER BLOG

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