2023年11月12日(日)、秋葉原UDX2階 アキバ・スクエア + 4階 UDXギャラリーにて同人・インディーオンリー デジタルゲーム展示・即売会「デジゲー博2023」が開催されました。本記事ではデジゲー博2023の様子、出展されていた同人・インディーゲームをピックアップしてフォトレポート形式で紹介します。
TEXT / じく
EDIT / 酒井理恵
約200団体が集まった11回目の「デジゲー博」
今回で11回目を迎えた「デジゲー博2023」は、昨年と同じ東京・秋葉原の秋葉原UDX2階 アキバ・スクエア + 4階 UDXギャラリーで開催され、インディーゲームクリエイターなど約200の団体が集結しました。
なお、ゲームメーカーズでは「デジゲー博2022」のイベントレポートも掲載しています。こちらも併せてご覧ください!
▼過去のイベントレポートはこちら
気になる作品たちをフォトレポート!
『KAKURIYO-カクリヨ-』 作者:SOMMIT GAMES
YouTube動画『KAKURIYO -カクリヨ- コンセプトムービー第二弾』
朽ち果てた学校らしき建物やこっくりさんなど、日本のホラー要素を取り入れた世界観となっている(画像は公式動画より引用)
4人用のオンラインマルチプレイホラーゲームで、プレイヤーは超常現象が起きるさまざまなマップを懐中電灯で照らしながら探索します。徘徊する悪霊から逃げながら、マップ上の多種多様な仕掛けを解き明かし、脱出することが目的です。
本作品はプレイヤー同士が協力して脱出を目指します。複数プレイヤーが同時に行うタスクや、1人がタスクを行いもう1人が悪霊の接近を警戒するなどボイスチャットを使用した協力プレイが特徴の1つです。
2人のプレイヤーが協力して行うタスク「視力検査」。自分が見えている向きをボイスチャットで相手に伝えてクリアしなければならない
※ 画面に映る手は写真撮影の都合で写り込んでしまったもので、ゲーム内のホラー演出ではありません!
迫りくる恐怖から協力して逃げるというマルチプレイの要素と工夫は没入感がありました。ブースでは出展者の方と対面で話しながらの協力プレイというイベントならではの楽しくも怖い体験ができました。
本作品はUnityを使用して開発中で、Discordによるボイスチャット利用を予定しておりSteamで2024年に発売予定です。
SOMMIT GAMES 公式サイトSOMMIT GAMES Xアカウント『Drunken way to Home』 作者:Yamauchi_games
YouTube動画『自作ゲーム「Drunken way to Home」紹介動画 (2023/11/17 Release !)』
酔っ払いが家に戻ろうとするアクションアドベンチャーゲームです。頭にネクタイを巻いたベロンベロンのおじさんをマウスで操作します。物理演算による酔っ払いモーションが一筋縄ではいかず思い通りにならない面白さがあります。
このゲームを開発するきっかけは、元々3Dローポリゴンキャラクターを動かすのが好きで、入力に対して乱数を関節の柔らかさなどに含めてみたことだったそうです。決まった動きにならない「ぐにゃんぐにゃん」に動くキャラクターは、ちゃんと動いてくれないのにどこか憎み切れない酔っ払いのおじさんになりました。
なかなか思い通りに動いてくれず、車や自転車にひかれてしまったり、ごみ袋に頭から突っ込んだりして帰らぬ人になることも。飲み会の増えるこの季節、ゲームの中だけのできごとに留めたい(画像は公式動画より引用)
本作品はUnityやBlenderなどを使用しており、Steamにて2023年11月17日に発売予定です。
『Drunken way to Home』SteamストアページYamauchi_games Xアカウント『南極計画』 作者:RexLabo
YouTube動画『南極計画 : Antarctic Base trailer 2』
900年後の南極大陸を舞台に、小さな子供がひとりぼっちで南極点を目指すゲームです。旅路では命を脅かす危険を避け、途中で拾ったアイテムによるクラフトも行いながら広大な南極大陸を進みます。
柔らかく描かれたビジュアルやそれにマッチした音楽で世界が描かれます。静寂・孤独・恐怖を感じる南極を舞台にしながら、そこに存在している希望を感じさせる温かさがあります。
開発者でディレクターの林氏にお聞きしたところ、本作は分岐型のマルチシナリオ&エンディングを採用しており、ストーリーや世界観をじっくりと楽しみながらプレイして欲しいそうです。
本作品はUnityやMayaなどを使用しており、Steamにて2024年に発売予定です。
RexLabo 公式サイトRexLabo Xアカウント『至れり尽くせり』 作者:石乃浦骨董店
YouTube動画『至れり尽くせり』
平成レトロな雰囲気の一次元ローグライクRPGです。2003年の上野の夜の街を舞台にした人間ドラマになっており、シルバーアクセや着メロ本で戦います。
特徴的なのは従来のローグライクとは遠く離れたと言っていい大胆なUIや、バトルやイベントシーンでふんだんに使用されているイラストとNPCたちの独特なセリフです。タバコ屋のおばちゃん、日サロ、ガラケー、叩き売り……文字通り平成レトロを感じさせるものが並びます。
本作品はUnityを使用しており、2024年3月発売を目指して開発中です。
石乃浦骨董店 公式サイト石乃浦骨董店 Xアカウント『対戦クロスワード』 作者:Motteke
対戦型のクロスワードで、5×5のマスに順番で3文字の言葉を入れていくゲームです。制限時間が尽きるか、お手付き回数を使い切った方が負けになります。新しい言葉を入れるときは、すでに入っている文字を1文字以上使って上下左右(斜めはナシ)に3文字の言葉を埋めていきます。
一度使った言葉はもう使えませんが、すでにある1文字だけでなく2文字を使って埋めていくこともできます(「いせき(遺跡)」の“せき”を使って「せきゆ(石油)」を入れる、など)。また、すでに3文字埋まっている場合でも、それが他の向きから埋められた結果でまだ使われていない言葉ならば答えとして入力できます。
クロスワードとしてだけでなく、「対戦相手とのボキャブラリー勝負」「制限時間やお手付きといった将棋・囲碁・クイズに似たプレッシャー」「相手に先んじて言葉を使い文字も埋めてしまう戦略性」など対戦ならではの面白さが凝縮されています。
本作品はUnityを使用して開発中で、アプリとして今年中~来年3月の発売を目指しています。
Motteke氏 Xアカウント『Tokyo Pinball』 作者:別府無明堂
YouTube動画『Tokyo Pinball: Basic Gameplay Techniques』
初心者でも遊びやすく、一人でも多くの人にピンボールの楽しさを知ってもらえるように作られたデジタルピンボールゲームです。自動スローモーション、スタミナ制のキックバックとナッジング(台揺らし)を実装しており、ティルト(台の揺らしすぎによる反則)はありません。
プラットフォームはWindowsで、XInputコントローラーの左右トリガーボタンがフリッパーに対応した分かりやすい操作になっています。ゲームルールもジャックポットやエクストラボールなどピンボールの一般的なルールが採用されており、2Dドット絵や8bitサウンド的な音声が可愛く親しみやすいです。
開発者のRicky氏(別府無明堂)に開発動機や過程をお聞きしました。Ricky氏はリアルのピンボールも好きではあるものの上手くはなく、ポケモンやカービィのデジタルピンボールをよく遊んでいたそうです。基礎研究を重ねて、物理エンジンに頼らず自分で物理演算をプログラミングし、1年ほどで本作品を開発したとのことでした。
本作品はMonoGameを使用して開発しており、Steam・BOOTH・イベント直販(CD-ROM)で販売中です。
『Tokyo Pinball』Steamストアサイト別府無明堂 - Ricky氏 Xアカウント秋葉原で開催され、多くの参加者に愛され続けているデジゲー博。サークル申し込みは募集数を超え、抽選も行わました。
アイデアと熱意にあふれる魅力的な作品と多くのインディーゲームファンが会する「デジゲー博」に今後も期待を寄せていきたいと思います。
「デジゲー博」公式サイト「デジゲー博」Xアカウントゲーム会社で16年間、マニュアル・コピー・シナリオとライター職を続けて現在フリーライターとして活動中。 ゲーム以外ではパチスロ・アニメ・麻雀などが好きで、パチスロでは他媒体でも記事を執筆しています。 SEO検定1級(全日本SEO協会)、日本語検定 準1級&2級(日本語検定委員会)、DTPエキスパート・マイスター(JAGAT)など。
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