この記事の3行まとめ
Qualcommは、2023年10月24日(現地時間)から3日間にわたり、自社の製品を発表するイベント『Snapdragon Summit 2023』を開催しました。
初日に行われた基調講演では、CEOのCristiano Amon氏らが登壇。「AIがデバイスの使用に与える影響」「Snapdragonが、オンデバイスAI(※)を搭載した家電製品でどのような体験を提供できるか」をテーマにスピーチが行われました。
※ デバイスに内蔵されたAI
講演の中で、生成AIに対する大きなパフォーマンス向上をうたった、ノートPC向けの「Snapdragon X Elite」とモバイル向けの「Snapdragon 8 Gen 3」の2つのチップセットが発表されました。
Snapdragon X Eliteは、4nmプロセスの「Oryon」チップを12基搭載。電力効率重視のチップとパフォーマンス重視のコアを併用するbig.LITTLE技術は今回採用していませんが、他社製品より65%少ない消費電力で同等のCPUパフォーマンスを発揮できるとしています。
NPU(※)には45TOPSの「Hexagon」を備え、「AI Engine」によってCPUやGPUなどを動員することで最大75TOPSでAIの処理が可能です。
※ ニューラルネットワーク専用のプロセッシングユニット
これにより、Metaが開発する「Llama 2」といった70億パラメータのLLMを秒間30トークンの速度で実行できるとのこと。
Snapdragon X Eliteの詳細は、公式ブログおよび製品概要をご覧ください。
Snapdragon 8 Gen 3は、Snapdragon X Eliteと同様に「Hexagon」NPUおよび「AI Engine」を搭載。最大100億のパラメーターを持つ生成AIモデルを世界で初めてオンデバイスでサポートするとアピールしています。
Stable Diffusionにも対応しており、他社製品で20秒ほど時間がかかる画像生成を1秒未満で実行できることが示されました。
また、Unreal Engine 5のグローバルイルミネーションシステムであるLumenをサポートしています。
Snapdragon 8 Gen 3の詳細は、公式ブログおよび製品概要をご覧ください。
そのほか、講演ではAIを活用して高度なノイズキャンセリングを実現する「Snapdragon Sound」の新たなプラットフォームや、メーカーやOSを越えたシームレスなデバイス連携を可能にする「Snapdragon Seamless」が発表されました。
各製品の詳細や発表内容については、プレスノートやイベント特設ページ、「Snapdragon」公式YouTubeをご確認ください。
『Snapdragon Summit 2023』プレスノート『Snapdragon Summit 2023』イベント特設ページ