2023年9月21日(木)~24日(日)、国内最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2023(以下、TGS2023)」が開催されます。本記事では、同イベントのインディーゲーム企画の1つ『Selected Indie 80』について情報をまとめました。
目次
Selected Indie 80とは
Selected Indie 80(旧称:選考出展)は、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催するインディーゲームの展示企画です。選考を通過することで、幕張メッセの会場にて無料で自身の作品を出展できます。
今年は、過去最多となる793タイトルのエントリーがあったとのこと。選考の結果、81タイトルが出展される(画像は公式サイトより引用)
会場には、1チームごとに専用ブースが用意され、TGS2023の開催期間と同じく4日間にわたって作品が展示。毎年、国際色豊かなチームが参加しており、今年は26の国・地域のチームの作品が出展される予定です。
Selected Indie 80に選出されると、「センス・オブ・ワンダー ナイト 2023(以下、SOWN2023)」に自動的にエントリーされます。
SOWNは、『“見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲームのアイデアを発掘することを目的とし、インディーゲーム開発者に作品をプレゼンテーションする機会を提供する企画』(公式サイトから引用)としています。
今回は、9月22日(金)にTGS会場内スタジオにて実施が予定され、その様子はライブ配信されます。
Selected Indie 80の特設ページが公開
Selected Indie 80に選出された81タイトルを紹介する特設ページは、TGS2023公式サイト内にて公開されています。同ページでは、各作品のプラットフォームや紹介動画、ジャンル、ストアページなどの情報がまとめて掲載されています。
(画像は特設ページより引用)
Selected Indie 80の作品における国やジャンルの内訳
Selected Indie 80に選出された81のタイトルのうち、27作品は日本の開発者によって制作されています。次いで、作品数が多かったのはアメリカで7作品。他にも、アジアをはじめヨーロッパや南米から多彩なゲームが集結しています。
(画像は公式サイトより引用)
Selected Indie 80の特設ページではActionやAdventure、otherといった16のジャンルのうち、最大2つが各作品に設定されています。
ジャンルの傾向を調べてみると、Adventureのゲームが最も多く34作品。中でもAdventureとPuzzleの組み合わせが12作品と多く掲載されていました。
Real-time Strategyのゲームはアジアからは1つも選出されておらず、ヨーロッパから3作品、北米から1作品選出されています。RPGにおいては、9作品中5作品が日本のゲームでした。なお、残りの4作品はブラジル、インドネシア、ポーランド、アメリカ。
他にも、ブラジルの5作品のうち4作品がPuzzleなど、国やジャンルごとの特徴も見て取れました。
ゲームメーカーズ編集部の注目作品
Selected Indie 80に選出された全81タイトルの中から、ゲームメーカーズ編集部が注目した作品をピックアップして紹介します。
『アルケミスト: ポーション商人の物語』/Art Games Studio(ポーランド)
『アルケミスト: ポーション商人の物語』は、一人称視点の錬金術師シミュレーター。プレイヤーは錬金術の見習いとして世界を探索して素材を集め、さまざまな効果の持つポーションを作ります。この説明だけでは硬派なシミュレーションに見えますが、敵だけでなく村の住民にもポーションを使える点が特徴。ポーションを使って住民を吹き飛ばしたり火事を起こしたりといったことが可能なようです。どこまで自由に錬金術師ライフを送れるのか気になる作品です。
『Scene Investigators』/EQ Studios(アメリカ)
『Scene Investigators』は、捜査官の見習いとして事件を解決する本格推理ゲーム。事件現場に残された証拠を探すのが基本ではあるものの、すべての手がかりが残されているわけではないそうです。現場で何が起きたかは自分で推理し、仮定を立てることで足りない要素を埋めなければいけません。自分の手で事件を一から捜査する感覚を味わえるため、謎が解けたときの達成感はひとしおでしょう。
『sleep -h now』/haguruma(日本)
『sleep -h now』は、遊びながらLinuxコマンドを勉強することを目的とした作品。アクションのコマンドをテキスト入力する、古典的なアドベンチャーゲームをモデルに作られており、コマンドはLinuxコマンドに対応しているのが特徴です。例えば、別の部屋へ移動するコマンドは、別ディレクトリに移動するLinuxコマンド「cd」に割り当てられています。そのほか、現在の部屋内にあるオブジェクトを表示するコマンドは、現在のディレクトリ内のファイルやフォルダを表示する「ls」に対応。
このようにプレイヤーは「cd」「bash」「pwd」などのLinuxコマンドを駆使して、無限に広がる都市を探索します。古き良きテキストアドベンチャーの雰囲気を味わえると同時にLinuxコマンドも学べる本作。クリア後にどれだけLinuxを使いこなせるようになっているのか気になります。
『Umami Grove』/Pomshine Games(カナダ)
『Umami Grove』は、かわいらしいキャラクターが住まう世界を舞台に、食材探しから料理まで自分の手を行うVR作品。食材を切る、フライパンで炒めるといった料理体験だけでなく、木に登って果物を採取したり魚を釣ったりして食材を手に入れる段階から楽しめるゲームは珍しいのではないでしょうか。食材探しや採取を楽しむ過程で、魅力的なファンタジーの世界を存分に楽しめるように思えます。
『Robo Frenzy』/YummyYummyTummy(インドネシア)
『Robo Frenzy』は、工場とマシンを駆使し、ボスラッシュを楽しむアクションゲーム。工場を利用すると剣やレーザーブラスターといった武器を作成でき、大砲などのマシンに作った武器をセット・発射する活用が可能です。プレイヤーごとに戦い方が異なり、人それぞれの攻略方法を確立できそうな作品です。
Selected Indie 80の詳細は、特設ページのほか、全タイトルを紹介する番組『Selected Indie Games 80 ~Gateway to SOWN2023~』をご確認ください。
「東京ゲームショウ2023」公式サイト『Selected Indie 80』特設ページ関連記事

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