全プレイヤー間で「クマムシさん」を永続的に進化・命名し合えるシステムは何がきっかけで生まれたのか。『クマムシさん惑星』開発事例【UNREAL FEST 2023 TOKYO】

2023.07.21
注目記事ゲームの舞台裏講演レポートUNREAL FEST 2023アンリアルエンジン
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エピック ゲームズ ジャパンが主催するアンリアルエンジン(以下、UE)の大型勉強会「UNREAL FEST 2023 TOKYO」が、2023年6月2日(金)と3日(土)の2日にわたり、東京・ベルサール秋葉原にて開催されました。

1日目の「Unreal Showcases」にて行われた『モバイルインディーの挑戦 ”クマムシさん惑星と英語ロギア”』という講演では、Ars Edutainment代表 南原 成勲氏が登壇。

クマムシ研究者の生き様をゲーム化したクマムシ研究者シミュレーター『クマムシさん惑星 宇宙最強ゆるキャラ伝説』と、英語の「語源」をつなげて単語を作りモンスターと戦う語源パズルRPG英語ロギア』。2作品のモバイルインディーゲームの開発事例を軸に、モバイルゲームとしてのインターフェース開発、ゲームに込められた情熱やこだわりなどを解説しました。

TEXT / セレナーデ☆ゆうき

EDIT / 神谷 優斗

目次

コンテストから始まり、モバイルインディーゲームへ

過去、南原氏は「灰原とう」というペンネームで漫画やライトノベルを制作していました。当時、映像制作を本業にしていた南原氏は、UEの表現能力に感動し、ゲーム制作を始めたとのこと。

現在は「灰原とう」として、本記事にて紹介する『クマムシさん惑星 宇宙最強ゆるキャラ伝説』と『英語ロギア』の開発に力を入れています。

『クマムシさん惑星』と『英語ロギア』とは

クマムシさん惑星 宇宙最強ゆるキャラ伝説(以下、クマムシさん惑星)』は、2020年3月11日より配信中のクマムシ研究者シミュレーターゲーム。世界のクマムシ研究者に密着取材し、その生きざまをゲームに落とし込んだ作品です。

プレイヤーは、クマムシをモチーフにしたキャラクター「クマムシさん」を世界各地の苔から採取し、種の同定、飼育、遺伝系統の確立、DNAの解析……という現実に近い形でクマムシ研究を行います。研究を繰り返すことで、コミック形式のストーリーが進行します。

ゲーム内のクマムシ研究所の助手イラストは、アニメ『ちいかわ』や『NEW GAME!』などで有名な、アニメ制作スタジオ「動画工房」が担当

また、現在、南原氏は語源パズルRPG『英語ロギア』を開発中。「語根」を組み合わせて英単語を構築し敵と戦う、教育的ロールプレイングゲームです。配信は2023年を予定しています。

2作品の礎となった「UE4 ぷちコン」

南原氏は、UEを使い始めてすぐに、UEのコンテスト「UE4ぷちコン(※)」に挑戦しました。
※ UEの学習を目的とした、「2、3日でサクッと作ってサクッと応募」がコンセプトのコンテスト。現在の名称は「UE5ぷちコン」

ぷちコンには、2016年に開催された第5回から参加し、今までに3作品が受賞しています。ぷちコンに向けた制作で用いた技術やアイデアの多くが『クマムシさん惑星』に継承されているそうです。

ぷちコンで入賞した南原氏の3作品

UE4 コミック ロボットのモモ』。スクロールを進めることでアニメーションなどの演出が入る「インタラクティブコミック」と呼ばれるジャンルにあたる

SPACE FLY -ショウジョゥバエのタンジョウ-』。電子顕微鏡越しの景色をイメージしたグレーのルックは、『クマムシさん惑星』での演出にも使われている

とある仮想時限の魔法陣(アンリアル クロノスブレイカー)』。音声認識機能を使ったAR作品。本作のエンジニアは『クマムシさん惑星』でも引き続き協力してくれているそう

クマムシ研究をゲームで再現した『クマムシさん惑星』

ここで南原氏は、『クマムシさん惑星』のゲームシステムを紹介するとともに、各システムの実装について解説しました。

そもそもクマムシとは、体長0.1〜1.2mmほどの微小な動物です。1,300種以上が確認されており、地球上の至る所に生息しています。水がない場所では「乾眠(※)」と呼ばれる状態となり、極限の環境ストレスにも耐えられます。
※ 自らの身体を乾燥させ、代謝をほぼ完全に停止し、小さく丸まることで、過酷な環境でも耐えられるようになる

これらの特徴は、どれも実際の実験により確認された事例だそう

地球最強と言えるほどの耐性を持つ一方で、ひっくり返ると自力で起き上がれない一面もある、強さと弱さを兼ね備えた不思議で可愛い生き物だと南原氏は語ります。

本作が初めて発表されたのは、デンマークで開催された『第14回国際クマムシシンポジウム』

本作では、南原氏が導き出した「クマムシ研究の面白さ」を再構築し、下図に示すサイクルでゲームが進行します。

世界中の苔を採取し、目覚めたクマムシさんを採取する

ゲームサイクルの最初の段階では、世界各地に存在する、クマムシさんが生息する苔を採取します。

各地域に対応したレベルは、石と苔が3Dモデル、背景がテクスチャ(Paper2D Sprite)で構成されています。

背景をテクスチャで表現するのは、実写映画における技法のひとつ、マットペイント(※)に似ているとのこと。3Dモデルを作成・配置する必要がないため、低い制作コストでリアルな風景を表現可能です。
※ 実写映像の背景に画像を合成するなどして、背景として画像を使用する撮影法

ゲーム中とは別の角度から見たレベル

モバイルゲームにおけるアプリケーションサイズの肥大化はアンインストールの原因となるため、背景に使うテクスチャは可能な限りサイズダウンすべきです。

そこで、背景のテクスチャには被写界深度を強くかけています。強くボケた風景であれば、テクスチャのサイズを小さくしても、ドットの荒さを誤魔化すことができます。さらに、強めの被写界深度には、接写で撮影したミニチュアのような雰囲気が出る副次的効果もあり、一石二鳥であるとのこと。

続いては、シャーレに載せた苔から新たなクマムシさんを探す採取シーンについて解説。ピンチアウトによってクマムシさんが肉眼で見えるほどにまでズームする仕組みは、実際のクマムシ採取で行う「顕微鏡による拡大」をイメージしています。

指2本でピンチアウトして拡大する様子

ピンチアウト・ピンチインによるズームイン・アウト機能の実装には、マーケットプレイスのアセット『Ultimate Touch Components』を使用しています。

モバイルのタッチインターフェース操作をブループリントから実装できるアセット。ピンチアウト・ピンチイン以外にも、スワイプ操作などが扱える

採取シーンのレベルには、カメラから見て手前側にシャーレのテクスチャを、奥側にミクロの世界を表現する球のメッシュ塵のオブジェクトを配置しています。

画像中央にある青や紫色のもやには、UEのパーティクルシステム「Cascade(※)」を使用しています。
※ UEで使えるビジュアルエフェクト作成ツール。UE5では廃止されNiagaraに置き換わっている

もやの粒子を1つずつパーティクルとして描画すると、モバイル環境ではどうしても処理負荷が高くなってしまいます。そこで、1種類の「銀河」テクスチャをランダムな回転・サイズ・移動速度で複数スポーンさせることで、負荷を抑えつつパーティクルエフェクトを再現しています。

「シャーレ中のもやの正体が銀河の星くずである」ことはコンセプトにも通じているため、銀河の画像を選んだという

採取したクマムシさんは、インキュベーター(※)に移されます。冷蔵庫のような環境は、クマムシさんにとっては新宇宙への入植である、と南原氏。
※ 温度を一定に保ち、生物や細胞にとって生存可能な環境を作り出す機械

なお、クマムシさんの種の同定は、実際には大変な作業ですが、ゲーム内では簡略化されています。

インキュベーター内は最初は暗いものの、クマムシさんに餌のクロレラを与えると鮮やかに変化します。現実におけるクマムシの食性は種によって違うため、一概にクロレラを食べるとは言えませんが、種の同定と同様に簡略化しています。

一定時間経過、もしくは何度かクマムシさんをタップすると、第2世代が生まれます。同様に第3世代が生まれたら、その種の遺伝系統は確立されたと言えるそう。

クマムシを100匹まで繁殖させると、DNA解析が行えるようになります。

DNA解析をゲームのギミックとしてどう取り込むかは悩んだそうですが、クマムシや生物学に関するクイズで表現することに。クイズの正解が、解析の成功を意味しています。

ちなみに、この問題の正解は「2」。研究者による実食実験には100万円以上の費用が掛かったそう

DNA解析が成功するとストーリーが進行します。以上が本作における一連のゲームサイクルです。

クマムシさん採取パートでは、3Dモデルのクマムシさんのほかに、イラストのクマムシさんも出現します。彼らは各地域に1種類ずつ割り当てられている「ご当地クマムシさん」です。

ご当地クマムシさんは、プレイヤーの手によって「新種に進化させる」ことが可能。進化の際は、元のご当地クマムシさんにプレイヤーがイラストを描き加え、リレー形式で変化を与えます

各地域のご当地クマムシさん。現在のご当地クマムシさんのイラストに加筆し、自由な見た目に進化させることができる

付け足すのも消すのも自由。中には、加筆をためらうほど秀逸に描かれたクマムシさんもいるとか

本講演で南原氏は、根室車石のご当地クマムシさん「クトゥルフクマムシさん」に尻尾を描き足し、進化させました。こうして進化したクマムシさんは、サーバーに登録され、以降、全ユーザーが採取できる新種として登場するようになります

進化前のご当地クマムシさん

尻尾を書き加え、新種として登録した新たなご当地クマムシさん

新種のクマムシさんを一番最初に採取した別のユーザーは、その新種の正式名称をつける権利を得ます。

新種の名称と発見者の名前は、サーバー上でイラストに紐づけて登録されます。

新種の名付けシステムは、クマムシ研究者 堀川 大樹氏が自ら系統を確立したクマムシに、最強のイメージを託し「ヨコヅナクマムシ」と名付けたエピソードから取り入れたとのこと。

実際に起きた進化の例。前の要素を残していたり、大きく変化があったりと、ユーザーの思いのままに進化が起こっている

生物の進化種の同定を別々のプレイヤーが担当することで、永続的に更新を続けられるシステムであると南原氏は話します。

この進化に関するシステムは、本作で最もユニークな機能であるとのこと。ただ、サーバーとのやり取りを必要とする、実装の難易度が高い機能でもあります。実装にあたり最初に検討したのは、Microsoftが提供するゲーム用のバックエンドサービス「Azure PlayFab」の使用です。

「Azure PlayFab」はUE用の公式プラグインが用意されている

ちょうど同時期、インディーゲームの開発・パブリッシングを行うroom6Microsoftが共同で主催する「PlayFab合宿」を開催していたため、そこに参加し実装を試みたそうです。しかし、「Azure PlayFab」では進化システムの要件を満たすことはできませんでした。というのも、2019年当時のバージョンでは、サーバーの画像を更新する権利をプレイヤーに付与できず、書いたイラストをアップロードできなかったためです。

そこで、バックエンドサービスに詳しく、UEのコミュニティで活躍しているとの理由から墨崎 達哉氏に相談したところ、「Amazon Web Services(AWS)(※)」を使用した専用のプラグインを開発してくれたそうです。
※ Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称。サーバーや大容量ストレージなどを必要なぶんだけ利用できる

このプラグインにより、それぞれのご当地ごとに、新種クマムシさんのイラスト・名前・発見者名のデータをサーバーに保存できるようになったとのこと。また、ファイル名の末尾にはタイムスタンプが自動で追加されるため、原初のクマムシさんから最新のクマムシさんまでの変遷を、管理者が把握できるようになっています。

こうして、本作における最大の難関であったクマムシの進化システムを実装することができたそう。

「Azure PlayFab」は、AndroidやiOSアプリのバージョンアップ通知に活用しています。アプリ内のバージョン情報と、PlayFabに登録された最新バージョンが異なっている場合、タイトル画面にアップデート通知・ストアへの誘導ウィジェットを表示し、アップデートを促します。

PlayFabに登録したバージョン情報はいつでも更新できるため、アプリがストアで更新されたあと、いち早く更新したプレイヤーからの致命的なバグ報告がないのを確認してから、余裕を持ってPlayFab上のバージョン情報を更新し、全プレイヤーにアップデートを促すことができるのだと南原氏は話しました。

クマムシの可能性を伝えるストーリー要素

本作のストーリーでは、クマムシの乾眠を応用した究極のドライフードの開発や、低温でしか保存できないワクチンを常温保存できるようにする試みなど、実際のクマムシ研究に絡めた物語が展開します。

ストーリーはコミック形式で展開する。よろしクマムシさん

コミック形式のストーリー進行システムは、ブループリント化した3Dウィジェットを配置したレベルで実装。コマをZ軸に沿って並べ、上から順にプレイヤーが移動することでスクロールを表現しています。

各コマにはボックストリガー(コリジョン)がアタッチされており、プレイヤーが領域に入った瞬間にコマのアニメーションやSEが再生されます。

加えて、トリガー内に入ると、トリガーの中心座標に向かってプレイヤーカメラが自動的に移動する「スクロールアシスト」機能が実装されています。本作はスマートフォンの横持ちプレイを想定しているため、縦読み漫画のコマ割りと相性が悪く、同時に表示できるコマ数が少ないという問題があります。

しかし、スクロールアシスト機能があるおかげで、コマを見やすい位置で止めることができます。これは『ロボットのモモ』のシステムを流用しているとのこと。

次に、シナリオ作成の効率化手法について言及。コマ内のキャラクターはすべてブループリント化し、キャラの表情変化や顔がアップになるなどの演出を素早く組み立てられるようにしています。

セリフの入力方法も効率化。最初に大まかに脚本を書いてから流し込むと、フキダシ1つずつにテキストを打ち込むよりも短時間で入力できます。そこで、フキダシをブループリント化し、Z座標の大きい順に自動でセリフを割り当てる仕組みを作りました。

同じコマにフキダシが2つ以上ある場合でも、人間の「上から順番にものを見る」習性により、高さ順にセリフを入れても破綻しない

電子顕微鏡越しの世界を再現するマテリアル作成手法

次に、北海道編のクライマックスで流れるカットシーンについて説明がありました。

カットシーンは、2019年に実際にあった事件がモチーフとなっている

このカットシーンは、リアルタイムで月面のシーンをレンダリングするのではなく、スクリーンキャプチャした画像をクロスフェードさせて表示することで負荷を軽減しています。

これにより、カットシーンのためだけにサイズの大きい3Dモデルなどをゲーム内に組み込むことを回避しています。

スクリーンキャプチャした複数の画像を1枚のスプライトシートとして扱っている

独特なルックを表現するためのマテリアルは、電子顕微鏡越しの見た目を再現するため、明度や彩度を下げるだけでなく、物体の周りを発光させています。月面のすべての3Dモデルに同一のマテリアルを使用しているとのこと。

マテリアルを3Dモデルに適用した際のルック(左上)と、電子顕微鏡で撮影された本物のクマムシの写真(左下)

『クマムシさん惑星』と歩き抜けた4年間を振り返る

ここで、『クマムシさん惑星』配信までの4年間におけるイベント出展の歴史が紹介されました。

なかでも、『Google Play Indie Games Festival 2019 Final(※)』での快挙に、特に思い入れがあると語る南原氏。会場で試遊会・プレゼンを行い、Top10に入る評価を受けました。
※ Google Play Indie Games Festivalは、毎年Googleが世界各地で開催するAndroidゲームのイベント

また、本作の反省点として、ゲームメカニクスが多岐にわたるため、アップデートが大変である点を挙げた南原氏。現在開発している「日本全国編」では新規ステージ・クマムシさん・シナリオなど、多くのコンテンツを作成しているとのこと。そこで、最初のうちにより仕様を簡略化したり、プロシージャル(※)なステージの仕組みを作っておくべきだったと振り返る南原氏。
※ 一定のアルゴリズムに従い、地形など特定のアセットを自動生成すること

メカニクスごとにアプリを分割し、それぞれのアップデートを互いに通知する仕組みを作ることができれば、プレイヤーを循環させ、壮大なクマムシさんのコンセプトをもっと多くの人に伝えられたかもしれないと反省を結び、『クマムシさん惑星』の事例紹介が締めくくられました。

「語根」をモンスター化する『英語ロギア』の新たな試み

次に、現在開発中の新作『英語ロギア』を紹介しました。

『英語ロギア』は、英単語の語源に着目した、学習要素のあるモバイルゲームです。アカデミックな雰囲気を漂わせながらもヘンテコな要素が突き抜け、宇宙の彼方へ旅立ってしまうような「クマムシism」を継承した作品となっている、と南原氏は説明しました。

本作最大の特徴は、英単語の意味とイメージの核である「語根」のモンスター化にあります。

例えば、「inspect」を分解してみると、「中へ」を意味する「in」、「見る」を意味する「spect」に分かれます。これらが組み合わさった「inspect」は、「中を見る」すなわち「検査する」という意味になります。

同じく、「見る」の語根「spect」は、spectator(観客)やrespect(尊敬する)などの単語に通じています。本作ではこの「spect」をモンスター化した『見る(look)のスペクト』が登場します。

語根をキャラクター化し、戦わせるゲームシステムによって、従来と全く違った学習体験が可能であると南原氏は話します。

エフェクトを発生させるため、あえてウィジェットを3D化

本作は「クマムシさん惑星」と異なり、縦持ちを想定したレイアウトです。ゲームメカニクスを絞り、指先1本でカジュアルに操作できるようにしているとのこと。

提示される語根をスワイプで繋げ、画面中央の問題と意味が通る英単語を構築する

南原氏は、「クマムシさん惑星」における、「ピンチアウトでミクロの世界が現れる」という瞬間を例に挙げ、そのようなタッチインターフェース特有の気持ちよさを、最大限に活用したいと話します。

画面内の各要素は、ウィジェットで構成されています。

将来的にはSpineなどの2Dアニメーション作成ツールを導入して、キャラやアニメをど派手に動かす可能性を視野に入れつつ、今はあまり負荷のかからない環境でシンプルな開発を心がけているとのこと。

また、本作では指で文字を繋いだときなどにNiagaraエフェクトを発生させるため、ウィジェットをビューポートに直接表示させるのではなく、3Dウィジェットとしてレベルに配置しています

古代言語のロマンに基づくキャラクターデザイン

南原氏が本作において「一番大変で面白い作業かもしれない」と語るのが、キャラクターデザインです。講演では以下のキャラクターを例に挙げ、デザインプロセスを解説しました。

「captain(船長)」の語根には、「頭」を表す「capt」が含まれます。頭にかぶる「cap(帽子)」や、頭のように丸い「cabbage(キャベツ)」なども、語根を深掘りすると「capt」に繋がるそう。それらを踏まえ、この「あたまのcapt」というキャラクターに、キャベツや船長の要素を加えています。

同じく「capt」を語根とする「catch(捕まえる)」から、クレーンゲームのような武器を持たせています。「捕まえる」と「頭」には一見関連がなさそうですが、「capt」という語根自体が、ラテン語やギリシャ語よりも更に昔の先史時代、印欧祖語(※)の「kap」を起源としているようです。
※ インドやヨーロッパの言語の共通の祖先として理論的に構築された、仮説上の言語。当時は文字が存在しないため、存在は証明されていない

『英語ロギア』が目指すのは、学習効率だけではない

『英語ロギア』は将来的に、多言語に翻訳して、さまざまな地域の言葉で英語の語源を理解できるゲームにしたい、と南原氏は語りました。

英語の学習市場は巨大なため、単に効率よく学習できるツールは他にもたくさんあるだろうと話す南原氏。英語ロギアが目指しているのは、いわく「もっと変なところ」だそう。

南原氏いわく「言葉というのは、古代に生まれたイメージの核に、色々な時代や地域で意味を追加し、現在も続いている、壮大な伝言ゲームのようなもの。使っている自分たちの都合で変化させてこそ、生きた言語といえるのではないか?」とのこと。本作には、言葉に可愛いモンスターのイメージを追加することで伝言ゲームに参加するという大きな目標があるそうです。

小さな発見から大きな進歩へと繋がる『クマムシさん惑星』と『英語ロギア』に、これからもexpectが高まります。

Ars Edutainment 公式サイトモバイルインディーの挑戦 ”クマムシさん惑星と英語ロギア” | UNREAL FEST(アンリアルフェス) 公式サイト
セレナーデ☆ゆうき

ゲームのタイムアタックを中心に、ストリーミングサイト・Twitchで活動をしているストリーマー。ゲームイベントの紹介記事など、WEBメディアでの活動実績もあるが、繰り出されるダジャレのクオリティには賛否両論がある。

https://www.twitch.tv/serenade_yuuki

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