遠景のシャドウまで高解像度に。UE5の新機能「仮想シャドウマップ」の『フォートナイト』適用事例をEpic Gamesが公開

遠景のシャドウまで高解像度に。UE5の新機能「仮想シャドウマップ」の『フォートナイト』適用事例をEpic Gamesが公開

2023.02.15
ニュースアンリアルエンジン
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • Unreal Engine 5.1で開発されたフォートナイト バトルロイヤル チャプター 4で導入された「仮想シャドウマップ」機能にスポットを当てた解説記事が公開
  • 仮想シャドウマップ導入前後を比較して、グラフィックやパフォーマンスに与えた影響を解説
  • 導入の際に問題になった点や、仮想シャドウマップが適さない例も併せて紹介

2023年1月27日、Epic Gamesは『フォートナイト』バトルロイヤル チャプター 4における、仮想シャドウマップの活用事例を解説する記事を公開しました。

仮想シャドウマップUnreal Engine 5.0(以下、Unreal EngineはUEと表記)で追加された、高解像度のシャドウマップをメモリ使用量を抑えつつ使用するシステム。近辺から遠方まで正確な影を、効率的にレンダリングすることが可能です。

仮想シャドウマップの導入は、フォートナイトのグラフィック表現に大きな変化をもたらしました。変化のひとつとして記事で取り上げたのは、太陽(ディレクショナルライト)による影。従来は、複数のシャドウ手法を用いて影を表現していましたが、遠方の影が低解像度になるなどの問題がありました。現在は仮想シャドウマップの導入により、遠方の影も高い解像度で表現できています。

Before
After

仮想シャドウマップを用いることで、近辺から遠方まで解像度の高い影が落ちている(画像は解説記事より引用)

ただ、仮想シャドウマップは万能なシャドウ手法ではありません。草の影においては、パフォーマンス上の大きなメリットが無かったことや、影の暗さを制御できないなどの理由から、従来のコンタクトシャドウを用いた手法を引き続き使用しています。

Before
After

仮想シャドウマップ(左)とコンタクトシャドウ(右)の比較。仮想シャドウマップでは、レンダリングコストがかかる上、影が粗くなってしまった(画像は解説記事より引用)

記事中ではこのほかに、フォリッジのシャドウ、仮想シャドウマップのキャッシュなど、仮想シャドウマップに関する多くの事例に触れています。詳細は『フォートナイト バトルロイヤル チャプター 4 の仮想シャドウ マップ』をご確認ください。

また、UE5.1における仮想シャドウマップの新機能やシステム詳細に関しては、Unreal Engine 5.1 リリースノート公式ドキュメントなども併せてご確認ください。

フォートナイト バトルロイヤル チャプター 4 の仮想シャドウ マップUnreal Engine 5.1 リリースノート仮想シャドウ マップ 公式ドキュメント

関連記事

Unreal Engine 5.6 Previewがリリース。レベルのストリーミング処理が高速化したほか、モーフターゲットをエディタ上で作成・編集する実験的機能が追加
2025.05.14
UEで使えるオープンソースの揺れ物プラグイン「Hagoromo」リリース。パラメーターで揺れ物の剛性を細かく調整でき、コライダ設定に対応
2025.05.07
Megascansのアセットで作られた無料サンプルプロジェクト『Derelict Corridor Megascans Sample』、Fabで公開。UE5.5で使用可能
2025.05.02
『鉄拳8』で筋肉のリアルな柔らかさを追求したリギング手法を解説。「CEDEC2024」講演動画とスライド資料、リグ・CG専門スタジオの「BACKBONE」が公開
2025.04.25
UEのゲームでOAuth2.0によるログイン認証を導入する手法や、シーケンサーの自動生成に役立つTipsなど。「UE Tokyo .dev #4」の講演資料と配信アーカイブが公開
2025.04.18
エピック ゲームズ ジャパン、UEの移動コンポーネント「Mover」の仕組みやオープンワールド制作フローなどを解説した「GCC 2025」講演資料を無料で公開
2025.04.15

注目記事ランキング

2025.05.10 - 2025.05.17
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ラグドール(Rag Doll)
ラグドール ぬいぐるみを意味する英語。 ゲームにおける、キャラクターの全身が脱力したかのような挙動を行う物理シミュレーション。ラグドール物理。 例えば、上空からの落下やキャラクターが死亡した際に用いられる。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!