VR都市開発ゲーム『Spacefolk City』のオーディオデザイナーによる技術解説記事がakBlogで公開。ラジオや宇宙のサウンド表現の工夫を紹介

2022.12.13
ニュースサウンド
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この記事の3行まとめ

  • VR都市開発ゲーム『Spacefolk City』のオーディオデザイナーが、ラジオや宇宙のサウンド表現について解説
  • Wwiseでの制作における工夫が語られる
  • VR機器のスピーカーや作品の雰囲気に合わせたBGM制作についても

Audiokineticは同社が運営するブログakBlogにて、VR向け都市建設ゲーム『Spacefolk City』のオーディオデザイナーがサウンド制作について解説した記事を公開しました。

Spacefolk City』は、宇宙をテーマにしたVR都市建設ゲーム。プレイヤーは、Spacefolkと呼ばれるバナナやバケツ型の頭を持つキャラクターたちと協力して宇宙に都市を建設し、超新星になる太陽から住民たちを助けます。

今回の記事では、本作品に登場するラジオ局「Spacefolk FM」に流れるサウンドトラックや、登場人物が話すSpacefolk語を手がけたアレックス・メイ氏が、Wwiseでのサウンド制作で工夫した点を紹介しています。

『Spacefolk City』の音声デモ

ラジオの表現

本作ではFMラジオ独特の雰囲気を演出するために、局名をアナウンスするDJの声も収録されています。音楽とDJの声とを繰り返すだけでなく、エグジットキューにも工夫を加えたとのこと。

これは実際のラジオ放送にある、局名のアナウンスをさまざまな形式(音楽付き、音楽なし)やタイミングで流すことの再現に使われています。エグジットキューを操作し、アナウンスパターンも複数用意することで、タイミングやパターンの違ったリアルなラジオ放送を流せるようになりました。

音声のみの局名アナウンスの例:音声が聞こえる2秒前に赤のエグジットキュー(画像はakBlogから引用)

LOUDNESS(ラウドネス)機能

本作のラジオには、一部のオーディオ機器に搭載されていたラウドネス機能が搭載されています。ラウドネス機能は本来、小さなボリュームで聞く際に低音と高音をブーストする機能ですが、アレックス氏のかつての体験をもとに、ラウドネス機能を切ってしまうとボリュームが細くなるよう再現しています。

(画像はakBlogから引用)

宇宙の演出

本作のBGMは、プレイヤーが自由にオン・オフを操作できます。BGMがオフになったとき、wet率を100%にすることで、音楽が宇宙のはるか遠くでなっているように聞こえ、これが宇宙の雰囲気にマッチしたとのこと。

(画像はakBlogから引用)

本記事では、VR機器に内蔵された小型スピーカーや作品の雰囲気に合わせたBGM制作などについても語られています。

詳細は、akBlog「『Spacefolk City』の音楽」をご確認ください。

『Spacefolk City』公式サイトakBlog「『Spacefolk City』の音楽」

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