UEマーケットプレイスの無料アセット紹介「5月編」:乗馬アセット『Horse Starter Kit』詳細と他アセットと連携する方法について解説

UEマーケットプレイスの無料アセット紹介「5月編」:乗馬アセット『Horse Starter Kit』詳細と他アセットと連携する方法について解説

2022.05.26
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毎月、UEマーケットプレイスでは、Epic Gamesが選出した5つのアセットが無料配布されています。 本記事では5月の無料アセットの1つ、『Horse Starter Kit』の内容、他のアセットとの連携方法について紹介しています。

TEXT / wvigler
EDIT / 神山 大輝

目次

この記事はUnreal Engine バージョン5.0.1を利用して書かれています。

『Horse Starter Kit』の概要

Horse Starter Kitは、アンリアルエンジン上で乗馬に関するアクションが楽しめるプロジェクトアセットです。グレイマンに「馬に跨って歩く、走る、ジャンプする」などのアクションを行わせることができます。

実際にアセットを触ってみよう

アセットプロジェクトを起動すると、Overviewというマップから始まります。まずはプレイボタンを押して、プロジェクトの動作を見ていきます。

実際のプレイ画面。ThirdPersonTemplateと同じように、WASDで移動、スペースでジャンプが可能

馬から降りた状態での操作はThirdPersonTemplateとほとんど変わりません。

通常の操作と違う点は「F」キーを押すと近くの馬を呼べることと、馬の近くで「E」キーを押すと馬に乗れることだけです。

「WASD」で前後移動と左右転換、移動中のマウス操作で視点の回転を行います。また、スペースキーを押すとジャンプができ、シフトキーを押しっぱなしにすることで、馬を走らせることができます。

馬が走っている間はFOV(焦点距離)が変化し、スピード感が上がる

再び「E」キーを押すことで、馬から降りて徒歩の状態に戻ることができます。

アセットの中身を見てみよう

Horse Starter Kit』のアニメーションや挙動の実装にはC++は使われておらず、ブループリントだけで制作されています。ただし『Horse Starter Kit』は、もともとUneal Engine 4のアセットであることもあり、Control Rigなどは使用されていません。

馬を降りるアニメーションは、右側と左側でそれぞれ用意されている(プロジェクト内では左側に降りるアニメーションのみ使用されている)

Horse Starter Kit』の人と馬のメッシュは別々になっているため、馬単体のモデルやアニメーションとしても利用することができます。

動物系アセットは表情が少なく動作だけで表現できるものが多いため、モデルやアニメーションが他アセットに流用しやすい

他のアセットと組み合わせてみよう

Horse Starter Kit』のブループリントの多くはレベルブループリントに書かれているため、そのまま他のプロジェクトで活用することが難しいものがほとんどです。しかし、馬の操作系についてのブループリントは独立しているため、馬に乗って移動する部分だけであれば一部流用が可能です。

さて、UEマーケットプレイスの5月の無料アセットには『Horse Starter Kit』の他にも、中世の建築物を構築できるモジュラー式建築アセット「Sunset – Modular Medieval Brick Buildings」があります。

中世の雰囲気は、馬のアセットにマッチしそうです。せっかくなので、『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』の世界で乗馬を楽しんでみましょう。

Horse Starter Kit』の「BP_Rideable_DarkBrown_Horse」か「BP_Rideable_LightBrown_Horse」を、『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』を入れたプロジェクトにMigrate(移行)します。

Migrate(移行)についての詳しい説明はこちらです。

2つのブループリントの違いは毛色のみ。ちなみに、同じフォルダに入っているが「BP_NPC_WhiteSpot_Horse」はAI専用のブループリントなので注意

Migrateしたブループリントを『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』の「ThirdPersonExample」のマップに設置します。

このままだとエラーが出てしまうので、「Project Settings」の「Inputマッピング」の名前を変更します。

Inputマッピングの設定のみ、UE5のデフォルトの設定と名前が異なるので、『Horse Starter Kit』と同じように変更する必要がある

最後に、レベルブループリントを画像のように実装したら準備完了です。

 

マップに設置した馬をクリックした状態でレベルブループリント上で右クリックすると、馬のブループリントの参照を選択できる

馬に乗って、中世の世界を走り回ってみましょう!

Horse Starter Kit』『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』を含む2022年5月無料アセットについては、こちらの記事でも取り上げています。

『Horse Starter Kit』 ダウンロードページ『Sunset - Modular Medieval Brick Buildings』 ダウンロードページ
wvigler

アンリアルエンジンにハマり、ぷちコンでゲーム作ってた男。映像編で2連覇したことも。
昔はよくアーケードゲームとかやってました。
一番やり込んだのは「ケツイ ~絆地獄たち~」「戦国BASARAX」あたり。ローグライトゲームとかも好きです。

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