この記事の3行まとめ
- オープンソースのゲームエンジン「Bevy Engine」、バージョン0.18にアップデート
- Rustで開発されたゲームエンジン。データ指向型のソフトウェアアーキテクチャ「ECS」に基づき構成されている
- 大気によって光が減衰される処理や、大気散乱のパラメータを調整できる機能などが追加された
2026年1月13日(現地時間)、オープンソースのゲームエンジン「Bevy Engine」がバージョン0.18にアップデートしたことが発表されました。
(画像はGitHubより引用)
「Bevy Engine」は、データ指向型のソフトウェアアーキテクチャ「ECS(Entity Component System)」(※)に基づき構成された2D/3D向けゲームエンジン。
※ 実装単位を、IDとなる「Entity」、データ構造を定義する「Component」、Component同士の振る舞いを定義する「System」に分離する設計手法。並列処理の活用により大量のオブジェクトを高速に処理できるといった特徴を持つ
Rustをベースに開発されており、ソースコードの大半はMITライセンスまたはApache License 2.0のデュアルライセンスにより提供されています。
バージョン0.16では、大気を通過した光が減衰される処理や、霧などによって光が散乱するパラメータを調整できる機能が追加されたほか、リアルタイムレイトレーシングレンダラー「Solari」が強化されるなど、多岐にわたるアップデートが実施されています。
Atmosphere Occlusion
PBRマテリアルの描画において、シーン内のオブジェクトに届く太陽光や環境光が大気を通過することで減衰される処理「Atmosphere Occlusion」を反映可能となりました。
夕暮れ時に太陽が地平線に近づいた際、オブジェクトを赤く染めるといった描写を実現できます。
「Atmosphere Occlusion」による光の減衰が適用された3Dシーン(画像はニュースリリースより引用)
「ScatteringMedium」アセット
従来のシステムでは地球の環境に近い大気のみレンダリング可能でしたが、バージョン0.18では大気散乱のパラメータを柔軟にカスタマイズできる「ScatteringMedium」アセットが導入されました。
これにより、霧の立ち込める海岸線や、火星を彷彿とさせる砂漠地帯の大気など、多様な環境を表現できます。
ボリューメトリックフォグ使用時でも「Atmosphere Occlusion」を有効化できる(画像はニュースリリースより引用)
リアルタイムレイトレーシングレンダラー「Solari」
実験的機能として搭載されているリアルタイムレイトレーシングレンダラー「Solari」について、多岐にわたる改善が施されました。
Multiple Scattering GGX(※)を用いたスペキュラーのサポートや、ライティングの処理速度や品質の向上、ディレクショナルライトにおける物理ベースのソフトシャドウの追加などが行われています。
※ GGXとは、物体表面にミクロレベルで存在する無数の鏡面について、法線がどの程度の割合で特定方向を指しているかを表す「法線分布関数」のひとつ
「Solari」のリアルタイムレイトレーシングによってライティングを施した様子(画像はニュースリリースより引用)
カメラ操作機能がデフォルト搭載
従来はユーザー自ら実装するかサードパーティ製プラグインを導入しなければ使用できなかったカメラ機能が、このたびデフォルトで搭載されました。
3次元空間を自由に移動できる「FreeCamera」と、パンやズームなどを行える2Dゲーム向けカメラ「PanCamera」の2種類を使用できます。
3Dシーン内を立体的に移動できるカメラモード「FreeCamera」を使用する様子(動画はニュースリリースより引用)
アップデート内容に関する詳細は、ニュースリリースやGitHubをご確認ください。
「Bevy 0.18」Bevy Engine公式サイト「Bevy Engine」GitHubリポジトリ