派手な技演出でもキャラの視認性を確保する。『GUILTY GEAR -STRIVE-』のエフェクト制作技法、アークシステムワークスが動画で解説

派手な技演出でもキャラの視認性を確保する。『GUILTY GEAR -STRIVE-』のエフェクト制作技法、アークシステムワークスが動画で解説

2025.10.10
ニュース3DCGエフェクト
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この記事の3行まとめ

  • アークシステムワークス、『GUILTY GEAR -STRIVE- におけるエフェクト制作テクニック Part1』と題した動画を公開
  • キャラクターの視認性を確保しつつ、迫力ある画づくりを実現した技エフェクト制作手法を解説
  • 描画プライオリティでキャラクターの見え方やエフェクトの奥行き感を調整した工夫をはじめ、多数の事例が紹介されている

アークシステムワークスは2025年10月8日(水)、『GUILTY GEAR -STRIVE- におけるエフェクト制作テクニック Part1』と題した動画を公開しました。

本動画は、2021年に開催された「CGWORLD 2021 クリエイティブカンファレンス」で同社が登壇した講演『「GUILTY GEAR -STRIVE-」背景&エフェクトアートワーク解説』の録画映像をもとに作成された動画シリーズのPart1にあたります。

講演では『GUILTY GEAR -STRIVE-』の開発事例を題材に、戦闘シーン(バトルセクション)とストーリーモードにおけるエフェクト制作事例が紹介されました。

Part1の動画では戦闘シーンのエフェクト制作に焦点を当て、キャラクターの視認性を損なわずに迫力のある画面を表現する工夫を解説しています。

『GUILTY GEAR -STRIVE- におけるエフェクト制作テクニック Part1』

本作では「キャラクターの視認性確保」と「派手な画面づくり」を両立するべく、描画プライオリティに注力したエフェクト制作を実施。

例えば、面積の広いエフェクトをキャラクターの背後に回すことで視認性を向上しつつ、小さな火花などの装飾的なエフェクトは手前に置くことでエフェクトの奥行きを表現しています。

画像左が『GUILTY GEAR』過去作品における技エフェクト、右が本作のエフェクト。本作ではキャラクターの姿がより見えやすくなり、技エフェクトの奥行き感も生み出されている(画像はYouTube動画より切り出して引用)

ディザリング」(※)を応用して擬似的に半透明のエフェクトを制作する手法も紹介。半透明のマテリアルではプライオリティの都合により描画が困難である裏表で色差があるエフェクトなどに利用しています。
※ 異なる色をばらつかせて配置することで、少ない色数で別の色調を描く手法。グラデーションを作る用途などで用いられる

「ディザリング」を使用して、キャラクターの周囲を取り囲むような技エフェクトの色調を表現した例(画像はYouTube動画より切り出して引用)

また、テクスチャに擬似的な凹凸を与える「Parallax Occlusion Mapping」(※)を用いて、地面にヒビが入る技エフェクトを立体的に描画した事例なども紹介されています。
※ カメラの視点・法線・ハイトマップを用いてテクスチャに高低差を表現する「Parallax Mapping」に対して、さらに遮蔽情報を反映させたマッピング手法

「Parallax Occlusion Mapping」で表現した疑似的な凹凸により、テクスチャで地割れの立体感を生み出した事例(画像はYouTube動画より切り出して引用)

そのほか、VAT(※)で作成したメッシュのアニメーションをエフェクトとして用いることで、カメラの距離に左右されない高解像度かつ多彩なアングルに対応できるエフェクトを実現した事例や、完成したカットシーンに手描きのアニメーションを付け加えることで迫力のある演出を生み出した事例などにも言及しています。
※ 「Vertex Animation Textures(頂点アニメーションテクスチャ)」の略。頂点の位置や回転の動きを記録したテクスチャ、およびそれを読み込みゲームエンジン上で再生する仕組みのこと

Part2では、ストーリーモードにおけるエフェクトの制作事例を解説。プロットをもとにした必要なエフェクトをリスト化するなどのワークフローや、ポストプロセスにおけるマテリアル構成などが実例とともに紹介されます。

詳細は同社のYouTube動画をご確認ください。

GUILTY GEAR -STRIVE- におけるエフェクト制作テクニック Part1 | YouTube

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