この記事の3行まとめ
- 3DCG制作ツール「Blender 4.5 LTS」ベータ版がリリース
- オープンソースライブラリ「ufbx」をもとにしたFBXインポーターが実装。従来版より処理速度が3~15倍に
- ジオメトリノードにおいて、メッシュの法線を編集できるノード「Set Mesh Normal」が追加
Blender開発チームは2025年6月5日(現地時間)、オープンソースの無料3DCGツール「Blender」について、バージョン「4.5 LTS」のベータ版をリリースしました。
バージョン4.5はLTS(長期サポート版)として開発されており、2027年までサポートされます。今後は2025年7月9日にリリース候補版(Release Candidate)、7月15日に正式版のリリースが予定されています(いずれも現地時間)。
新たなFBXインポーターが実験的機能として追加。読み込み速度が3~15倍に
オープンソースライブラリ「ufbx」をベースとしたFBXインポーターが実験的機能として実装されました。
従来のインポーターと比較して処理が3~15倍に高速化したほか、メモリ使用量が低減。また、ASCII形式のFBXやバージョン7.1以前のバイナリFBXなどをサポートしています。
なお、すでに搭載されているPythonベースのインポーターも引き続き利用可能。ドラッグ&ドロップでインポートする際はPythonベースのインポーターが用いられます。
(画像は「ufbx」GitHubリポジトリより引用)
ジオメトリノードでメッシュの法線を編集可能に
メッシュの法線を編集できるノード「Set Mesh Normal」がジオメトリノードに追加されました。メッシュのトポロジーを変更せずスムーズなトランジションを作成する場合などに活用できます。
(画像は公式ドキュメントより引用)
コンポジターの機能が強化。ベクトル演算を含む複数ノードの追加など
シェーダー/ジオメトリノードにおいてすでに実装されていた、ベクトル計算に使用する「Vector Math/Rotate/Mix」や、入力値の範囲を制限する「Clamp」、ライティングの色温度を調整する「Blackbody」など7種類のノードがコンポジターで使用可能となりました。
これらの新規ノードは、シェーダー/ジオメトリノードのノードツリーからコピーして使用することも可能です。
(画像は公式ドキュメントより引用)
また、画像の寸法や解像度などを設定する「Image Info」や、整数や正規化された座標などを含むさまざまなピクセル座標を指定する「Image Coordinates」といったノードも追加されるなど、機能が強化されています。
(画像は公式ドキュメントより引用)
そのほか、実験的に導入されていたグラフィックスAPI「Vulkan」が正式に利用可能となるなど、多岐にわたるアップデートが施されています。
なお、Colladaファイルの入出力が可能なバージョンは「Blender 4.5 LTS」が最後となり、「Blender 5.0」ではサポートされないとのこと。
「Blender 4.5 LTS」ベータ版のアップデートに関する詳細は、公式ドキュメントやリファレンスマニュアルをご確認ください。
Blender 4.5 リリースノート | Blender 公式サイトBlender 4.5 Reference Manual