この記事の3行まとめ
- NVIDIA、アンリアルエンジン公式大型イベント「Unreal Fest Orlando 2025」にあわせてAI関連技術の情報を公開
- ニューラルレンダリング技術群「NVIDIA RTX Kit」はv2025.3に更新。パストレーシングの効率が向上した
- 音声をもとに表情やリップシンクのアニメーションを生成する「Audio2Face-3D」は新しいAIモデルを採用して強化
NVIDIAは2025年6月2日(現地時間)、アメリカのオーランドで開催中のアンリアルエンジン公式大型イベント「Unreal Fest Orlando 2025」にあわせて、直近に行われたAI関連技術のアップデート情報を、同社技術ブログで発表しました。
(画像はブログ記事より引用)
同社は、「NVIDIA RTX Kit」をv2025.3にアップデートし、パストレーシングの効率が向上したことを発表しました。
NVIDIA RTX Kitは、リアルタイムレイトレーシングを可能にする業界標準のグラフィックスAPI「DirectX Raytracing(DXR)」も活用した、ニューラルレンダリング技術群。
これまでNVIDIA RTX Kitではパストレーシングの計算負荷の高さを課題にしていましたが、DXR 1.2に含まれる「NVIDIA Opacity Micromaps(OMM)」と「Shader Execution Reordering(SER)」をNVIDIA RTX Kitが活用することで、性能が改善しました。
OMMは複雑なジオメトリのレンダリング効率を大幅に向上させる技術で、レイトレーシングのパフォーマンスを最大2.3倍高速化できます。一方のSERはシェーダー処理の実行順序を最適化することで、レンダリング性能を最大2倍向上する技術です。
(画像はブログ記事より引用)
また、NVIDIA RTX Kit内で活用されている「RTX Neural Shaders」は、DirectX 12の「Cooperative Vectors」機能に対応することで高速化。これは、AIの学習・推論処理に特化したプロセッサ「RTX Tensor Cores」の能力をDirectXシェーダーから効率的に引き出す機能で、グラフィックスワークロードの高速化を実現します。
『DirectX State of the Union: Raytracing and PIX Workflows (Presented by Microsoft)』
「NVIDIA RTX Kit」v2025.3ではほかにも、「RTX Mega Geometry」の性能最適化、「RTX Path Tracing」の性能向上なども行われています。
「RTX Kit」Webページ3Dキャラクターの顔の表情やリップシンクのアニメーションを音声から自動的に生成するツール「Audio2Face-3D」も、新しいAIを搭載することで強化されました。本ツールはUnreal Engine 5向けのプラグインも提供されており、近日中に改善も予定されています。
『NVIDIA ACE | Tang Legend: Silent Strings – Audio2Face-3D Powered Storyteller Demo』
今回の発表ではほかにも、「DLSS 4」の紹介や「Unreal Fest Orlando 2025」の参加者はNVIDIAパートナーブースでデモを体験できることなどが掲載されています。
詳細は、NVIDIAの技術ブログをご確認ください。
NVIDIA Releases RTX Neural Rendering Tech for Unreal Engine Developers