理想の影を描き出す法線制御テクニック、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズ開発者が実演。アークシステムワークスの3Dキャラモデリング解説動画が公開

理想の影を描き出す法線制御テクニック、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズ開発者が実演。アークシステムワークスの3Dキャラモデリング解説動画が公開

2025.06.02
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この記事の3行まとめ

  • アークシステムワークス、『GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアニメ調キャラモデリングTIPS Part4』と題した動画を公開
  • 同社が2018年に実施した、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズのキャラクターモデリングに関するセミナー動画を編集したもの
  • 3Dモデルの法線とライティングの関係や、理想の陰影を生み出すために法線を制御する手法を解説している

アークシステムワークスは2025年5月28日(水)、『GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアニメ調キャラモデリングTIPS Part4』と題した動画を公開しました。

本動画は、2018年8月に実施されたダイキン工業主催のセミナー「GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアニメ調キャラモデリングTIPSセミナー」の録画映像を編集したものです。

セミナーでは、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズにおけるアニメ調の3Dキャラクターモデル作成事例を解説。なお同社は2018年11月に、セミナーで使用したスライド資料を公開しています。

このたび公開された動画はPart4と題し、3Dモデルにおける法線の概要とその制御方法について解説しています。

『GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアニメ調キャラモデリングTIPS Part4』

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法線とは、3Dモデルの各頂点が保有する「向き」の情報をベクトルで表現したもの。ライティングによるモデルの陰影を描画する際に使用されます。

通常は頂点の位置関係をもとに自動で算出されますが、ユーザーが個別に法線を編集することで、メッシュの形状に影響を受けない独立したライティングを行えます。

(画像はスライド資料より引用)

意図したライティング結果を得るためには法線の向きを制御することが必要。動画では、法線を制御する方法として下記の3種類を挙げています。

  1. 法線を直接編集せず、モデリング時に頂点の配置を工夫することで狙った法線が生成されるようにする
  2. 別のメッシュから法線を転写することで異なるライティング結果を得る
  3. それぞれの法線を手作業で編集する

上記のうち、今回のPart4では「モデリング時に頂点の配置を工夫する」手法と「法線を転写する」手法の2種類を取り上げ、実演を交えつつ使用方法を解説しています。

モデリング時の頂点配置による手法に関しては、「立方体のオブジェクト」「手首に装着するバンド」「髪の毛」の3パターンを例に挙げ、理想的な陰影を実現するためのモデリング方法を実演しています。

(画像はスライド資料より引用)

法線の転写については、キャラクターモデルの毛髪を例に解説。転写元のメッシュとして球状のオブジェクトを用意し、法線情報を毛髪にコピーすることで滑らかな陰影を生み出しています。

多数の凹凸を持つ毛髪のメッシュの形状を維持しつつ、法線のみ差し替えることで滑らかな陰影を描き出すことが可能(画像はスライド資料より引用)

なお、手作業で頂点を編集する手法については次回のPart5で取り上げることが予告されています。

詳細は同社のYouTube動画をご確認ください。

GUILTY GEAR Xrd開発スタッフが送るアニメ調キャラモデリングTIPS Part4 | YouTube

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