この記事の3行まとめ
- 米国連邦地裁よりAppleに対し、App Storeでの外部決済購入に対して課されていた手数料の撤廃などを含む命令が言い渡される
- Appleに命じられていたアンチステアリング条項の撤廃命令などに対する同社の違反が認められたことによるもの
- Epic GamesのCEOであるTim Sweeneyより、米国のiOS版App Storeにて「フォートナイト」が復刻するとアナウンス
2025年4月30日(現地時間)、米国のカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、2021年よりAppleに命じていた「アンチステアリング条項(※)」の撤廃などを求める命令について、同社の違反行為を認めて改善措置を命じる文書を公開しました。
※ アプリ開発者が自作コンテンツをアプリストアで配信するに際して、ユーザーに対して外部サイトでコンテンツを購入することを促す行為(外部リンクの掲載など)を抑止するために同社が制定した条項を指す
本件につきAppleは、App Store外部の決済手段を介したアプリ購入に対して課していた27%の手数料を廃止することなどが言い渡されています。
NO FEES on web transactions. Game over for the Apple Tax.
Apple’s 15-30% junk fees are now just as dead here in the United States of America as they are in Europe under the Digital Markets Act. Unlawful here, unlawful there.
4 years 4 months 17 days. https://t.co/RucrsX7Z4A pic.twitter.com/3kSYnt5pcI
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) April 30, 2025
このたび連邦地裁がAppleに言い渡した命令は、2020年にEpic Gamesが同社を提訴し、2021年に判決が下された裁判に関するもの。
Epic Gamesは2020年、App Storeにて配信していた「フォートナイト」について、App Storeでの決済時に発生する30%の手数料を回避するべく独自の決済システム「Epic ディレクトペイメント」を導入しました。AppleはそのシステムがApp Storeの規約違反にあたるとして、同作をストアから削除。これを不服として、Epic Gamesが同社を提訴しました。
連邦地裁は、Appleが設けていた30%の手数料やアンチステアリング条項が反競争的であると認定し、2021年に同社へ差止命令を発行。同命令は2024年1月17日(現地時間)に有効となりました。
これを受けてAppleは、アプリ開発者がユーザーをストア外の決済手段に誘導することを許可する施策を実施。施策の中には、外部決済によるアプリ購入に対して27%の手数料を課したほか、外部リンクの配置制限や全画面表示による警告などの要素が含まれていました。
連邦地裁は同施策について、依然として反競争的行為を是正していないと判断し、Appleに改善措置を命令。外部決済に課される27%の手数料を廃止することや、ストア内に設置する外部リンクの制限を撤廃することなどを言い渡しました。
なお、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は自身のXアカウントで本件に触れ、近日中に米国のiOS版App Storeにて「フォートナイト」の配信を開始することをアナウンスしています。
We will return Fortnite to the US iOS App Store next week.
Epic puts forth a peace proposal: If Apple extends the court's friction-free, Apple-tax-free framework worldwide, we'll return Fortnite to the App Store worldwide and drop current and future litigation on the topic. https://t.co/bIRTePm0Tv
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) April 30, 2025
本件に関して記載された連邦地裁の文書はこちらから確認できます。
Appleの差止命令違反に対する改善命令|米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所