この記事の3行まとめ
- 3DCGツール「Blender」バージョン4.4が正式リリース
- 複数のアニメーションを単一のアクションに格納できる「スロット」が導入
- トポロジーを保持しつつ三角形を四角形に統合する機能なども追加
Blender開発チームは2025年3月18日(現地時間)、オープンソースの無料3DCGツール「Blender」のバージョン「4.4」を正式にリリースしました。
『Blender 4.4 – Showcase Reel』
本バージョンでは700以上のバグが修正されるなど安定性が向上。また、単一のアクションで複数のアニメーションを制御できるスロットが導入されたほか、交わる辺の本数に従いポールを一括選択する機能や、トポロジーを保持しつつ三角形を四角形に統合する機能が追加されるなど、多くのアップデートが施されています。
「Blender 4.4」アップデート内容紹介動画
単一のアクションに複数のアニメーションを格納可能に
アニメーションデータを格納する「アクション」に「スロット」を設けることで、異なるデータブロック(オブジェクト、カメラ、マテリアルなど)におけるアニメーションを単一のアクションに格納できるようになりました。
従来は個別のアクションに格納する必要があった「カメラの移動」や「被写界深度の変更」といった複数のアニメーションを同じアクションにまとめ、オブジェクトやプロジェクト間で簡単にアニメーションを共有できます。
(画像はダウンロードページより引用)
アクションのスロットに関する詳細は公式ドキュメントより確認できます。
ポールやそれに触れる辺・面の一括選択など、モデリングに関する機能も追加
メッシュのポール(複数の辺が交わっている頂点)に交わる辺の本数を指定し、条件に該当するポールやそれに交わる辺・触れている面を一括で選択できる機能「Select By Pole Count」が追加されました。
指定した値と辺の本数が一致する/しない、指定した値より多い/少ないの4パターンでポールを選択できます。
交わる辺の本数を2本/3本/4本/5本/6本と切り替えることで、選択されるポールが変化する(動画はダウンロードページより引用)
メッシュを構成する三角形のうち隣接するものを結合して四角形にする機能も追加されました。
パラメーターを変更して結合パターンを制御することで、同形状の四角形が均一に生成されるように調整が可能。ジオメトリが密集した地点や不規則な構造を持つ箇所においてトポロジーを保持するのに役立つとしています。
(画像はダウンロードページより引用)
モデリングについてはそのほかにも、「Dissolve」機能で辺を削除する際の挙動が改善されるといった変更が加えられています。
(画像はダウンロードページより引用)
そのほか、スカルプトモードで使用できるブラシタイプの追加や、ウィンドウのサイズ調整に関する機能変更など、数多くのアップデートが行われています。
Blender 4.4の詳細は、ダウンロードページやリリースノート、マニュアルをご確認ください。
「Blender 4.4」ダウンロードページ「Blender 4.4」リリースノートBlender 4.4 Manual