この記事の3行まとめ
Epic Gamesは2024年10月2日(水)、Unreal Engine 5.5 Preview 1(以下、UE5.5 Preview)のリリースを発表しました。
本バージョンは、Epic Games Launcherなどを通じてインストールできます。
今回の発表は、2024年9月30日~10月3日(現地時間)の期間においてシアトルで開催されているアンリアルエンジンの公式大型イベント「Unreal Fest Seattle 2024」のオープニングセッションにて行われました。
ダイナミックなライトを大量に配置できる実験的機能「MegaLights」
パフォーマンスへ負荷をかけずに膨大な量の動的なライトをシーンに配置できる実験的機能「MegaLights」が追加されました。リアルなエリアシャドウの生成や、ボリューメトリックフォグのライティングなどが可能です。
「Unreal Fest Seattle 2024」にて公開された同機能のデモ映像では、PlayStation®5において1,000 個を超えるライトが配置された3D空間の様子が確認できます。
ポストプロセスマテリアルの出力結果を、ほかのポストプロセスマテリアル上で読み取り可能に
ポストプロセスマテリアル上でユーザーが自由に読み書き可能なテクスチャ「UserSceneTexture」が導入されました。
ポストプロセスマテリアルからの出力を「UserSceneTexture」に指定することで、出力結果をテクスチャとして他のポストプロセスマテリアル上で読み取り、加工できます。
同様の機能を実現するには、従来のバージョンではエンジン改造によりレンダリングパスの変更あるいは追加が必要でしたが、今回のアップデートによりエンジンの改造が不要となりました。
モバイル向けゲーム開発の機能がアップデート
モバイル端末でのレンダリング結果をエディタ上でプレビュー可能になったほか、モバイル向けレンダラーに「DBufferデカール」「Rect Light」「Screen Space Reflection」といった新機能が追加されています。
また、モバイル向けのフォワードレンダラーについても、PC向けのフォワードレンダラーと同様の機能を実装するとのこと。UE5.5 Previewにおいては、「Moveable Point/Spot-light IES Textures」「Capsule Direct Shadows」などの機能が搭載されています。
建造物をプロシージャルに自動生成するアルゴリズム「Grammar」が実装
プロシージャル自動生成に使用されるアルゴリズム「Grammar」が、「プロシージャル コンテンツ生成フレームワーク(PCG)」に実装されました。
PCGは、フィールド上の草や樹木などを動的に自動生成する機能です。新たなアルゴリズム「Grammar」の導入により、建造物やフェンスといったオブジェクトのプロシージャル生成にも対応しました。
また、PCGにおいてレイキャスティングが実施できる「World Ray Castノード」が追加されるなど、複数のアップデートが施されています。
UE内でテクスチャが作れる実験的機能「TextureGraph」に新たなノードが追加
Unreal Engine 5.4にて導入された、テクスチャの生成や加工をアンリアルエンジン内で行える実験的機能「TextureGraph」について、新たなノードが追加されました。
そのほか、実験的機能としてNaniteがスケルタルメッシュに対応しました。また、特定のアセットがほかのアセットを参照している場合において、参照しているプロパティも併せてReference Viewer上で確認可能になるなど、さまざまな機能追加やアップデートが実施されています。
なお、Preview版は開発中のバージョンであるため、開発中のプロジェクトに利用することは推奨されていません。
UE5.5 Preview 1の詳細については公式フォーラムを、Unreal Engine 5.5で追加・更新される機能はロードマップをご確認ください。
Unreal Engine 5.5 Preview 1更新情報(公式フォーラム)Unreal Engine 5.5 ロードマップ