アプリボット、マスターデータがクライアント側で起こすデータ不整合を防止する方法をブログ記事で解説。『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』でも採用した手法

アプリボット、マスターデータがクライアント側で起こすデータ不整合を防止する方法をブログ記事で解説。『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』でも採用した手法

2024.01.24
ニュースゲームづくりの知識Unity
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • アプリボットが『Unity/C#ゲーム開発における、クライアントでのマスタデータの扱い方』と題したブログ記事を公開
  • 『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』でも採用した手法をコード例付きで解説
  • 読み取り専用インメモリデータベース「MasterMemory」のデータを「Work」クラス、「Store」クラスで管理・更新している

アプリボットは2024年1月19日、技術ブログにてUnity/C#ゲーム開発における、クライアントでのマスタデータの扱い方と題する記事を公開しました。同社開発のゲームタイトルにおいて、クライアント側のマスターデータの扱いをどのようにしているかを解説しています。

この手法は、同社では『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』で初めて採用しました。

ゲーム内におけるマスターデータは、ユーザーによって値の変わらない共通パラメーターとなるケースが多いです。一般的なマスターデータの例として、クエストの内容や、モンスターの名称などの情報が挙げられます。

マスターデータに意図しない書き換えが行われると、エラーや不具合が発生してしまいます。これを防ぐため、クライアント側で管理しているマスターデータが書き換えられない構造を作る必要があります。

アプリボットでは、マスターデータの取得にCysharpの読み取り専用インメモリデータベース「MasterMemory」を利用しています。これを用いて、サーバーにあるマスタデータを、アプリ起動時にサーバー側と同じテーブル構造で取得し、クライアント側でキャッシュしています。

ただし「MasterMemory」はデータベースであるため、データや関連テーブルを検索するたびにデータベースアクセス処理が発生します。これでは検索コストが大きくなってしまいます

そこで「MasterMemory」から取得したデータを関連するデータごとにまとめた「Work」と、マスターデータとユーザーデータを扱いやすいデータ形式に変換したデータを扱う「Store」という2つのクラスを用いました。

画像はアプリボット技術ブログより引用

この手法は、データの流れがわかりやすく、クライアント側のデータ不整合による不具合も起きないというメリットがあります。ただし、Storeでデータを保持することにより、メモリの使用量や負荷が増加することがあります。

同記事では、この他、Work・Storeそれぞれのクラスについてコード例とともに解説しています。

詳細は、こちらをご確認ください。

アプリボット技術ブログ『Unity/C#ゲーム開発における、クライアントでのマスタデータの扱い方』

関連記事

Unityでノードエディタを作成できる公式パッケージ「Graph Toolkit」、実験的機能としてリリース。Unity 6.2 Beta/6.3 Alphaで利用可能
2025.07.19
「Unity 6.3 Alpha」リリース。Render Graphがデフォルトで有効化され、互換モードは近い将来削除される
2025.07.18
オーディオミドルウェア「Wwise 2025.1.0」ベータ版がリリース。オーディオファイル管理ツール「Media Pool」などが追加
2025.07.16
Unity 6のプロファイリング機能を解説した、Unity公式の電子書籍が無料公開。Unity 6.1で正式対応した「Project Auditor」なども紹介
2025.07.15
Unity 6のHDRPを活用した『Into the Dead: Our Darkest Days』開発事例、Unity公式ブログで解説。リアルな色彩表現とパフォーマンス向上を両立した手法を紹介
2025.07.11
Unity 6におけるURPのシェーダー・VFXを解説した公式電子書籍、日本語版が無料でリリース。公式チュートリアル動画3本なども併せて公開中
2025.07.10

注目記事ランキング

2025.07.12 - 2025.07.19
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

エミッター(Emitter)
エミッター
  1. 英語で「放出器」「放出源」のこと。
  2. ゲーム開発においては、パーティクルを生み出す発生源のことを示すことが多い。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!